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中村祐太郎の新作「新しい風」は大いなる駄作?監督・キャストが初日集結

ナタリー

「新しい風」初日舞台挨拶の様子。左から飯田芳、居石和也、小川あん、中村祐太郎、原雄次郎、柴田貴哉。

「新しい風」の初日舞台挨拶が9月25日に東京・K's cinemaで行われ、監督・主演を務めた中村祐太郎、キャストの柴田貴哉、小川あん、原雄次郎、居石和也、飯田芳が登壇した。

「太陽を掴め」「若さと馬鹿さ」などで知られる中村が監督、脚本、編集、主演を兼任した本作。主人公コタロウを中心に、恋愛のもつれに苦しむ人間たちの悲しくもおかしな1日を映し出す。中村がコタロウ、斎木ひかるがヒロインのヒカリを演じたほか、柴田と小川が同棲するカップルのタカヤとあんず、原が無意識に誰かを傷付けるヒカリの旧友・ユウジロウ、居石が劇中で「いぎりす」を歌う男、飯田がヒカリのストーカーに扮している。

大みそかの夜から元日にかけてを一緒に過ごす男女5人の話だが、通常の劇映画や群像劇とは趣が異なる本作。中村自らパンフレットに「時代の変貌の最中、僕らは大いなる駄作を作った」とコメントを寄せるほど。中村は「この映画にどういう感想を抱くかは僕自身も正直わからなくて。お客さんの顔もなかなか見れない」と素直に吐露。「大阪アジアン映画祭でワールドプレミアをしたあとも感想があまり上がらない。でも映画祭に選んでもらえて、K's cinemaさんで上映してもらえてるってことは何かある。僕もずっとお客さんと同じ気持ちです」と続けた。

飯田は「撮影が終わったあとはすごい自信満々だったよね。大丈夫だよ。思い出してみ。すごい興奮してたから」と中村を鼓舞。小川は「最初の段階ではどういった映画なのかまったくわからず、試写で観たときも?が浮かびました(笑)。今日2回目を観て思ったのは、それぞれに(好意の)矢印があって。そのバラバラなことすらも肯定してくれるような愛おしさを感じました。すごく好きな映画です」と話し、柴田も「感想がとても気になります。僕は初めて観たときになんだかよくわからないけど、いい映画を観た気持ちになりました。皆さんにもそう思っていただけていたらうれしいです」と語った。

原が「監督・キャスト・スタッフが距離の近い、濃い関係」と語るように、プライベートでも親交のある人々が中心となって映画は完成した。中村は「こういうメンツで自由に映画作れたらいいね、と企画が進んでいって。心の熱い人たちが集まって本当によかった」と制作の経緯を明かす。劇中は大みそかから元日にかけての1日だが、撮影は1月1日から約5日間で実施。この時期にした理由を、中村は「みんなの休みが合うのがそこだけだった」と説明しつつ、「コタロウが大みそかにヒカリをお茶に誘って、告白に失敗して一緒に年をまたぐのがいいと思ったんです」と述べる。また客席からタイトルの由来を聞かれると、中村は「一時集まっては、風のように散っていく。留まるところがなくて過ぎ去ってしまう寂しさ、詩的な思いを込めたくて。あと僕たちはこれからお客さんに顔や活動を知ってもらいたい存在。僕たちのことが“新しい風”であるという意味を込めてます」と語った。

「新しい風」はK's cinemaで10月8日まで上映。

(c)アルカポルア

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