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Argonavis 伊藤昌弘×廣澤優也 対談インタビュー 両者が語る、結成からアニメ化までの軌跡とバンドの成長

リアルサウンド

20/4/29(水) 18:00

 『BanG Dream!(バンドリ!)』発のボーイズバンド・Argonavisが、4月29日に3rd Single『星がはじまる』をリリースした。表題曲は、4月10日からスタートしたTVアニメ『アルゴナビス from BanG Dream!』のオープニングテーマを担当。カップリングには、同バンド初のオリジナル曲「Steady Goes!」などが収録されている。

【試聴動画】Argonavis「星がはじまる」 (4/29発売)

 2018年のプロジェクトスタートから約2年。Argonavisのほか、GYROAXIAやFantôme Irisといったライバルバンドの登場を経て、2020年にファン待望のアニメ化、そしてスマートフォン用ゲームアプリのリリースを控えるなど、その認知を拡大している『アルゴナビス from BanG Dream!』。リアルサウンドでは、Argonavisのボーカル・伊藤昌弘(七星蓮役)とバンド初のオリジナル曲「Steady Goes!」などの楽曲を手がける廣澤優也(HANO)との対談を企画。結成から現在までの歩みを振り返りつつ、伊藤を含めたArgonavisのバンドとしての成長、そしてこれからの目標についても語り合ってもらった。(編集部)

初対面では七星 蓮に近いミステリアスさを感じた(廣澤)

【Argonavis】「Steady Goes!」ライブ映像【0-2nd LIVE -始動-】

ーーこれまでに、お2人での対談はありましたか?

伊藤昌弘(以下、伊藤):初めてです。

廣澤優也(以下、廣澤):めちゃくちゃ嬉しいです。

ーーお2人の関係性を探るために、初めての出会いについて教えて下さい。

伊藤:けっこう前ですよね。

廣澤:2018年の『Argonavis 0-1st LIVE -始動-』の打ち上げ会場ですかね。

伊藤:「Steady Goes!」を作ってくださった方ということでご紹介いただきました。

廣澤:その時は「Steady Goes!」を作った作曲家ということで打ち上げ会場に呼ばれていただけで、歌ディレクションをやっていくとか、そういう役割が決まってはいなかった時期です。その時は打ち上げに行って、「よろしくお願いします」ってシェイクハンドをしたくらいだったけど、2件目のラーメン屋に……。

伊藤:行きました!(笑)。

廣澤:2件目のラーメン屋で同じテーブルになって、とりとめのない会話をしました。

伊藤:もしかしたら年齢近いのかな、なんて勝手に思ったりして。

ーー伊藤さんはその約2カ月後の『Argonavis 0-2nd LIVE -始動-』(以下、『0-2nd』)で初登場したんですよね。年齢が近いというところで親近感を覚えたりもしましたか?

伊藤:話しかけやすいオーラを出していただいて。歌ディレクションで一緒になるとは思っていなかったので、廣澤さんがArgonavisの新曲を書いてくれるのかなって思いました。

廣澤:僕の伊藤くんの第一印象は、「イケメン」でした。一緒にいろんな現場を経験してきた今では、伊藤くんは僕にとっては太陽みたいな印象です。明るくて現場を盛り上げてくれるし、すごく和やかになる。そういうレコーディングが多いんですが、お会いした時はどちらかと言えばミステリアスなイメージでした。

伊藤:本当ですか?(笑)。

廣澤:アニメの中で伊藤くんが演じる七星 蓮くんに近いミステリアスさ、気持ちが走り出す前の蓮くんの内向的な感じ、キービジュアルに通ずるようなものを感じましたね。

伊藤:その時の自分は人見知りをしていたのか、まだ自分を出せていない感じだったと思うんです。だんだんと廣澤さんとやる現場がホームになっていって、そこで自分をすごく出せて、それが作品とか歌に繋がる。僕は「空間」の中でボーカルのレコーディングブースが1番好きなんです。ただ1人でそこにいるんじゃなくて、ディレクションしてくださる廣澤さんは優しさと一緒に、熱さがひしひしと伝わってくるんです。一生懸命歌っている自分としても、こんなに作品のことを考えてディレクションしてくださっているんだって思えて嬉しいです。だからこそ安心していろんな球を投げられる。失敗が全く恐くないんですね。このほうがいいかもって思ったものを怖がらずに出せる、そういう環境があるからこそ劇的にいろんなものが変わりました。

