Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

DOBERMAN INFINITY SWAY、ソロ&俳優でも活躍するクリエイティブな才能 滑らかなフロウで伝える“等身大のヒップホップ”

リアルサウンド

20/12/22(火) 6:00

 MCのKUBO-C、GS、P-CHOの3人と、劇団EXILEのメンバーとして俳優活動も行うSWAY、ボーカルのKAZUKIで構成される、4MC+1Vocalスタイルのヒップホップグループ、DOBERMAN INFINITY。LDH所属ながらも“踊らないグループ”として唯一無二の存在感を放っている彼らが、12月2日に約1年ぶりとなるニューシングル『6 -Six-』をリリースした。表題曲「6 -Six-」とカップリング曲「SO WHAT」は、ドラマ『6 from HiGH&LOW THE WORST』(日本テレビ系)の挿入歌に起用され、リリース前から話題を呼んでいる。そこで本連載では、DOBERMAN INFINITYのメンバーについて1人ずつフィーチャー。第4回目はMCのSWAYについて、グループの歴史と絡めながら紹介していく。

 SWAYは、1986年6月9日生まれで北海道出身。子供の頃から“何でも屋さん”になりたかったというSWAYが音楽に興味を持ったのは、小学3~4年の頃。「DA PUMPさんのライブVHSを見てフリを完コピして、どこかで踊った」ことが始まりだった(引用:TOKYO HEADLINE)。そんな彼がヒップホップと出会ったのは、中学1年生の時。中学3年間バスケットボール部に所属していたことから、NBAのアレン・アイバーソン選手の存在を知り、そのB-BOYファッションやラッパーとしても活躍している姿に憧れたという(参照:Tune Gate)。だが、そのままラップを始めるのではなく、まずはダンスの道へ。「『めちゃイケ』で岡村(隆史)さんとガレッジセールのゴリさんがブレイクダンスのバトルをやってるのを見て、その翌日からブレイクダンスを始める」(引用:ABEMA TIMES)と、踊るためのトラックを自ら作曲したり、日本語ラップを聴くようになったのがきっかけで自らラップをするようになったり、中学3年生の時には独学でデザインを始めたり(参照:U-18)……と、多感な時期にあらゆることに挑戦。今の活動に繋がる基盤を作っていった。

 “SWAY”として本格的に音楽活動をスタートしたのは、16歳の時。ダンスやラップを始めた当初は、恥ずかしさから家族の目を気にしてコソコソしていたそうだが、仲良くしていた洋服屋の店員に誘われてライブを観に行き、自らもラッパーとしてステージに立つように。「その店員さんがきっかけでラッパー、シンガー、DJ、ダンサーが集まる『WILD STYLE』っていうクルーを作ったんですけど、そこにいたのがEXLIEのSHOKICHIとシンガーソングライターの佐藤広大」(引用:ABEMA TIMES)だったそうだ。17~19歳の3年間、地元・北海道でWILD STYLEの一員として活動したSHOKICHIによると、「当時のSWAYは今よりも服のサイズが三段階くらい大きい、すごく気合いが入ったB-BOYで(笑)。しかも、おしゃれでかっこよかったし、ラップでも常に新しいフロウを研究していたから、みんなから一目置かれていました」(引用:EXILE SHOKICHIが語る、音楽ルーツと変わらぬ情熱 「ストリートの空気を吸収できたのは大きな財産」)とのこと。音楽の専門学校に通っていた経験や、19歳から21歳まではカナダのトロントに留学していた経験もあるそうで、当時からかなり行動派だったようだ。

