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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

『サタデー・フィクション』 (C)YINGFILMS

オダギリジョー 我が道を進みつづける

日本の役者ってこんなもんか、と思われたくない

全12回

第9回

19/11/3(日)

初めての本格的な海外作品は『BIG RIVER』(2006)だと言えると思います。全編を米アリゾナで撮影し、まるまる外国語で芝居した初めての作品でした。いいスタッフ、キャストに恵まれ、素晴らしい経験になりました。その後、いくつかの海外作品に参加しましたが、中でもとにかく大変だったのは『マイウェイ 12,000キロの真実』(2012)でした。撮影期間も半年以上かかっていましたし、第2次大戦の話なので戦闘シーンが多く、怪我やトラブルと背中合わせの撮影でした。肉体的にも精神的にも最も苦労した作品と言えるかもしれません。そしてまた違う意味で大変だったのが田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)監督の『ウォーリアー&ウルフ』(2011)でした。モンゴルに近いウィグル自治区で撮影したんですが、行くだけでも飛行機や車を乗り継いで丸2日かかる場所で、夜はロウソクで過ごすような生活をこれまた半年近く経験しました。撮影現場は砂漠のような場所で、風が強いと砂が舞い上がり嵐のようになるので、砂が止むまで朝から日没まで待ち続けて結局撮影できなかったり、雲の形が違うという理由で撮影中止になったり、黒澤明監督の逸話で聞いたことあるようなことが目の前で起きるんですよ。挙げ句の果てには、雪が降るまで待とうと言って、3週間が何もなく過ぎたり。中国にはこんなに贅沢な撮り方をできる人が現代にも居ることに驚きました。ただ、日本語を話す相手もいないような状況でウイグル自治区に監禁され続けるわけですからね。終わりが見えない中(苦笑)。精神的には本当に辛かったですね。初めて映画の現場でおかしくなりそうでした。

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