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戸田恵梨香が一心不乱に木を伐る 『スカーレット』窯焚きの失敗が続く

リアルサウンド

20/1/30(木) 12:30

 八郎(松下洸平)から穴窯の中断を諭されたにもかかわらず、その意志は変わらない喜美子(戸田恵梨香)。彼女に呆れた八郎は、息子の武志(中須翔真)を連れて出ていってしまった。

【写真】喜美子(戸田恵梨香)と八郎(松下洸平)

 連続テレビ小説『スカーレット』(NHK総合)の記念すべき第100話では、そんな喜美子を幼馴染みの照子(大島優子)が叱りつけるものの、彼女の強い意志は変わらない。しかし、日頃からの積み重ねてきた喜美子の人徳もあってか、彼女は周囲の人々から助けられた。

 照子が川原家に向かったところ、そこにあるのは一心不乱に木を伐る喜美子の姿。やさぐれて見える彼女に、照子はショックを受けたことだろう。しかし、優しい言葉などかけたりはしない。武志は現在、照子が預かっているようだが、「お前みたいな母親のもとに帰すのはかわいそう」などと辛辣な言葉を口にする。それでも作業に戻ろうとする喜美子は、穴窯に執着しているとしか思えないし、何か鬼気迫るものも感じてしまう。

 喜美子の言い分としては、これまでの人生で、やりたいことがあったら必ず誰かに許可を取って生きてきたのだという。かつては父・常治(北村一輝)に、そしてついこの前までは、夫の八郎にである。いまの彼女は、ようやく自分の好きに生きられることを実感しているようなのだ。

 だが、3回目の窯焚きも失敗。焼き上がった作品に、望んでいた色は出ていない。大きなショックを受ける喜美子だが、こんなときに支えとなるのが、やはり肉親の存在である。母のマツ(富田靖子)は穏やかに見守り、妹の百合子(福田麻由子)からは気分転換を進言される。彼女の婚約者であり、喜美子の幼馴染みでもある信作(林遣都)が動物園のチケットを用意してくれたようだ。そんな信作のことを百合子は「ポパイ」と呼んでいるらしい。一瞬挿入される、「ポパイ」に扮した信作の姿。ホウレン草を食べて怪力を発揮する男にはとても見えないが……こんなときには、やはり頼りになる男である。そして「ポパイ」は百合子のことを、「オリーブ」と呼んでいるようだ。

 そうして流れる、喜美子と武志の親子水入らずの優しい時間。重苦しい展開が続いただけに、視聴者である私たちはもちろんのこと、とうの喜美子自身もリフレッシュできるものとなったのではないだろうか。これから喜美子がどのような動きに出るのか分からないが、彼女の周囲の者たち同様、私たちもそれぞれのスタイルで、見守ろうではありませんか。

(折田侑駿)

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