廣澤:出会って初めて歌を録ってから、今日まで伊藤くんと収録現場で一緒にやり取りをしてきて、この2年間の彼の変わり方はひしひしと感じてますね。

(『0-2nd』公演では)お客さんの愛と懐の深さを感じた(伊藤)

伊藤昌弘

ーー互いに信頼しあう関係性が伝わってきます。伊藤さんはもともとシンガーソングライターとして活動していたところに、Argonavisのボーカルとして声が掛かったんですよね。

伊藤:そうですね。ギターで弾き語りをしていたので、声優業も全くやっていない状況でした。Argonavisだとキャラクターを通して歌うことと、ハンドマイクで歌うというのが歌唱においては初めてのことで、そこに新たな課題を感じました。

ーーシンガーソングライターの頃とはステージから見える景色も違うわけですよね。『0-2nd』で初めてステージに立った心境はどうでしたか?

伊藤:僕を知っている人は誰もいない状況で、どんな反応をしてくれるんだろうと思ったんです。最初に披露したのが「Butter-Fly」のアカペラからの歌いだしで、歌った瞬間から温かく迎えてくれて、こんなに温かい空気感なんだなとありがたさを感じました。それだけウェルカムな雰囲気だったので、そこに甘えずこっちはもっと質の高いものを届けるべきだし、そういうものを素直に、嘘を付かずに発信していきたいなって思いました。

廣澤:僕も会場にいたんですけど、あれは度肝を抜かれましたね(笑)。もしかしたらアウェイかもしれないという気持ちがある中で、あのパフォーマンスができるということに僕は感動してしまって。この人が入ってくれるんだという安心と期待感を、「Butter-Fly」のアカペラを聞いた瞬間に感じました。あの感動は忘れられないですね。お客さんの愛と懐の深さもひしひしと感じました。温かいなぁって。

伊藤:温かいですよね。

廣澤:お客さんの反応と伊藤くんのパフォーマンス両方を見て安心したというか。これはいいプロジェクトになっていくぞと、そんな確信を得た『0-2nd』でしたね。

(「星がはじまる」収録は)アーティストとしての自我が芽生えた瞬間(廣澤)

廣澤優也

ーー「キャラクターを通して歌うこと」については、そこからどのようにクリアしていったんですか?

伊藤:七星 蓮を通して歌うことに自分の中で頭でっかちになっていて。例えば、自分の歌う癖とか、そういうものを取り払わないとキャラクターに近づけないと最初は思っていたんです。そんなことをやっていたら、録った歌がすごくつまらなくなってしまって。これは、伊藤としてもキャラクターとしても「死んでる歌」だなと思ったんですよ。彼は孤高のボーカリストで、僕は天才でもないけれども、歌っていうものをどんどんレベルアップしていけば、きっと思考が近づくし、そこも考えた上でもっと表現したほうがいいなって思ったんです。歌って、一緒に聴いての繰り返しの中で、「自分はこういう風にやりたいんですよ」とか「ここはこうしたい」というやり取りを、すごく時間をかけてしてくださったので、そこで自分も自由になりましたし、イメージもしやすくなりました。だからこそ意思の疎通がどんどん更新されていって、蓮くんを作る上で廣澤さんがいなかったら、こんなにはやりやすくなかったと思いますね。

廣澤:その信頼関係がお互いにもっと踏み込んでいっていいんだって思えたのが、アニメのオープニング主題歌になっている「星がはじまる」の収録の時です。「星がはじまる」は、結果的に最初に録ったテイクからもう一度録り直したんですよね。それが今、伊藤くんが話した内容そのままで。伊藤くんの中で自分の歌と蓮くんの歌のバランスで腑に落ちない葛藤があって、どうしても消化できない部分が残ったまま収録が終わってしまったようでした。後日、別曲の収録で、「やっぱり僕、録り直したいんです」っていうのを現場で受けて。

伊藤:プロ失格……(苦笑)。

廣澤:現場ではその時に録ったものが最善だったというのがプロデューサーの方含め、当時の意見でした。でも、伊藤くんと改めてディスカッションしたことにより、さらに良い歌のテイクが録れるのであれば挑戦したいなと僕は思ったんです。ヒアリングを続けていくうちに、伊藤くんにとっての表現がより蓮くんとしての表現としてリンクする、新しいビジョンが2人の中に見えてきて。プロデューサーの北岡(那之)さんに相談し、もう一度、挑戦することになりました。伊藤くんと蓮くんがよりリンクした日だったのかなって思います。アニメのオープニングの収録の時に、その形が完成したのはいい出来事だったのかなと印象深いですね。

