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リュ・シウォン、RAIN(ピ)、チャン・グンソク……韓流ブームをリードし、活躍続けるソロアーティストたち

リアルサウンド

20/7/26(日) 10:00

 「韓流ブーム」という言葉が日本中に広まって、20年近くなる。火付け役といわれているのは、ご存知『冬のソナタ』。日本では2003年に放送され、チェ・ジウ、ペ・ヨンジュンが、それぞれ「ジウ姫」「ヨン様」との愛称で親しまれるなど、社会現象的人気を誇った。

(関連:チャン・グンソク、日本を中心とした音楽活動の歩み 2年のブランクを経ても衰えない人気ぶり

 それから、日本では韓国ドラマが地上波でも放送され、日本のドラマにも韓国人俳優が出演することも珍しくなくなった。大人の女性たちが中心になって盛り上がりを見せていた韓国ドラマだが、2010年代になるとドラマ『美男<イケメン>ですね』を筆頭に10代の若者を中心に韓流人気の第2ブームが到来。同時に「K-POP」の人気へと発展し、日本のヒットチャートに韓国アイドルグループが次々とランクインした。

 現在は「第3次韓流ブーム」と見られているが、それが何年のどんな出来事がきっかけになったのかは、あえてひとつの作品に絞るのは難しいと言われている。それだけ日韓の区切りを意識せず、素晴らしい表現を受け入れられる風土が根付いたのだと思いたい。そこで今回は、第1次、第2次の韓流ブームをリードした3名のソロアーティストをピックアップ。

■人懐っこい微笑みで魅了するリュ・シウォン
 『美しき日々』(日本では2004年に放送)に出演し、チェ・ジウ、イ・ビョンホンと共演したリュ・シウォン。育ちのよい好青年を演じることが多かった彼は、『美しき日々』でもその温和な表情と誠実なキャラクターを体現し、日本における「韓国人男性=優しい」というイメージを作り上げた1人と言える。

 実は、彼から漂う上品な佇まいは生まれもってのものだ。リュ・シウォンの実家は朝鮮王朝から続く由緒正しい名家。イギリスのエリザベス女王が訪韓した際には、リュ・シウォンの本家が祝膳を整えたエピソードをトーク番組で披露して笑いを誘ったこともあった。

 演技にトークに才能を開花させたリュ・シウォンは、ドラマ内で流れる歌にも挑戦。その年に発売したアルバム『約束』は20万枚以上を売り上げるヒットとなった。目尻が下がった彼の笑顔の印象そのままに、甘く柔らかな歌声。時折目をつぶり情緒豊かに歌い上げる。アップテンポの楽曲も歌いこなすが、やはり包み込むようなボーカルには少々切なさを感じるバラードがよく似合う。

 ライブでは「リアクションがないと、歌を次々と歌って、公演が早く終了します。だからセンスがある反応をお願いします!」と長年支えてくれたファンに甘えてみせるようなMCを披露することも(参考:Wow!Korea)。うっとりとさせる歌声に、思わず笑顔にさせてくれるトーク。かと思えば、レーサーとしても活躍するなど、パワフルで男気あふれる一面も持ち合わせている。新潟県中越地震や東日本大震災など、日本で大きな災害が起きた際には義援金の寄付や、ドラマ出演で縁のある岩手県に被災地訪問するなど優しさを感じさせる言動で勇気づけてくれた。

 プライベートな問題を経て「新たに再びスタートするという気持ちで、今回の1枚を準備してリリースすることになりました」と歌手活動を再開。その決意を語るインタビューでは同じ経験をした記者とガッチリ握手をするなど人懐こさは健在のようだ(参照:朝日新聞DIGTAL)。そして今年『霊魂修繕工』で8年ぶりとなるドラマ出演を果たし、さらなる活躍が期待されるリュ・シウォン。変わらぬ笑顔の魅力に加えて、次はどんな顔を見せてくれるのか楽しみだ。

■「GANG」で2度目の全盛期を迎えている、RAIN(ピ)
 2002年、19歳の時『Bad Guy(悪い男)』でソロデビューしたRAIN(ピ)。鍛え抜かれた肉体美にキレのあるダンスと、今や当然のようにK-POP男性アーティストが期待される魅力を確立したのが彼だった。近年、『Nizi Project』で日本でも名プロデューサーとして認知度が高まっているJYPエンターテインメント社長のJ.Y. Park(パク・ジニョン)から「休めと言ったのは初めて」と語るほど、ストイックにトレーニングを重ねた彼は、韓国で「モムチャン(体がスゴイ)歌手」と呼び名がついたほどだ。

