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「こんな経験は多分もう後にも先にもないかも」4度目の出演 高畑充希と初舞台の平祐奈が語る舞台『奇跡の人』

ぴあ

『奇跡の人』 左から高畑充希、平祐奈  撮影:渡部 伸

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家庭教師アニー・サリヴァンと三重苦の少女ヘレン・ケラーを題材にした舞台『奇跡の人』が2022年5月、東京芸術劇場プレイハウスで上演される。

サリヴァンを演じる高畑充希は、ヘレン・ケラー役での出演を含め今回で4度目の出演。一方、ヘレン・ケラーを演じる平祐奈は、若手ながら映画やドラマ、バラエティに数多く出演しているが、舞台は今回が初出演。「見えない、聞こえない、話せない」三重苦という難役に挑む。ヴィジュアル撮影直後の高畑と平に作品の魅力を語ってもらった。

またあの本に向き合うのが楽しみ(高畑)

ーーおふたりはプライベートで交流があると伺いました。ヴィジュアル撮影も順調にいったのではないですか?

高畑充希(以下、高畑) そうですね。順調に進みました。

平祐奈(以下、平) 会うのは久しぶりだったんですが、「祐奈、久しぶり!」と言ってくれて、ほっとしました。緊張して朝早く起きたぐらい、ドキドキしていたのに、すぐその緊張をほぐしてくださいました。

――あらためて、出演が決まった時のお気持ちを教えてください。

高畑 私はサリヴァンを前回3年前に演じた時、本当に想像以上の消耗だったので、もう1回できるかなとちょっと不安だったんですけど、周りの皆さんが後押ししてくださったので、チャレンジすることにしました。

 私は今回が初舞台。大学を卒業して、舞台もずっと挑戦したいという思いはあったので、すごく貴重な機会をいただきました。でも初舞台にしてすごく難役なので、不安は大きいですけど......充希さんと初共演はすごく嬉しかったですし、楽しみでもあります。

ーー高畑さんの仰る「想像以上の消耗」というのは。

高畑 ヘレンをやっていたときは、結構自分軸というか、周りとの接触もあるといえばあるんですが、基本的に自分で完結できていたんです。でもサリヴァンは、みんなに働きかけて、みんなを動かしていかなくてはいけない役。観客として観ていたとき、ヘレンを演じていたときの想像よりも何倍も精神も体力も使うんです。

ーーそれは、前回「もうちょっとこうしていたかった......」ということがあったわけではない。

高畑 そうですね。前回は、出来うる限りのところまで突き詰めて、公演中も試行錯誤して、千秋楽までトライしてやっていたので、あのときの最善を尽くしました。でも、また3年経つと変わってくるのかなと思っています。力が抜けてるとこもあるのか......でも抜けちゃだめな役でもあるので、未知数ですけど。また新しさを発見していけたらと思います。

ーー3年間いろいろな役や作品を経験されて、それらが生かされるのでしょうか。

高畑 どうですかね。そうなるといいですね。『奇跡の人』はとても戯曲がいいので、読めば読むほど発見もあるでしょうし、またあの本に向き合うというのが、楽しみですね。新しい読み方が見つかるかもしれないです。

役も初舞台も未知の世界。いろいろ向き合っていけたら(平)



ーー平さんは『奇跡の人』をご覧になられたことはありますか?また、演じられるヘレンはどんな役どころだととらえていらっしゃいますか?

 まだ観たことはないんです。ヘレンについては、やはり三重苦という点が難しいなと思います。自分は当たり前のように見えているし、聞こえているし、話ができる。朝、母がキッチンで包丁で何かを切る音や鳥の鳴き声などで目覚めるとき、これらが突然聞こえないというのは、どんな状況になるんだろうと考えます。家にいても、電気を消して、目をつぶって、何か物を触ると、やはり怖いという意識になっちゃう。なので、突然ヘレンのようになったら......生きているだけでもすごいと思います。本当に難しいし、役も初舞台も未知の世界。自分がそこにどんなふうに立ってるかも想像できないです。稽古はまだ先なんですけど、ヘレンといろいろ向き合っていけたらいいなと思います。

ーー平さんは映画『10万分の1』で難病のALS患者役を演じられたことがありますが、当時はどういう風に役作りをされたのですか?

 当時は、実際にALS患者さんにお話を聞きにいったり、ALSを題材にしてるドラマなどをいっぱい見たりしましたね。突然、転んだり、歩けなくなって杖をついたりすると聞いたので、どんな感じなのか、道端でわざと転んでみたり、杖をついて歩くと人からはこういう風に見られるんだと思ったり。自分で一生懸命、想像を膨らませて、役をつくっていきました。

ーーヘレン・ケラーという存在については、どんな印象をお持ちですか?

 小学生の頃とかに伝記や授業で触れてきました。ヘレン・ケラーと聞くと「あの三重苦の人だ」と思えるぐらい、すごい衝撃的な人物。ヘレンを自分が演じることにもびっくりですし、できるのかという不安はありますけど、でも同時に楽しみでもありますね。人生、突然何が起きるか分からないので、今自分が生きていることのありがたみを感じながら、ちゃんとヘレンと向き合っていけたらと思います。

ーーヘレン役のご経験もある高畑さんから、平さんへのアドバイスはありますか?

