すてきな驚きがたくさんの青春映画。ヒロインの小寺さんは、高校のクライミング部に所属し、大好きなボルダリングに一直線。彼女に触発されて自分も頑張ってみようと思う人が、一人、また一人。そんな「いい話」をリアルに感じられるのかしらん、と思いきや、いけるんです、これが。大好きなことにたんたんと、でも全力で向かうヒロイン像は新鮮だし、演じる工藤遥が、ボルダリングのシーンもきっちりやってのけているのがかっこいい。相手役の伊藤健太郎の表情が物語が進むにつれてぐんぐん魅力的に変わっていくのにも、またびっくり。そして何より驚いたのは、見終わった後、自分もちょっと頑張りたくなっていること。古厩智之監督、さすがです。