萩原麻未さんがジュネーブ国際コンクールピアノ部門で日本人として初優勝してから、今年でちょうど10年。ソリストとして活動しているのはもちろん、室内楽が大好きだという彼女は、若手からベテランまでさまざまな共演者から信頼を寄せられて、アンサンブルの舞台でも活躍しています。おっとりとした普段の雰囲気からは想像のつかない、激しく情熱的な表現、柔らく輝かしい美音が魅力。 そんな萩原さんがソロで舞台に立つ今回のリサイタルプログラムは、幅広い時代を網羅したもの。シューマン「子供の情景」やショパンのピアノ・ソナタ第3番というロマン派の作品も楽しみですが、現代作品にも積極的に取り組む萩原さんらしく差し込まれた、シュトックハウゼンの「ピアノ曲 第7、第8」にも期待が高まります。