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竜星涼、謎多き役柄で心を掴む 『メゾン・ド・ポリス』“何でも屋”瀬川の正体とは?

リアルサウンド

19/2/1(金) 6:00

 高畑充希主演ドラマ『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)で、おじさまたちの御用聞き・瀬川草介役を演じている竜星涼。昨年『アンナチュラル』(TBS系)で演じた葬儀屋・木林南雲役に続き、素性のわからない謎多き役柄が、なぜだか竜星にはよく似合う。

 『メゾン・ド・ポリス』は新人刑事・牧野ひより(高畑)が、退職警察官だけが住むシェアハウス「メゾン・ド・ポリス」を訪れ、ワケありの“おじさま”たちに振り回されながら事件を解決していく刑事ドラマ。一筋縄ではいかない“おじさま”を演じるのは、西島秀俊、小日向文世、野口五郎、角野卓造、近藤正臣という豪華な顔ぶれで、台本なのかアドリブなのかわからない絶妙なトークと、おじさまたちが時折見せるギャップが人気を集めている。

【写真】『アンナチュラル』で葬儀屋・木林役に扮していた竜星涼

 本作で竜星が演じているのは、頻繁にメゾンに出入りする瀬川。ショートエプロンをしている草介は単なる八百屋の配達人かと思いきや、その実態は“買い物コーディネーター”という名の“何でも屋”。いつも、あっけらかんと元気いっぱいの草介には、昨年12月まで放送されていたNHKドラマ10『昭和元禄落語心中』の与太郎役を重ねる人も多いだろう。

 草介の役割は多岐に渡り、第1話ではひよりを尾行し、鑑識係の杉岡(西田尚美)と居酒屋で繰り広げる女子トークを堂々と盗み聞き。続く第2話では、ひよりがやけ酒をしているところに「荒ぶってますね~」とハイテンションで声をかけ、「またつけてきたんですか?」というひよりを「愚痴、悪口、自慢、夢、妄想。俺、なんでも受け止めますから」と制する。そうして眠ってしまったひよりに、迫田(角野)から託された事件解決の糸口となる手紙を残し、この日は退散。事件解決後には「今度尾行したら逮捕するから」というひよりに「仕事なんで。でも、ひよりさんと飲みたかったのは本当ですよ」と、あざとさ全開だ。

 第3話では尾行の域を超え、「自分の意志でひよりさんをつけてきました」と酒を交わす仲に。杉岡に「誰?」と聞かれれば「ひよりさんの恋人です」とニッコニコで、相変わらず調子が良い。さらに場面が切り替わると、なんとひよりの家で朝を迎えるという急展開が訪れるのだが、本人は動揺することもなく、「トイレ借りますね~」と通常営業。本当に、何を考えているのかサッパリわからない。

 “異質な存在なのに、なぜかその場に馴染んでしまう”というのは、竜星のお家芸。『アンナチュラル』で演じた木林は、まさにつかみ所のない役どころで、「事件の真犯人なのではないか!?」と視聴者を深読みさせるほど魅力に溢れ、結局のところその正体はふわふわと謎のまま閉幕。かなりクセの強いキャラクターで、物語の中で浮いてしまってもおかしくはなかったが、それを“気になる存在”として成立させる演技力は見事だった。

 そして『メゾン・ド・ポリス』でも、 “謎の役どころ”というのが木林と共通している部分。というのも、原作の草介はひよりが通うバーの店主であり、ドラマ版では大きく設定が異なっている。『アンナチュラル』はオリジナル脚本のドラマで、ゆえに木林の本性を事前に知り得ることはできなかったが、『メゾン・ド・ポリス』の草介もそれに近い。ひよりの過去、おじさま方の正体など、わからないことだらけの物語だが、結局のところ一番謎に包まれているのは草介かもしれない。そして、そんな草介もまた、木林同様にいい味を出している。

 2018年にはAmazonプライムオリジナルドラマ『紺田照の合法レシピ』、『激レアさんを連れてきた。ドラマシアター 激アツ!!ヤンキー サッカー部』(テレビ朝日系)で主演を務めたほか、『昭和元禄落語心中』での熱のこもった演技が絶賛されるなど、実力も十分。だからこそ、物語のアクセントとなる“気になるイケメン”としてのポジションで放つ不思議な輝きが、より魅惑的に映るのだろう。主と脇で、違った魅力をふりまく竜星。今後はどのような顔を見せてくれるのか、ますます楽しみだ。

(nakamura omame)

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