伊藤:それまでは歌い直しはなかったんです。決められた時間で録ってくださって、CDを出して、ライブをしたりして……。だんだんとイメージも具体的に構築され始め、歌ってみてそんなに自分を消さなくていいんだなっていうものが、いろいろ混ざって分かり始めた時なんですよ。アニメのオープニングになることも聞いていたし、「星がはじまる」は「Argonavisってこんなバンドです」って名刺代わりになる。その曲に、これでよかったのかなって思いを持つのがすごく心残りだったんです。再収録をして完成した楽曲は、全てが録り直しテイクではなくて、最初のやつと混ざっています。それもあって、より良さが出た七星 蓮というキャラクターの歌唱になったのかなと思っています。

ーー具体的にここがまずかったというわけではなく、伊藤さんの中で納得できないものがあったんですね。

廣澤:僕は、アーティストとしての自我が芽生えた瞬間だと思っています。もともとあったものが、より開けたような。そのレコーディングまでの伊藤くんって、悪い言い方をすれば「いい子」だった。なので、録り直しの相談を受けた時は少し驚きました。

伊藤:イエスマン。

廣澤:プロとして時間内に最善のテイクをきっちり残すし、周りの方が「これ、いいじゃん」って納得をしたら、それ以上追求せずにありがとうございますって終わる感じだったんです。そこより一歩先の表現、こういうことがしたいっていうことを「星がはじまる」以降は突っ込んで見えるようになった気がします。

伊藤:キャラクターを背負ってライブをするって、バランス感覚がすごい難しいと思っていて。そのキャラクターでいないといけないけど、それだけではない。実際には生身の人間が立っているし、そのバランスを取る時に、自分を消すよりも自分の中に七星 蓮がいる、と考えた方がいいなと思ってきたんです。生い立ちだったり、5人グループでみんなでやっていることとか、そこの関係性も含めキャラクターがイメージしやすかったり。実際に動き出して、よりやりたいことを一回やってみようと。結局、僕の歌で出来ることって、Argonavisらしさとかももちろんだけど、大学生がバンドで夢を追い続ける熱さが歌から感じられることが必要だなと思ってるんです。そこは彼らキャラクターに負けず、自分も我武者羅に熱量を持って取り組みたいと思っていますね。

廣澤:あの日、一本筋がドンと通ったね。

伊藤:通りましたね。

廣澤:あの日、「伊藤くんと蓮くんを繋ぐものは声であり歌だから、そこに魂がこもっていれば、お互いが離れることはないから。そこに魂を込められれば、間違わないよ」って話していたのを覚えていますね。

歌や音楽が一番ピュアでいられる(伊藤)

Argonavis「ゴールライン」

ーー伊藤さんの中で七星 蓮との共通点や似ている部分ってあるんですか?

伊藤:歌が好き、っていうところが一緒で、同じ方向を向いていますね。自分も、家にいると延々と歌をボイスメモで録っているんです。今まではダメなところを練習しがちだったんですよ。それよりも、ここ奇跡的に神じゃん! っていう部分を確実に出来るようにする方が男らしいかなと思い始めて、ずっとやっているので、そこに対しての興味はすごくありますね。27歳にもなって、こんなに素直に取り組めるものがあるなんてって。歌や音楽が一番ピュアでいられるので、彼も音楽で嘘はつきたくないなんてことを考えてると思うし、そこが共通しているんじゃないかな。

廣澤:音楽の女神に愛されているなと思いますけどね。だって、レコーディング現場が一番好きな空間って僕からしたら信じられない。変人でしかない(笑)。

伊藤:なんでですか(笑)。やめて!

廣澤:大勢のスタッフが後ろで見ている空間で歌う緊張感やプレッシャーを考えると僕みたいな常人には到底できないなと感じる。あの空間が好きっていうのは、相当歌が好きじゃないと言えないことだなと思うので、腑に落ちましたね。

ーーそういう方は珍しいんですか?

