The Brow Beat LIVE 2021 "Let's play harevutai shall,we!?"が去る9月30日と10月1日の2日間に渡って東京建物 Brillia HALLにて開催された。本記事ではその2日目公演の模様をレポートする。
The Brow Beat LIVE 2021「Let’s play harevutai, shall we!?」(2021年10月1日 東京建物 Brillia HALL)
The Brow Beatとしておよそ一年半振り以上となる有観客ワンマンライブという事もあり、場内にはハロウィンを思わせる場内SEや趣向を凝らしたステージセットがスタンバイ。そちらを前にするオーディエンスは、勿論こちらも感染対策を十分に講じた上での公演であった為声を上げる事は出来ないが、その分会場内の誰もが"お帰り!"と"待ってたよ!"の無言の叫びでもって、開演を今か今かと待ち侘びている。さあ、今宵の準備は整った。
突如としてこだまする"Open Your Eyes..."の声と共に場内は暗転。ステージセット上に据えられたThe Brow Beatの象徴としてお馴染みの大きな仮面のオブジェの眼光が点灯し、サポートメンバーであるドラムのかどしゅんたろう、ベースのCHIROLYN、ギターのNarukazeの登壇を経て、トータルプロデューサーであるHAKUEI、そして遂に今宵の主役であるRyujiが登壇、割れんばかりの拍手で迎えるオーディエンスを良い意味でぶった斬るかの如く演奏されたオープニングナンバーは「シンデレラ」。曲名が壮大なブラフである荒々しいメタリックチューンなのであるが、冒頭の歌詞が"Nice to meet you.I am 高貴な危険"と歌われており、一年半振りに相見えるオーディエンスに対するご挨拶と先制パンチを見舞う上では最高の幕開けである。続いてまたまた、筆者としてはこれが最新EPの表題曲でもよかったのではないかと思っていた「Grind age」。え!?もう演ってくれちゃうんですか?これはそう。今宵のThe Brow Beatは確実に、上品に言えばフルコースのおもてなし、下品に言えば全身全霊でオーディエンスをぶん殴りに来ているぞ(笑)。その感覚が確信に変わったのは続いて演奏された「ハレヴタイ」。3曲目にして既にハイライトを迎えてしまってしまったのではないかという心配をよそに宴は続く。
MCでRyujiは緊急事態宣言明けの喜びを噛み締める様に口にしたかと思えば即座に"昨日も相当盛り上がったけど、超えられるのかお前ら!"とオーディエンスを煽り、続いてはずしんと響くビートの上でザクザクと刻まれるリフが心地良い「Adam」。Ryujiはサビになるとステージ中央にうずくまって情感たっぷりに歌い上げる。描かれた物憂げな歌詞の世界観と相まって、最初のセクションとは全く違ったThe Brow Beatのディープな世界へ客席を誘う。和+ダンサブルな「21グラム」でのRyujiは低音ラップや長台詞やサビでの高らかな歌唱まで縦横無尽。己の喉を自在に操る彼の声は時折、到底同じ人間から出ているとは思えない程だ。そんなRyujiに負けじとHAKUEIは言葉遊び的な"斑だらだらだら"、"見たらたらたらたら"、"ぬらりらりらりらり"を官能的に歌う。ツインボーカルの醍醐味ここに極まれりといった、今回のEPの中で最もライブで体感するべき曲である。中盤の三拍子の箇所ではアコースティックベースまで登場し、世界観の再現にどこまでも手抜かりなしだ。
行動しない限り楽しい事は起こらない
一旦HAKUEIが退場し、Ryujiのピンボーカルによる「灯篭流し」をしっとりと聴かせ、アットホームなMCタイムへ。Ryujiは客席からの"イェー!"の幻聴が聞こえる自分はヤバいのではないかと久方振りの有観客でブチ上がってしまっている感情を吐露し、それとは裏腹にサポート陣のMCはやれ「メシ食って風呂入って寝た」(Narukaze)や「速攻寝ました」(CHIROLYN)や「ハピネス探してた」(かど)のと、実に微笑ましき脱力系(笑)。きっちり締める様に"寝転がってても楽しい事はないが、寝転んでても悲しい事はある。そんな世の中が鬱陶しい。自分が行動しない限り楽しい事は起こらない。行けるか!?"とのRyujiの煽りと共に、此処からノンストップの後半戦が火蓋を切る。ハスキーなボーカルで聴かせる「Black Sheep」、拡声器を取り出しひたすらにアジテーションする「パラノイド・スター」ではヘドバンで応酬するオーディエンスに煽られたのか、余りの盛り上がりにCHIROLYNは転倒(笑)!一転してサポート陣の演奏力で魅了してくれるメンバーコールではNarukazeはファンキーなワウギター、CHIROLYNはピックをおでこに貼り付けスラップ、かどは高速ツーバスのみ、と言う個性溢れるプレイを披露し、HAKUEIも交えた布陣でそのままギラギラの照明とプラスで客席を踊らせる「娑羅羅羅羅」や軽快なシャッフルリズムの上に繰り広げられる外連味溢れるパフォーマンスがたまらない「CLOWN」、"楽しいだろ?今からぶっ壊すからな!!"と凶悪なリフや吐き捨てボーカル、はたまたブラストビートまで飛び出す「サザンクロス」、そして"人生で5本の指に入る夜だ"とRyujiが今宵の素晴らしさを口にして演奏される「光のアルペジオ」にて本編は締められた。