 その年の新人歌手賞を総なめにし、CMや番組MCへと活躍の幅を広げていく。その後、ドラマ『サンドゥ、学校へ行こう!』『フルハウス』、映画『サイボーグでも大丈夫』など数々の映像作品でも才能を発揮していく。TVスター、俳優としての活躍と比例するように、その魅力は国境を超えて多くの人の心を掴み、米国週刊誌『TIME』の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたことも。日本では、韓国人アーティスト史上初となる単独東京ドーム公演を開催するという偉業を成し遂げた。

 少しかすれを感じさせながらもスッと聞くものの心に染みる歌声で、雄々しいダンスナンバーからアーバンなミディアムテンポ、リズム感が求められるラップまで、幅広いジャンルを歌いこなすRAIN(ピ)。2017年には女優のキム・テヒと結婚し、2児の父となったことで、その人気は安定感を持っていたが、今年5月に再ブレイクと呼ばれる出来事が起こる。

 それは2017年にリリースした楽曲「GANG」がネットユーザーの間で注目され、YouTubeにアップされているMVの再生回数を1週間で57万回以上伸ばすことに。7月23日現在では1700万回以上とまだまだ伸び続けているようだ。カバーダンス動画も次々にアップされている。一部のユーザーから「ダサい」とイジられていることについても、RAIN(ピ)は「知っています」とニッコリ(参考:https://jisin.jp/international/knews/1860298/)。その余裕ある対応にますます称賛の声が上がった。彼ならば“元祖韓流スター“として「何周巡ってもカッコいい」と言われる作品を生み出せるのではないか。

■永久不滅な「アジアのプリンス」チャン・グンソク
 第2次韓流ブームの火付け役となったのが、2009年にドラマ『美男<イケメン>ですね』で主演を務めたチャン・グンソクだ。日本では2010年にオンエアされると「グンちゃん」の愛称で人気が爆発。

 子犬のような潤んだ瞳はアイメイクでさらに魅力を増し、キュッと上がった口角に潤いをまとった唇。そしてスラッとしたスキニーパンツ姿……と、それまで日本に広まってきた韓国人男性のイメージを更新するするような新たな魅力を披露してくれたチャン・グンソク。自分らしくありのままでいたい、という彼の考え方自体も、新時代のスターを感じさせるものだった。

 韓国では5歳から芸能活動を続けており、広告モデルから子役へ、そして俳優から歌手に……と才能を開花させていきた彼は、常に周囲の期待に応えてきた。話しても、歌っても、演じても、全てがショーとなるのは、きっと“魅せる“ことそのものが生きることだったからだろう。

 韓国、日本のみならず各国で人気を獲得する一方で、好奇の目で見られる日々。世間の容赦ない風当たりに芸能活動を休止した時期もあったが、「アジアのプリンス」は永久不滅だ。彼の自由人っぷりは、生きづらさを感じる人の希望として再注目を集めている。

 のびのびと、まっすぐに。特に、彼の歌声は驚くほどピュアだ。うまく見せよう、個性を出そうといったクセや力みがなく、むしろそうしたしがらみから解放されるような印象すらある。「Voyage」「Darling Darling」と爽やかな楽曲に、こちらもスキッとした気分になる。

 6月28日には、YouTubeにて「JangKeunSuk Online Stage」を配信したチャン・グンソク。英語、日本語、中国語、スペイン語の翻訳つきでアーカイブ動画も残っている(参照:)。途中、ファンからのリクエストに「嫌です。あとでCDを聴けばいいじゃん。ファンというのはいつも欲張りです。無理なことを言ったり、自分が一番。欲求が尽きませんよね……それでいいです(笑)」とファンを翻弄させる一幕も。

 不慣れなオンラインライブに、「初めてのファンミーティングみたいで落ち着かない」と率直な気持ちも吐露。傷つくこともあるけれど、自分らしく笑える場所を大切に。チャン・グンソクという不屈のスターが、これからの時代も明るく照らしてくれるのではないだろうか。(佐藤結衣)

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