廣澤:好きな方はいると思いますが、一番好きっていうのは珍しいと思いますね。僕が会った中では初めてかもしれないです。

伊藤:ライブはその日にお客さんと作る特別なナマモノを届けるのが醍醐味だし、だからこそ何千人の前でやらせてもらったときにも、お客さんに刺さって、楽しかったって言ってもらえたりする。そういうライブならではの魅力が大好きで。その時は僕としては気持ちがオンなんですよ。心を打つものを届けたい。対照的に、レコーディングはそういうことをイメージしながらだけど、かなりメンタル的にナチュラルで。オンでやるんだけど、肩の力が抜けている。それはレコーディング現場の居心地がいいからです。

(伊藤は)自分らしさをより歌で表現できるようになった(廣澤)

【Argonavis】「ギフト」【BanG Dream! Argonavis 2nd LIVE「VOICE -星空の下の約束-」】

ーーライブをする会場も下北沢GARDENから舞浜アンフィシアター、合同ライブの幕張メッセ、そして単独でのTOKYO DOME CITY HALLと大きくなっていきました。

伊藤:下北沢GARDENって、すごく距離が近くて嘘をついちゃいけない感じがするんです。だからこそ、最初は嘘をつかないことに忠実にいようと思いました。でも、会場が大きくなるにつれて、ファンの方が一つに見えてきて。そのおかげで逆にリラックスできて、よりライブを楽しめてもいます。ライブ当日に生まれたパフォーマンスというものも特別でいいんですが、普段からファンの方々に何を楽しんでほしいか、伝えたいかを考えながら練習しているので、そこの土台は作っていきながら変化もしています。なので、ライブの景色というよりは、そこまでの時間をもっと大事にしようと思いました。こういうものを届けるという思いを、もっと大きく分かりやすくするようにもなりましたね。

廣澤:物怖じもしなかった?

伊藤:全くないです。

廣澤:すごい! 才能の一つですよ!

伊藤:歌が好きで、こんなにいっぱいの人が聴いてくれるんですよ。最高じゃないですか。

ーー廣澤さんから見た伊藤さんのボーカリストとしての魅力はどんなところだと思いますか?

廣澤:ハイトーンの伸びと、伊藤くんが持っているレンジ、声の音域がすごい。例えば、1st Single収録の「ゴールライン」だと、Bメロで最後に1オクターブ下から、サビの頭でポンと一番高いところに来る。あれを聞いた瞬間に、シビれましたね。2nd Single 収録の「STARTING OVER」も伊藤くんの伸びやかなロングトーンが活きる楽曲構成になっていて、そこが伊藤くんのボーカルの魅力の一つだと思います。音楽的素養があるのはもちろんなんですけど、発想が柔軟なので、その都度「こうしてみたらどう?」って言った時に、なんのフィルターもなく、受けていれてくれる。やってみて違ったら「違うね」っていうやり取りもできるので、僕はその姿勢もボーカリストとしての魅力だと思いますね。

伊藤:僕はつくづく廣澤さんと合ってるなと思っていて。ずっとやっているので、可もなく不可もなくっていう時の自分の表情で、「もう1回やりたそうだね」ってすぐに汲み取ってくれるんです。

廣澤:「星がはじまる」の時にいろいろとヒアリングした結果かもしれないです。

伊藤:自分が「これは出せたな」っていう時も、もうちょっと高みを要求してくれることもあって、それが嬉しいです。伊藤くんだったらまだいけるねって、そこまで思ってくれていたんだっていうのが、重荷じゃなく嬉しくて。こんなことしてたら伸びないわけがないって思います。やりやすさは感謝してます。

ーー最初と今とで伊藤さんの成長した部分は?

廣澤:自分らしさをより歌で表現できるようになった。蓮くんとして表現できるようになったのは変わったところだと思いますね。技術的な部分だとより高い声が出るようになったよね(笑)。

伊藤:出てきましたね(笑)。

廣澤:アプリゲームの主題歌の「AAside」は、「ゴールライン」も作られている渡辺拓也さんが作曲なんですけど、「ゴールライン」であれだけ高い音を出してきたから、「もっと伊藤くんのハイトーンを活かす曲を作ってやるぞ」って考えて作られたとトラックダウンの作業の時に聞きました(笑)。伊藤くんの声とハイトーンの魅力に合わせて、より挑戦的なメロディにしたって。

伊藤:嬉しい、いたちごっこ(笑)。今回も高いなって思うんですけど、歌い込むと楽になっていくんですよ。形状記憶か分からないんですけど、慣れてくるんですよね。って言ってもキツイ時もあるし、ちょっとGLAYのTERUさんっぽくないですか?(笑)。このキーが絶対カッコイイんだよって言われると、そのキーで行く、みたいな。好きなんですよ。

ーーだんだんとインフレしていく感じ(笑)。

伊藤:そうそう(笑)。でも、ライブの直前にふと、「これ、全部高いな……」って怖くなる時もあるんですけど、そんな時の方が良いパフォーマンスを発揮できると思うんです。常により良くって思っているなら、限界を決めずにやりたいなって思っているので。

