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Age Factoryの未来を確信した夜ーー『HOPE』ツアーでオーディエンスと見出した“希望”

リアルサウンド

19/10/27(日) 12:00

 Age Factoryが、10月19日恵比寿LIQUIDROOMにて『ONE MAN TOUR 2019『HOPE』』のファイナル公演を開催した。今回、キャリア初となるワンマンライブツアーの模様をレポートする。

 まず、Age Factoryだけを見に来た約1000人の観客が集った中で、異様なまでの高揚感と期待感がフロアに充満していたことを記したい。Age Factoryが東京でワンマンライブを行うのは、約1年ぶりのこと。対バンライブでは、相手バンドを食って掛かるような凄みや、鋭さを感じるが、今回のような彼らの味方しかいないワンマンライブで、どんな音を鳴らすのか非常に楽しみであった。

 「集まってくれてありがとう、今日この恵比寿リキッドルーム、俺らはなにか成し遂げることができる気がするよ、奈良 Age Factory よろしく」と清水エイスケ(Vo/Gt)が告げ、1曲目からロックアンセム「RIVER」を投入。割れんばかりの歓声が湧き上がった。続けて「全員丸めて来い!」と、フロアの温度を上げ「CLEAN UP」、「WORLD IS MINE」、「NOHARA」を披露し、堰を切ったかのように観客も剥き出しの本能のような昂りを露わにしていく。増子央人 (Dr)の32ビートをバックに清水が「2020年、誰も間違えるな。俺たちがいるよ。ああ?」と啖呵を切ったのち、西口直人(Ba)のヘビーなスラップから「Puke」を鳴らし怒涛の5曲を披露した。熱狂から一転、落ち着いた空気の中で「Yellow」、「million」、「白昼夢」をプレイ。青い炎のような熱さを感じ、轟音に何かを問いただされるような感覚があった。

  MCでは、清水が改めて感謝を述べ「ツアー中の問題点、MCまじでわからん問題(滑舌が悪くてMCで何を言っているか分からない)」と笑いを生む場面もあり、ワンマンツアーと今夏リリースしたシングル3作品について振り返った。「nothing anymore」について清水は、「メンバー全員奈良県に住んでるんですけど、歩く場所全部思い出があって、俺たちの匂いがして」と曲にリンクする郷愁を語り、「自分の今までのことと、これからのことの狭間にいて、俺らの世代独特で思う感情が芽生えてきて、何も要らないなって思って書きました」と紹介した。そして、ゲストコーラスの佐藤千亜妃をステージへ迎え入れる。佐藤は「よろしく」と一言だけ述べ、演奏を始めた。ゆるやかなアルペジオを鳴らし、穏やかな表情で歌い上げていく。聴いているこちらも、故郷の風景や匂い、懐かしい青春の1ページが蘇ってくるようだった。

 曲を終えてから「なんの思い出話もせんかったな、ミスった……」と清水が口にしていたが、きのこ帝国は清水が高校生の頃聞いていたバンドであり、Age Factoryの自主企画ライブにも出演したことのあるバンド。思い入れのあるボーカリストを迎えた1曲かぎりのコラボレーションは、特別であっただろう。

  佐藤が去った後、各地のライブハウスで育ててきた始まりのアンセム「GOLD」を掻き鳴らし、一気にフロアのムードを変え、ブーストをかけた。間髪入れず「HUNGRY/猿」をプレイ。続けて異様なまでに滾る空気の中「CLOSE EYE」を披露した。撮影が許可され、スマホを片手にフロアは縦に揺れていた。西口は髪を振り乱し、増子は身を乗り出すかのような勢いで演奏を繰り広げる。清水の完全にスイッチの入った目に吸い込まれそうになり、ハードコアの爆発力を体感した。その後、彼らの青さを歌った新たなアンセム「HIGH WAY BEACH」を歌い上げると、たまらず清水は、「気持ちいい」と笑みをこぼしていた。

  さらに、「さらば街よ」から4曲を声高らかに歌い上げ、「TONBO」で溢れんばかりの大シンガロングを巻き起こした。そして来年5月に自主企画イベント『NOVA CITY』をクリエイティブセンター大阪(名村造船所跡地)で行うことを発表。最後に「ライブしてたら素晴らしい瞬間が重なって時間になってて、断片的にしか思い出せないけど、素晴らしいモノがあって、それをずっと探してます。今日はその瞬間だけが集まったような日でした。ホンマに楽しかったありがとう」と感謝を述べ、「また、夢で会おうぜ。じゃあな、おやすみ」と彼らのポップナンバー「See you in my dream」を届けた。フロアはダイバーで溢れ、歓声が巻き起こり、駆け抜けるように本編は幕を下ろした。アンコールでは「ロードショー」を披露。熱狂を終えてもなお、ダブルアンコールを望む拍手が鳴り響いていた。

 現在のバンドシーンで、異質な存在であるAge Factoryが行ったワンマンライブ。鬼気迫る狂気や凄みを感じる瞬間にさえ、温かな空気感を常に肌で感じた。それは決して生ぬるい中途半端なモノではない。やはりAge Factoryを愛し、信じ、その存在に傾倒している1000人がいたからこそ生まれた空気感であったように思う。MCで清水は、「ロックバンドが一番やばいから、余裕でな。マジでなめんなよって思う最近。俺らの力見せつけてやろうや、俺らを中心にできるはずだよ絶対」と述べた。この自信に裏付けされた、彼らの最高到達点と言えるようなライブだった。『HOPE』と称されたワンマンライブツアー。彼らの音楽、あのライブを目撃した1000人、創り上げた空間がまさに”希望”だろう。ここからさらに高く跳ぶAge Factoryの未来を確信した夜だった。

(文=石見優里佳/写真=西槇太一)

■ライブ情報
『Age Factory presents「NOVA CITY」』
2020年5月5日(火・祝)Creative Center Osaka(名村造船所跡地)
オールスタンディング(一般) 4,999円
オールスタンディング(学割) 4,500円
※別途ドリンク代 ※学割は当日学生証を持参。
・出演:Age Factory  / and more
・LINEチケット先行
受付URL
受付期間 : 10/21(月)12:00〜10/28(月)23:59 
・イープラス先着先行受付
受付URL  (PC&スマホ)
受付期間 : 10/30(水)12:00~11/11(月)18:00

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