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年末年始特別企画 第37回

水先案内人 藤原えりみが選んだ2019年のベストムービー

 

『ヨーゼフ・ボイスは挑発する』(3/2公開)

         
 
 

『ヒューマン・フロー/大地漂流』(1/12公開)

         
 
 

『セメントの記憶』(3/23公開)

         
 

この数年、美術館関係&美術市場、アーティストのドキュメンタリーや劇映画などの公開が多いのだが、20世紀後半以降のアーティストが社会の現状とどのように関わり、社会および人々の意識の変革を目指していくかという問いを先鋭化ささせた映像作品を選んでみたい。まずは、環境問題や経済機構も含め、新しい社会の構築を訴えた、ナチスの空軍パイロットだったボイスのドキュメンタリー。そして中国出身のアクティヴィスト&アーティストであるアイ・ウェイウェイの西欧における難民の現状を追った『ヒューマン・フロー』。中国現政権に対する批判的な作品により現在ベルリンに住まざるを得なくなったアイは、人種差別と排除主義に対する先鋭な感性と美しい自然の風景とを対比させ、人為的に作り出される差別構造を浮き彫りにする。シリア難民のクルスーム監督の『セメントの記憶』も、建設作業現場に閉じ込められた難民作業員たちの日々の生活と、復興しつつあるレバノンの美しい都市と海の風景の対比が刺さる。いずれの作品も、社会の現状と表現行為のギリギリの接線で成立する危うさと繊細さは捨てがたい。

『ヨーゼフ・ボイスは挑発する』(C)2017 zero one film, Terz Film
『ヒューマン・フロー/大地漂流』(C)2017 Human Flow UG. All Rights Reserved.

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