ーーすでに話にも挙がっている「Steady Goes!」が、今回のシングルには収録されます。改めて、2人にとっては思い入れの深い楽曲ですよね。

廣澤:今回「Steady Goes!」を収録するにあたって、今のArgonavisに寄り添った歌詞に変えようという話が、プロデューサーの北岡さんからあったんです。僕も今のArgonavisに寄り添ったサウンドで再度調整させて欲しいと提案させていただいて。その結果、ギターとベースを録り直して、今のArgonavisに寄り添った「Steady Goes!」を作ることができたので、改めて思い入れは深くなりましたね。それから「ゴールライン」「STARTING OVER」があって、Argonavisの形が固まっていく中で、もともとの「Steady Goes!」だとどうしてもポップ過ぎる印象があった。なので、より今のArgonavisのサウンドに近いものを提案させていただきました。歌詞が変わったことで、Argonavisにとっても、より「自分たちの曲」になったのかなと思います。

伊藤:人間の嗅覚のように例えたら、新しく録ったものはArgonavisの匂いがする感じです。ライブでやってきた「Steady Goes!」が、このタイミングで音や声も変われば、歌詞も〈星屑の尾も/つかめるから〉と確信に変わっている。インディーズ版、メジャー版みたいに音源が変わるのがバンドっぽいですよね。

廣澤:Argonavisの歴史と「Steady Goes!」の変遷をまるっと楽しんでいただけたらなって感じです。僕は今、新しいのを「Steady Goes! 2020」って呼んでる(笑)。

伊藤:それは面白いですね(笑)。「Steady Goes! 2021」もあるんですかね?

廣澤:「Steady Goes! 2021」は今後の展開で(笑)。

より多くの人に受け入れられるようなバンドになりたい

【OP映像】TVアニメ「アルゴナビス from BanG Dream!」Argonavis/星がはじまる

ーー楽しみにしています(笑)。表題曲の「星がはじまる」は、アニメのオープニング主題歌です。

伊藤:ここから知っていただく方も多いと思うんですよ。その時の名刺になりますし、Argonavisは5人が主人公のバンドなので、曲中でも各楽器がフィーチャーされています。技術的にもArgonavisの中で最高難易度であり、それをクリアできたら僕たちにとってもレベルアップもできるし、Argonavisってこうじゃなくっちゃっていう楽しさや疾走感が詰まっている曲だと思っています。

廣澤:公開されている「星がはじまる」のTVアニメのオープニングムービーが、めちゃくちゃいいよね。

伊藤:いいです!

廣澤:サビの蓮くんの無邪気さが、これからArgonavisが始まっていくんだっていうドキドキを届けてくれる躍動感のある楽曲だなって思います。多くの人に響く、シンプルにいい曲です。

伊藤:いろんな方に共感して欲しいし、自分も共感する。〈諦める運命じゃないよね〉。自分が諦めちゃ何も始まらないから、それを説教じみるんじゃなくて、楽しいサウンドでハッピーに、そして頑張ろうって思える。蓮くんがそうなら、演じる自分が腐ってちゃ意味がないので、そのためにも心意気を大事に歌っていきたいなと思います。

ーー最高難易度というのは、UNISON SQUARE GARDENの田淵智也さん作曲というのもありますよね。

廣澤:やっていて、楽しい曲なんじゃない?

伊藤:楽しいです。何が楽しいかって、セクションをパート毎に合わせてるんですけど、そこがハマってるって理解した上で演奏すると、感動とか楽しみが生まれるんですよね。ここのキメめっちゃハマったね、とかそういうタイミングが多いので、だからこその一体感が生まれるんだと思います。

廣澤:バンドで合わせていると、達成感が得られる曲って楽しいもんね。

伊藤:ありますね。キツイ練習をしているけど、その分上達していたり、良くなっていたりするのがわかるとその方が結果的に楽しいし、やりがいを感じるので。

廣澤:そんな練習がしたくなるギミックがサウンド的にも散りばめられた曲なので、インスト版でも楽器の動きに注目して隅々まで聴いていただきたい1曲です。

ーー「What-if Wonderland!!」もまた田淵さんの作曲です。

廣澤:あれは本当に田淵さんらしいメロディだと感じました。栁舘(周平)くんとの共作になります。メロディのど頭から印象的な早口が始まるのがいいなと思いつつ、収録では苦労したよね。(笑)そこがまたクセになるフックになっていて、これからArgonavisに新しい広がりを見せてくれた楽曲だなと思う、好きな1曲ですね。ライブでも盛り上がりそう。

