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峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら

冬の思い出とザワザワ

毎週連載

第6回

僕にとって、冬はいろいろと行事がある季節なんです。

12月10日が僕の誕生日でしょ、それからクリスマス、冬休み、親戚のお兄ちゃんに年末年始によく蔵王まで連れて行ってもらったスキー、そしてお正月。

ただね、クリスマスとお正月に限って言えば、うちは家業が電器屋だったから、休みもヘッタクレもないんですよ(笑)。元旦くらいは休んでいたかもしれないけど、2日からはもうお店を開けていたと思う。だから普通の家庭に比べたら、家族全員で一緒に過ごす時間というのは少なかったかもしれないんだよね。そういうときは、おじいちゃん、おばあちゃんの家に子どもたちだけ遊びに行ったりはしていたけど、家族揃って……というのは少なかった気がします。

誕生日とかクリスマスにもらって嬉しかったプレゼントで言うと、やっぱりファミコンですね。これはすごく覚えていて、僕の誕生日の12月10日と、スパルタンXの発売日が全く同じだったの。調べると、スパルタンXの発売日は1984年だったみたいだから、ちょうど7歳の誕生日に買ってもらったってことですね。おじいちゃんにねだって、町に1個だけあるオモチャ屋さんで予約して買ってもらったんだけど……あれは嬉しかったな。

ただね、それ以外のオモチャ……ラジコンだとか、ミニ四駆だとか、ガンプラだとか、ビックリマンだとか、スケボーだとかはね、僕はいっさい手を出さなかったんです。周りの友だちは学年が上がっていくにつれて、オモチャもグレードアップしていったけど、みんなが新しいオモチャで遊んでる様子をただ見てるだけでした。

欲しいとも思わなかったけど、これは我慢していたわけではなくて、「これ買って」「あれ買って」っていうことを親やおじいちゃんとかにねだることがなんか下手だったんですよね。その点、弟のほうは「あれ欲しい」とか言っていたような気がするけど(笑)、僕は元々大人しい、もの静かな子だったから。だから、大人にとったら、ワガママを言わない、周囲に迷惑もかけない子に映っていたはずですよ。

ただ、僕はそういう大人しい子どもだったはずなのに、だんだんだんだん、小学校高学年くらいになると、自分の中にザワザワするものが芽生えてくるようになったんですよね。

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