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『美食探偵』中村倫也×小池栄子の愛が成就!? 小芝風花は“リモート演出”でも届かぬ想いを熱演

リアルサウンド

20/5/18(月) 11:20

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により特殊な形式でのラストシーンとなった『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系)第6話。明智(中村倫也)を取り巻く四角関係にも五角関係にも及ぶ“愛”の物語や、ついに再会を果たしたマリア(小池栄子)との熱い口づけ、その姿をただ傍観することしかできない苺(小芝風花)の真に迫る熱演など、非常に見どころの多い回となった。

参考:【ほか場面写真多数】中村と小芝の切ない横顔

 第6話のストーリーの主軸となるのは、明智五郎のお見合い話。大手百貨店の家系である明智は、母親から会社の後を継ぐことを迫られながら、弟・六郎(草川拓弥)とともに社長令嬢の紗英(北原里英)とのお見合いに参加させられることになる。この時点でまずは、明智に尊敬以上の熱い想いを寄せる高橋刑事(佐藤寛太)と、恋心が加速しつつある苺の嫉妬の念がピークに。マリアとお見合い相手までを含めると半ば五角関係の様相で、「『バチェラー』を観ているのか?」という具合の明智をめぐる激しい愛の攻防戦が繰り広げられる。

 しかしそうしたコメディ展開の最中で、料理に混入したフグ毒によって紗英が急死。そこにマリアの姿を発見した明智はまたしても彼女の仕業だろうと疑うが、実際は“明智を救うため”の工作であったことが判明。百貨店の役員・伊達(小市慢太郎)が仕組んだ“明智殺害計画”を、マリアとマリアファミリーたちが阻止したのだ。

 なおも諦めない伊達によって再び命を危険に晒される明智であったが、炎に包まれるなかマリアが捨て身の救助を敢行。「愛する人のためになら、迷わず命を捧げるわ」と明智への愛の大きさを証明するマリアと、立ちすくむしかなかった苺との対比が浮き彫りになってしまう。明智とマリアはお互いの想いを確かめるように熱いキスを交わし、苺はその関係性に介入することができない。

 2人以外誰も近づけないような特殊な空間を作り出すのに、中村倫也と小池栄子という孤高の天才的な役者が果たす役割は大きい。庶民的な苺と、まさしく“アダムとイブ”のような格の高さを見せる明智とマリアは、それを演じる役者の個性も相まって悲しくも断絶された世界を表出してしまう。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、第6話のラストシーンは真っ暗なスタジオで明智と苺が対面する、“リモート演出”での芝居となった。あんなことがあっても何も変わらない明智に、苺は「もう、全然敵わないって分かりましたから」と吐露。助手として一緒にさまざまな事件に立ち向かってきたのに、マリアのことを自分に相談してくれなかった悲しさや悔しさ、炎に包まれた明智を前に足がすくんでしまったやるせなさ、明智への並々ならぬ想い……。小芝風花が何度も表情を変えながら、時おり涙を滲ませながら独白する複雑な感情の発露に、果たして心を掴まれない視聴者がいただろうか。

 そんな苺に対して明智は、「美味しい料理を作れる人間には、常にそばにいてほしい」と切り返す。手の届く距離にいるのに決して触れ合うことができない2人の哀しいドラマ。それが、このリモート演出によってより強調されて映し出されていたように思う。物語も折り返し地点を過ぎて盛り上がりを見せてきたが、撮影の中断によって第7話以降の放送は一旦延期に。来週の特別編の放送などを観たり、これまでのストーリーを振り返ったりしながら、次回の放送を気長に待ちましょう。 (文=原航平)

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