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これぞ永遠のラブロマンス! ミュージカル『ローマの休日』より土屋太鳳 & 加藤和樹 出演公演をレポート

ぴあ

ミュージカル『ローマの休日』より

オードリー・ヘプバーン主演の不朽の名作映画(1953)が、世界で初めてここ日本でミュージカル化された『ローマの休日』が、10月4日(日)より20年ぶりに再演されている。初演(1998年、2000年)では大地真央と山口祐一郎が演じたアン王女と新聞記者ジョー・ブラッドレーに、朝夏まなと&土屋太鳳、加藤和樹&平方元基(各ダブルキャスト)が扮する新装版。初日に先駆け3日に行われた舞台稽古のうち、土屋×加藤の回を取材した。

ミュージカル『ローマの休日』より

アン王女は、ヨーロッパ諸国を歴訪中に立ち寄ったローマで、公務に疲れてこっそり街に繰り出してしまう役どころ。土屋はミュージカル初挑戦ながら、一学生の振りをしていても滲み出てしまう高貴さと、年頃の女性らしいやんちゃさとを併せ持った、愛すべきヒロイン像を見事に作り上げた。そのアン王女のプライベートをスクープしようとローマ観光をエスコートするものの、次第に目的を忘れて彼女に惹かれていくジョー役の加藤もまた、男気や色気と繊細な優しさとが交互に顔を出すような持ち味が役にぴったりだ。

ミュージカル『ローマの休日』より

そんなふたりが描き出したのは、チラシなどにもある通り、まさに永遠のラブ・ロマンス! “とある国の王女”が主人公というファンタジックな設定でありながら、決しておとぎ話のように夢々しくは終わらない、原作映画が持つストーリーの普遍的な魅力に改めて開眼させられる。今回の再演にあたり、初演の演出も手掛けた山田和也は脚本(堀越真)と楽曲(音楽:大島ミチル×作詞:斉藤由貴)を練り直し、セットや衣裳はほぼ一新したそうだが、下手に現代性を取り入れようとしなかったことが功を奏したのだろう。奇をてらわないオーセンティックな演出が、“古き佳き作品”を観ているような安心感と清涼感を与えてくれた。

ミュージカル『ローマの休日』より

舞台と客席の間にドーンと構えるオーケストラピットが音楽を奏で、舞台上にはローマの観光名所を模したセットが次々と登場し、その上で大勢の俳優が歌い踊る——。そんなオーセンティックな演出が実現したのは、ミュージカル界がコロナ禍を乗り越えつつある証でもある。大型作品が次々と中止に追い込まれた帝国劇場で、代わりに行われたコンサートやトークショーは、それはそれでコロナ禍ならではの貴重な公演。だがやはりこういうミュージカルを観ると、“帝劇が帰ってきた”感がより一層高まるのだった。

ミュージカル『ローマの休日』より

【出演者コメント】

<朝夏まなと>
舞台の幕が開くことがこんなに嬉しいことは初めてです!
2020年のローマの休日を楽しんでいただけるよう、気をつけながらも感謝を込めて務めます! とうぞお楽しみに!!

<土屋太鳳>
目覚めたら夢なんじゃないかって思うくらい、今も夢のようです。私の人生に何が起ころうとしてるのか不思議ですが、難しい状況の中で観て下さる方々、関わって下さる方々に感謝を込め、アン王女を生きたいと思います。

<加藤和樹>
キャスト・スタッフみんなで力を合わせて限られた時間、条件の中で稽古を重ねてきました。ここが新たなスタートラインという意識を持ち、舞台に立てる喜びを噛み締めて、最後まで無事に誰一人かけること無く駆け抜けたいと思います。

<平方元基>
歴史ある『ローマの休日』という作品を、このコロナ禍でカンパニー一丸となってつくり上げてきました。いろんな壁にぶつかり、いろんな創造をし、こうしてまもなく皆様の前に届けられる事を嬉しく思います。どうぞご期待ください。

<太田基裕>
今回、アーヴィングという役を演じます。ご観劇のお客様に、ささやかな幸せや、温かさ、夢や日常を少しでも感じて頂く事が出来るように精進したいと思います。笑って泣いて、寄り添うように優しい。そんな舞台になりますように。劇場でお待ちしています。

<藤森慎吾コメント>
本番を迎える緊張感もありながら、共演者の皆さんとの信頼感も深まりこの現場が恋しく思います。通し稽古を見ていると不思議と泣きそうになります。それ程、素晴らしい舞台なんです! そして、その中に自分も参加しているという興奮。楽しみにしていてください!!

ミュージカル『ローマの休日』

出演(各役五十音順 Wキャスト):
アン王女役:朝夏まなと/土屋太鳳
ジョー・ブラッドレー役:加藤和樹/平方元基
アーヴィング(カメラマン)役:太田基裕/藤森慎吾
ほか

10月28日(水)まで帝国劇場にて

愛知・御園座にて12月19日(土)~12月25日(金)
福岡・博多座2021年1月1日(金・祝)~1月12日(火)開催予定

取材・文:町田麻子

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