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新しい地図の活動はアイドルという概念を更新し続ける 草なぎ剛×高橋克典のツーリングを見て

リアルサウンド

18/11/5(月) 7:00

 稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が毎月第1日曜日に7.2時間の生放送を繰り広げる『7.2 新しい別の窓』(AbemaTV)こと、通称『ななにー』も11月4日放送回で第8回を数えた。3人にとって大きな節目となった『72時間ホンネテレビ』から、ちょうど1年。2年目に突入した新しい地図は、稲垣が「#ヒステリックゴロチ」と笑いを誘い、香取がビール片手に「こんな『ななにー』もいいね」と微笑み、草なぎが「腹ヘリコプター!」とツヨポン節を炸裂させる、のびのびと穏やかな雰囲気が印象的だった。

(関連:新しい地図の3人の持ち味はより尖ってきた 香取が明かした稲垣&草なぎとの関係性から考える

 番組放送開始と同時に“ななにーライブ”で、クレイジーケンバンドとのセッションを楽しんだ3人。やはり彼らにとってはファンの声援が活力の源なのだろう。オープニングから多くの観客の前に立ったことで、テンションは急上昇。移動中のトークも弾み、お決まりとなりつつある、稲垣が香取の髪を直してあわやキス!? の流れもしっかりとキメる。それぞれ12月に舞台を控える3人が稽古の合間をぬって、集まったこの時間を思いきり楽しんでいるように見えた。

 そして、3人がリラックスしていればいるほど、その時間を共に過ごすゲストのことも、好きになっていることに気づく。すでにレギュラーメンバーと化しているキャイ~ンやみちょぱ、そして番組をあげて活動を応援している成田緑夢、そしてパリで香取と久々の再会を果たした中村獅童、1年ぶりに3人のもとへ顔を出した亀田興毅、稲垣と舞台『No.9-不滅の旋律-』で共演する剛力彩芽、片桐仁、そして『東京BTH~TOKYO BLOOD TYPE HOUSE~』(Amazon Prime Video)に出演する要潤と勝地涼と、今回も多くのゲストが出演した。不思議なことに、番組でその姿を見た後は一気に親近感が高まっているのだ。この番組そのものが視聴者も一緒に食事をしたような、盃を交わしあったような、そんな一体感を感じさせる宴のような時間だからかもしれない。番組を見終わるころには気心知れた仲になれたような、感覚が生まれるのだ。

 なかでも、今回草なぎと1泊2日の徳島ツーリング旅に出かけた高橋克典は、親しみを込めて「克にぃ!」と呼びたくなるほど。草なぎと高橋は1997年にドラマ『沙粧妙子 – 帰還の挨拶 -』(フジテレビ系)で初共演を果たし、草なぎがユースケ・サンタマリアと共にMCを務めた『『ぷっ』すま』(テレビ朝日系)では高橋が準レギュラー並に出演を重ねてきた。ツーリング中「『ぷっ』すまのことを思い出してたよ。ユースケがヒッチハイクしてたら面白いよね」と冗談を言う高橋に、同じような懐かしさを覚えた視聴者も多くいたのではないだろうか。長年、草なぎを可愛がり、そして新たな挑戦を温かく見守ってきたという意味では、まさに“NAKAMA”のひとりだ。

 そんな信頼関係がある2人だからこそ、ハプニングだらけの旅も実に微笑ましいものだった。ゲストにも関わらず高橋が旅のコースをプランニングするところから、頼れるアニキモード全開。途中、休憩で寄ったお店では、店員さんから和三盆シュークリームをすすめられるも「俺、プリンにしようかな」と相変わらずマイペースっぷりを発揮する草なぎ。対して、高橋はせっかくすすめられたのだから、とシュークリームを選び、自ら口を付ける前に草なぎに「はい、あーん」と食べさせる。もちろん遠慮なくかぶりついた草なぎ。だが「あ、塩だコレ!」と謎のコメントを披露。「塩なの? 砂糖っつってたよ?」と高橋が返すと「砂糖か!」と即座に前言撤回するという気ままなやりとりに、スタッフからも“適当なコメント“とツッコミのテロップが入る。

 また、給油のために立ち寄ったガソリンスタンドでも、高橋にとって思い出の地だという話もそこそこに草なぎは看板犬のフレンチブルドッグのダイキチに熱視線。「怖がりだから触らないほうがいい」と忠告をされたにも関わらず、ずんずん近づいていく。案の定、噛み付く素振りで警戒するダイキチ。それでも「ダイキチくん、ねえ」と仲良くなろうと近づく草なぎに、ダイキチのほうが呆れてしまうほど。

 そんな我が道を突き進む草なぎと、いい距離感でツーリングを楽しむ高橋。雨が降り、港区ライダーの草なぎを心配して予定を変更。ロケバスで目的地の剣山に向かう。気分だけでも盛り上げたいと2人でヘルメットをかぶり、見ることができなかった雲海の写真を前に登ったていで自撮りをして、記念スタンプを傘に押す。なんとかわいらしい大人の男旅なのだろう。残念がりながらも「一つぐらいやり残したことがあったほうが、次に繫がる」と笑う草なぎは、稲垣と観光したパリでも同様のことを言っていた。すべてがうまくいかなくても、今を精いっぱい楽しむ。草なぎのブレないその軸が、どれだけ多くの人を笑顔にしてきたのだろうか。高橋もノリノリで「またプランニングしちゃおうかな!」と頬が緩む。

 きっと、このスタンスこそが生粋のアイドルなのだろう。また一緒に笑いたい、次も会えるように頑張りたい、そう思わせる存在。そして、人の魅力さえも引き出して、幸せな気持ちを広げていく存在。「草なぎ剛は今でもアイドル?」という問いに「(今の自分たちを)“何なんだ?“と問われるシーンもあった。でも自分で決めることではないのかなって。見てくれる方が感じてくれるもので」と話していた草なぎ。確かに「44歳のおじちゃま」と笑いながらも、年代を問わず“ツヨポン“と慕われ続けるのは他に類を見ないアイドル像だ。“吾郎ちゃん“、”慎吾ちゃん“も、また然り。だが、これまで彼らの活動がアイドルという概念を更新し続けてきたのは周知の事実。そして、今新しい地図と共に、その可能性をさらに広げている。

 「僕も吾郎ちゃんも、誰かとさ!」草なぎと高橋のツーリングに触発されて、香取と稲垣もアートやワインなど自分たちの趣味を活かした旅をしたいと盛り上がる。果たして、どんなゲストとの旅が実現するのか。その旅を見届けるたびに、また好きな人が増えるのだと思うと、ワクワクする。(佐藤結衣)

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