高畑 私自身が初舞台を踏んだときは、いい意味で緊張感がなかったというか、楽しみしかなかった。演目をやればやるほど難しく感じたり、自信をなくす瞬間が増えてくるけど、初舞台ってちょっと無敵な気がしていて。前回ヘレンを演じていた(鈴木)梨央も初舞台でしたけど、いろんな作品の経験もあったからか、飄々とやっていました。だから祐奈も初舞台とはいえ、それがいい方向に行くんじゃないかなぁ、行ってほしいなと思います。知らないからこそ突っ込んでいけるというか。怪獣みたいな役なので、思い切りやってほしいですね。

ーーそれを受けてどうですか?

 プライベートの充希さんは知っているんですけど、現場では初共演。全然普段と変わらず、気さくに話してくれるんですけど、やはりカメラ前に立ったときの表情なんかは、すごく格好いい。いつも作品を楽しみにさせてもらってますし、舞台もたくさん立たれてるので、お稽古のときはどういう感じなのか、楽しみです。いろいろ教わりたいなとも思っていて。4回目の『奇跡の人』に立たれる充希さんのサリヴァン先生の姿も楽しみだし、いろいろ吸収できたらいいなと思います。

『奇跡の人』がやりたくて、舞台女優を目指した(高畑)



ーー高畑さんはヘレンとサリヴァンの両方から作品を捉えてこられました。やはり違いはありますか。また、両方から見てきて、改めて作品のどんなところが魅力だと思われますか?

高畑 そうですね、全く違います。こんな経験は多分もう後にも先にもないのではと思うくらい。やはりこの戯曲自体が素晴らしすぎるというのは、やればやるほど思いますね。一言一句見逃したくないぐらい。特にサリヴァンをやるようになってから、ヘレンの母との喧嘩の場面などでーーヘレンの時は水分補給ができると思っていたんですけど(笑)ーー言葉の面白さを感じるようになりました。それに実話というのが強いですよね。びっくりするほど、毎回、感動します。別に感情を出そうとか思っていなくても、セリフを言うだけで、奇跡が起きるだけで、泣けちゃう。

演じる身としてはめちゃくちゃつらいんですけど、そういう作品に携われることはなかなかないことで。私は『奇跡の人』がやりたくて、舞台女優を目指したので。それが叶って、足かけ13年携わっているのは、深い縁を感じます。

ーーヘレンがサリヴァンに出会ったように、おふたりにとって、人生のターニングポイントとなった出会いは?

高畑 大きな衝撃よりは、都度都度、生きている中で数年に1回、生涯の出会いや、人生の舵を切る瞬間があるかな。私は、それこそヘレン・ケラーがやりたくて、この業界に入ったので、テレビに出ることは想像していなかったんです。ミュージカルや舞台で生きていこうと思っていたので。そういう意味だと、20歳過ぎたときに、朝ドラのオーディションを受けて受かったことがターニングポイントかもしれないですね。その合格通知の電話をもらったときに、ちょうど親と焼肉を食べてたんですけど、「私、多分人生が変わると思う」と言った記憶があって。本当に変わったんですよ。そういう大きな出来事はあるもんだなあと思います。





 私がこの業界に入ったのは、私が知らない間に、母が是枝(裕和)監督の『奇跡』という映画のオーディションに書類を出していたことなんです。それが一番大きなきっかけだったと思います。家族構成のところに姉(※タレントで、実姉の平愛梨)のことを「会社員」と書いていたんですよ(笑)。そこから本当にいろいろな役に出会って、毎回違う現場で、多くの人に出会って、いろいろな言葉に助けられて。この世界に入って良かったなと思うことばかり。今回の舞台でも、人生のターニングポイントとなるような奇跡が起こるといいな。

ーー最後に、ファンや観客の皆様に一言お願いします!

 きっとこの舞台を観てくださる方は、歴代の『奇跡の人』を観られてる方も多いと思うので、その方の目には私のヘレン・ケラーはどういうふうに映るんだろう。これから稽古で、いろいろと積み重ねていって、恥のないように、ちゃんと舞台に立ちたいと思います。自分なりのヘレン・ケラーを見つけて、充希さんにいろいろ教えてもらいつつ、ふたりで助け合っていきたいです。ナマ物なので、そこにしかない一つひとつの魅力と奇跡をお届けできたら。コロナ禍なので、不安もあると思うんですけど、この物語から素敵なメッセージや希望が見つけられると思います。たくさんの方に観ていただきたいです。

高畑 私は『奇跡の人』への出演は4回目になります。演じる側もかなり体力を使う演目ですけど、その分、凄まじいものが届く作品だと思います。私自身、小さい頃この作品を観て、しばらく席を立てなかった記憶があります。どんな世代の方にも刺さる作品なので、ぜひ劇場で、体感していただければ思います。私も30代になりましたが、体力を振り絞って、頑張りたいと思います。





取材・文:五月女菜穂 撮影:渡部 伸

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舞台『奇跡の人』
■日程・会場:
・東京公演
2022年5月18日(水)~6月5日(日)
東京芸術劇場プレイハウス
・大阪公演
2022年6月8日(水)~2022年6月12日(日)
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

■出演
高畑充希:アニー・サリヴァン
平 祐奈:ヘレン・ケラー

村川絵梨:ケイト・ケラー
井上祐貴:ジェイムズ・ケラー
山野 海:ヴァイニー
森山大輔:アナグノス / 召使い
佐藤 誓:医師 / ハウ博士
増子倭文江:エヴ伯母
池田成志:アーサー・ケラー

倉澤雅美、中野 歩、秋山みり

『奇跡の人』チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2296081

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