 アンダーグラウンドな活動をしていた彼がメジャーシーンに足を踏み入れたのは、2012年のこと。カナダからの帰国後は地元・札幌の服屋で店員として働いていた(参照:Tune Gate)そうだが、2012年8月に舞台『あたっくNo.1』で俳優デビューすると、一足先に東京でEXILEとして活動していたSHOKICHIの紹介でLDHに所属することになり、同年9月に劇団EXILEに加入。SWAYとして音楽活動を続けると共に、本名の“野替愁平”としても俳優活動をスタートさせた。初めは「SHOKICHIが『ソロのための曲を色々作ってるんだけど、一発目はSWAYと一緒にやりたいんだよね』って連絡をくれたことがきっかけ」(引用:モデルプレス)だったそうだが、八木家の長男SHOKICHIが面倒見の良さを発揮。SHOKICHIの指示通り動いた結果、劇団EXILEの一員として所属することが決まったという。そして、2014年6月24日、DOBERMAN INC時代から交流があったKUBO-C、GS、P-CHO、2013年に行われた『VOCAL BATTLE AUDITION 4』のファイナリスト・KAZUKIと共にDOBERMAN INFINITYとして活動していくことを発表(参照:Ameba Blog)。実力派ラッパー集団DOBERMAN INCに、よりエンタテインメント性の高いメンバーが加わり、唯一無二のヒップホップグループとなった。

 ちなみに、以前は音楽活動をSWAY名義、俳優活動を野替愁平名義で行い、「SWAYは僕が持っているブランド」で「野替愁平という役者の方は、今まで生きて来た中で自分が培って引き出しを出すもの」(引用:BILLY’S Meet Tokyo Creator)という棲み分けをしていたが、2019年からはどちらもSWAY名義で活動している。

 次世代のバイリンガルラッパーの代表的存在と言われるSWAYは、ややハスキーで華やかな歌声と、トーンを抑えながらも細かな抑揚で魅せる、滑らかなフロウが特徴的。「ずっとラップをやってきた自分からすると、メロディがついていようが、キーの高いものを歌おうが、ラップに毛が生えたようなものかなと思ってやってます(笑)」(引用:BARKS)と語るように、メロディアスな楽曲も自由自在に歌いこなしている。曲を作る上で心がけているのは、「自分にウソのない言葉選びや音楽性」(引用:大手小町)であること。以前は、“ヒップホップ=ワルがやる音楽”という先入観とかけ離れた恵まれた生い立ちに悩んだこともあるそうだが、今は等身大であることを大事にしており、メジャーシーンで活動する「ストリートのラッパーとは離れた場所にいる自分だからこそ、伝えられるヒップホップもあると思う」(引用:BARKS)という想いも語っている。

 2016年からは、1DJ・4MCスタイルのヒップホップグループ、HONEST BOYZとしても活動スタート。2017年には世界的レーベル<Def Jam Recordings>からシングル『MANZANA』をリリースし、念願のソロデビューを果たした。10代の頃にもインディーズでリリースしたことがあったが、ヒップホップレジェンド達が名を連ねる<Def Jam Recordings>からのソロデビューは、SWAYにとって「全く叶うと思ってなかった夢」(引用:モデルプレス)だったようだ。さらに、今年12月にリリースしたDOBERMAN INFINITYの最新シングル『6 -Six-』には、ボーカル KAZUKIとの初のコラボ曲「DESTINY -S.O.L- feat.SWAY、KAZUKI」も収録。R&Bを得意とするKAZUKIのエモーショナルな歌声に、SWAYの吐息交じりのラップが寄り添い、セクシーでドラマティックな楽曲に仕上がっている。

SWAY – MANZANA

 SWAYのキャラクターは、DOBERMAN INFINITYの特攻隊長。GS曰く「ライブでも音楽面でも最初に出ていって火を付けてくれる役」(引用:DOBERMAN INFINITYが語る、“5人で歩んできた5年間”の絆「誰ひとり欠けていたくない」)で、場を盛り上げるのも、話をまとめるのも上手。グループとしての活動だけでなく、ソロ活動や俳優業、クリエイティブユニット・N0IRとしての活動など、多方面で活躍していることからも、彼の要領の良さやセルフプロデュース力の高さが伝わる。多数のアーティストとのコラボレーションも、彼の気さくな人柄、広い交友関係が為せる技だろう。メディアに出る機会が一際多いだけに、中には、グループを離れて手広く活動することをよく思わない人もいるかもしれない……。しかし、SWAYの根底にあるのは、自分が注目されることではなく、かつてDOBERMAN INFINITY結成前にメンバー同士で語り合った「日本でヒップホップをもっと大きなものにしたい」(引用:ぴあ中部版WEB)というブレない野望。DOBERMAN INFINITYという確かな居場所、頼もしい仲間達に背中を預けて、SWAYは己の信じる道を切り開いていく。

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter:@stmdr38

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む