地下鉄で見つけたバッグを持ち主の家にまで直接届けに行ってしまうクロエ・グレース・モレッツ。無防備すぎる行動を目にするたびに、「志村、後ろ後ろ！」と叫びたくなってしまいました。親友役のマイカ・モンローがそんな観客の声を代弁し、クロエを救おうとする役割を果たしてくれるおかげで、ある意味ではストレスフルなサスペンス。 ニール・ジョーダンの監督作だからと期待しすぎてしまうと、この展開の先にもうひとひねり欲しい……と物足りない気分にもなりますが、それを補って余りあるのがキビキビと恐ろしいことをしでかす、イザベル・ユペール様の存在感。省エネ的な表情筋の使い方はお見事のひとこと！　ほぼ能面フェイスでここまで怖がらせ笑わせてくれる女優は多くはないのではないでしょうか。