そんな本編を経てのアンコール、先ずはサポートメンバーとRyujiが登場し、屈指のキラーチューン「アイリス」。ポジティブな光を感じさせるギターの単音リフと激しくロールされるドラムとのコントラストが何とも美しい。そしてHAKUEIを迎え"みんなと一緒に歌える日を願って、歌います。"の一言と共に届けられた「睡蓮」では"“命は風に乗り旅をする 命は歌に乗り旅をする"の一節を声高に歌うメンバー。そしてそれをオーディエンスは手拍子で応える。Ryujiと同じくらい、またはそれ以上に一緒に歌える日を願うオーディエンスの手拍子はさながら祈りの歌の様に鳴り止む事はなかった。
鳴り止まない手拍子に応える様に再びオーディエンスの前に姿を表したThe Brow Beat。感動的な手拍子を締めたのはRyujiによるまさかの"チャ・チャチャチャ!"であった(笑っていいとも!笑)。"つまんねえ割合の方が圧倒的に多い世の中、その穴何処で埋めんのかっつったらこういう事で取り返すしかねえっしょ!いけるかお前ら!!"の煽りと共に繰り出されたのは白雪姫のハイホーを大胆に暴れコールとして引用した「Snow White」、"取り返しに来いって言ってんだろうが!"の煽りで投下される「日本」、そして最後の最後に演奏されたのはRyujiのハイキックや早口ラップの掛け合いが見事だった「L.R」。
此度のライブでは低音、がなり、吐き捨てと力強いRyujiの声と繊細なビブラートを交えながら高音ハモりやファルセットを響かせるHAKUEIの声とが幾度も有機的に交差する瞬間を見せてくれたThe Brow Beat。HAKUEIがMCで語ってくれた鋭意制作中の新曲ではより一層妖しく、美しく、そして光溢れるツインボーカルの形を聴かせてくれるのではないかと、オーディエンスの期待をより高めてくれる一夜だった。個人的な白眉は恐らく今後も演奏されるであろう「21グラム」。これは是非とも、生で体感して欲しい。
取材・文 / 庄村聡泰
The Brow Beat LIVE 2021
「Let’s play harevutai, shall we!?」
2021年10月1日(金) 東京建物 Brillia HALL
-Setlist-
-SE-
01. シンデレラ
02.Grind age
03. ハレヴタイ
-MC-
04.Adam
05.21 グラム
06. 灯篭流し
-MC-
07.BLACK SHEEP
08. パラノイド・スター
09.-Member Call-
10. 沙羅羅羅
11.CLOWN
12. サザンクロス
13. 光のアルペジオ
EN1
-MC-
14. アイリス
15. 睡蓮
EN2
-MC-
16. Snow White
17. 日本
18. L.R
The Brow Beat メジャーデビューシングル『ハレヴタイ』
2021年7月7日発売
遊☆戯☆王SEVENS 毎週日曜朝7時30分~(テレビ東京系列)
新オープニング主題歌 「ハレヴタイ」
作詞:Ryuji・HAKUEI
作曲:HAKUEI
編曲:tatsuo
●Type A(CD + DVD) 税込1,980円
【収録曲】
・ハレヴタイ
・21グラム
DVDには「ハレヴタイ」MUSIC VIDEO収録
購入は
こちら
●Type B(CD) 税込1,980円
【収録曲】全2曲入り
・ハレヴタイ
・シンデレラ
豪華24Pブックレット付
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●Type C(CD) 税込1,100円
【収録曲】
・ハレヴタイ
・ハレヴタイ Ryuji Solo Ver.
・ハレヴタイ HAKUEI Solo Ver.
・ハレヴタイ Ryuji Cho Ver.
・ハレヴタイ HAKUEI Cho Ver.
・ハレヴタイ TV Size Ver.
・ハレヴタイ(Instrumental)
7種ランダムブロマイド1種封入
Ryuji & HAKUEI をキャラクター化したアニメジャケット仕様
購入はこちら
●Type D(CD) 税込1,200円
【収録曲】
・ハレヴタイ
・Grind Age
・ハレヴタイ(Instrumental)
描きおろしアニメジャケット仕様
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