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山内惠介「今が幸せだと確実に言えます」 デビュー20周年への期待高まった国際フォーラム公演

リアルサウンド

19/10/30(水) 19:00

 4月から全国47都道府県ツアー『全国縦断コンサートツアー2019スペシャル』を開催中の山内惠介が、10月23日に東京・国際フォーラムホールAで、そのスペシャルバージョンである『全国縦断コンサートツアー2019スペシャル』を開催した。これまでの活動を振り返り、デビュー曲「霧情」から今年3月にリリースした「唇スカーレット」までシングル曲を中心に披露したほか、美空ひばりのカバーメドレーや米津玄師「Lemon」のカバーも披露。背中に百合の花が描かれたスーツや着流し、電飾が仕込まれたジャケットなど煌びやかな衣装と共に3時間、魅せて聴かせ、来年迎えるデビュー20周年に向けて期待が高まるステージを繰り広げた。

敬愛する美空ひばりをカバー

 2020年にデビュー20周年を迎える山内。コンサートは、2001年のデビューシングル曲「霧情」で幕を開けた。国際フォーラムホールAでのコンサートは約1年ぶりで、観客の「おかえりなさい」の声に「ただいま」と応え、「自分で言うのも何ですが、演歌界の貴公子・山内惠介でございます」と挨拶して会場を和ませた。

 第一部の見どころになったのは、“昭和名曲列伝”と題されたコーナー。「母親から影響を受けて、美空ひばりさんの歌を聴くようになりました。初めて口ずさんだひばりさんの曲は『みだれ髪』でした」と思い出を語り、同曲を含めたメドレーを熱唱。「りんご追分」では曲中の口上に拍手が沸き起こり、「津軽のふるさと」はワンコーラスをピアノ1本で披露する演出も。素晴らしい歌唱力と表現力で、津軽地方の厳しくも雄大な自然が目の前に広がり、大きな拍手と歓声がそれに応えた。

 また、最新シングル曲の「唇スカーレット」を歌う際には、背中に百合の花があしらわれたスーツを着て登場した。山内は、デビュー曲「霧情」の歌詞に〈百合の花〉が出て来ることから、百合をシンボルにしている。百合の花言葉は、「純粋、純潔、無垢」で、「それにたがわぬように活動していきたい」と山内は話す。「唇スカーレット」は情熱的な愛情を歌ったラテン調の楽曲で、サビに決めポーズなどの振り付けを導入したチャレンジングな楽曲。3月のリリースから、10万枚のロングヒットを続けている。作詞を担当した松井五郎からは、「この曲は色彩歌謡。この曲でみんなを赤く染め上げてほしい」との言葉をもらったそう。実際に赤いペンライトで染まった会場を見渡しながら、「奇しくも朝ドラのタイトルも『スカーレット』じゃないですか。朝ドラに出たい!」と、ユーモアも交えた山内。リズムに乗って色気のある歌声を響かせると、合いの手に「惠ちゃん!」と会場から声がかかった。

 また第一部の最後に歌った「さらせ冬の嵐」では、昨年末の『第69回NHK紅白歌合戦』で着用した白のロングコートを着て登場。荒々しい冬の海の映像をバックに力強い歌声を聴かせて、5年連続出場に向けて意欲を見せた。

20周年の目標も掲げる「来年は日本武道館に立つぞ」

 第二部の前半は、今年5月にリリースしたアルバム『Japan』をモチーフに、着流し姿で同作から「大利根なみだ酒」や「望郷子連れ鴉」などを披露した。ゲストプレイヤーに尺八・篠笛奏者の長谷川将山を迎え、スクリーンにはアルバム『Japan』のジャケットなどに使われた浮世絵が映し出される。男気と哀愁を感じさせる和の世界で、山内はまるでその中の男を演じるかのように歌い、会場には歓喜の声が響き渡った。

 終盤は、「流転の波止場」や「スポットライト」、「釧路空港」など、山内の歌手人生を彩ってきたシングル曲を立て続けに披露した。観客からのかけ声がかかることでお馴染みの「夢見る恋人たち」では、電飾が仕込まれたジャケットを着て登場し、ジャケットに「惠ちゃん」と文字が映し出される仕掛けも。曲中で客席に降りて、観客とコミュニケーションを取るというファンには嬉しいサプライズもあった。

 また来年の20周年に寄せて、「高校生の時に地元のカラオケ大会で、作曲家・水森英夫氏に自宅と書かれた名刺をいただいた時から、僕の歌手人生は始まった」と、自身のこれまでを振り返った。「17歳でデビューし今36歳。あの頃よりも今が幸せだと確実に言えます。山内惠介の成長を見守ってくれるあなたがいてくれるから、今の山内惠介がある」と気持ちを言葉にし、そして本編の最後に歌った「ありがとうが、降り積もる。」にファンへ感謝を込めた。

 アンコールでは今年開催したファンクラブ限定ライブ『惠音楽会』でも披露してリクエストが一番多かったという米津玄師の「Lemon」をカバーした。山内も出場した昨年末の『NHK紅白歌合戦』で同曲を披露した米津にとても刺激を受けたとのこと。「Lemon」は演歌歌手にもカバーされる機会が多いことから、幅広い年齢層のファンにも知られているようで、曲名を告げると会場から「ワッ」と声があがっていた。イントロに前述の長谷川氏による尺八の演奏で、オリジナリティ溢れるアレンジを聴かせた「Lemon」は、男の色気と哀愁が漂う実に山内惠介らしいものだった。最後に「来年は日本武道館に立つぞ」と、20周年を迎える来年、さらなる飛躍を遂げることをファンに約束した。

■榑林史章
「THE BEST☆HIT」の編集を経て音楽ライターに。オールジャンルに対応し、これまでにインタビューした本数は、延べ4,000本以上。日本工学院専門学校ミュージックカレッジで講師も務めている。

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