伊藤:間違いないですね。言葉が詰まっていて、そこをどう歌うかに悩みました。最後に高いロングトーンがあって、またこれも試されていると思いながら(笑)。でも、そういうところが好きなので、Argonavisのライブでやるとしたら新しいテイストになると思うんです。みんなと一緒に和気藹々としながら、早く演奏したいですね。

ーー4月より、ついにTVアニメも開始となりました。

伊藤:アニメの中で、レコーディングした曲が使用されるんですよ。そこに廣澤さんと突き詰めて、なんなら録り直しもして、妥協なく歌わせてもらったので自信があるし、胸を張ってみなさんに楽しんでもらいたいなと思っていますね。チームで作った曲にストーリーが乗っていく。みなさんにArgonavisの物語を楽しんでいただきたいなと思っています。

廣澤:僕はようやくという感慨深さが勝つんですが、スタッフさんにも恵まれて、最高の環境で制作を全力で駆け抜けてきたので、長かったなとも思いつつ、一瞬だったなという気もしています。ワクワク、ソワソワな感じですね。アニメに向けて作った楽曲が世の中にどう響くのか、それがどう受け取られて、広まっていくかが楽しみです。伊藤くんのボーカルにしても、アニメから入ってもっと伊藤くんの歌が広まっていく、そうなった時に、世の中がどんな風に反応してくれるのか、その先にどういう活動をArgonavisがしていくのか。伊藤くんはどういう歌を表現していくのか。本当に楽しみです!

伊藤:怖くなってきた(笑)。

ーーArgonavisが目指す場所を、伊藤さんはどう思い描いていますか?

伊藤:Argonavisに参加させていただいて、つくづくメディアミックスってすごいなと思っています。いろんな方に作ってもらって、コンテンツが繋がっている。これは僕の夢でもあるんですが、音楽とアニメの橋渡しがしたいです。音楽から入ってアニメでの演技もする中で、やりがいも難しさも感じますけど……。「ギブソンのギターじゃん」、「エフェクターこう踏むよな」とか、音楽的などこの視点からでもアニメの楽しさを知っていただきたいですし、アニメから入った方には「Argonavisの音楽はこれだよ」「ライブでのArgonavisはこんなステージもするんだよ」っていうのを見せていきたいです。そのためにもより多くの人に受け入れられるようなバンドになりたいですね。

廣澤:いい話だね。『レコ大』(日本レコード大賞)とか『紅白』(NHK紅白歌合戦)とか言っとかなくて大丈夫? 東京ドームとか(笑)。

伊藤:ドーム行きたいです! 日本に住んでるなら『紅白』。言っていかないと叶わないと思っているので。

ーードームはもちろんですが、Argonavisの聖地には函館アリーナという会場もあります。

伊藤:ありますね! それは絶対にやりたいですね。彼らの舞台、函館ということでギターの日向大輔くんと一緒に行った時に五稜郭で路上ライブをさせてもらって。アニメが始まってない段階でお客さんが集まってくださったりだとか、蓮くんが大好きなご当地ハンバーガーにも触れさせていただいたりして、函館の魅力を感じました。彼らが生活している場所でやれたら特別なものですし、叶えたいですね。

■リリース情報
『星がはじまる』
発売日 2020年4月29日(水)
【Blu-ray付生産限定盤】¥3,000(+税)
【通常盤】¥1,500円(+税)

<CD収録内容>
01.星がはじまる
作詞:中村 航/田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)
作曲:田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)
編曲:渡辺拓也

02.Steady Goes!
作詞:中村 航
作曲:廣澤優也(HANO),青木宏憲(HANO)
編曲:廣澤優也(HANO),青木宏憲(HANO)

03.What-if Wonderland!!
作詞:栁舘周平/田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)
作曲:栁舘周平/田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)
編曲:栁舘周平

04.ボイスドラマ「星のはじまり」

<Blu-ray Disc>※Blu-ray 付生産限定盤のみ
・アニメ「アルゴナビス from BanG Dream!」オープニング「星がはじまる」ノンクレジット Ver.
・Argonavis 0-LIVE SELECTION

ARGONAVIS プロジェクト公式サイト
ARGONAVIS プロジェクト公式 Twitter
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アプリゲーム「アルゴナビス from BanG Dream! AAside」公式サイト
アプリゲーム「アルゴナビス from BanG Dream! AAside」公式
(C)ARGONAVIS project.

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