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『半分、青い。』永野芽郁の弟役で注目! 上村海成が語る、楡野家の空気感と草太に対する理解

リアルサウンド

18/8/30(木) 6:00

 最終回まで残り1カ月となった朝ドラ『半分、青い。』(NHK総合)。天真爛漫、猪突猛進の主人公・鈴愛(永野芽郁)の弟であり、“特製カツ丼”を生み出し、つくし食堂を一躍注目の店に押し上げた草太。つくし食堂の店長として、鈴愛を支える存在として、奮闘し続けている。

【写真】草太の高校生から27歳、36歳の変貌ぶり

 リアルサウンド映画部では、草太を演じた上村海成にインタビュー。草太の人物像から、役者としての今後の展望までじっくりと語ってもらった。

■「どうして草太はこんなに気遣いができるんだろう」

ーー永野芽郁さんは以前、楡野家を「アットホームな感じ」と話していたのですが、上村さんにとって楡野家の空気感はいかがですか?

上村海成(以下、上村):「本物の家族だな」と感じてしまうくらいすごく居心地が良いです。「よし、家族の気分でやらないと!」と気持ちを切り替えることをせずに、カメラが回っても、そのまますっと芝居に入っていけるので、楡野家の撮影シーンはとてもリラックスして臨めています。

ーー草太は、家族の中でみんなに気を配るのが上手な印象です。

上村:最初に台本をもらって、どうして草太はこんなに気遣いができるんだろうと考えました。鈴愛(永野芽郁)の左耳が聞こえなくなったことで晴(松雪泰子)さんが泣いていて、家族全体が落ち込むようなムードになっていたときとか、簾子(風吹ジュン)さんが亡くなって仙吉さんがずっと沈んでしまっていたときとか。そういう姿を見ていると、自分が元気づけてあげないといけないなと思ったんだろうなって。それ以前にも鈴愛と晴さんが喧嘩しているのを見て、空気を読むことは覚えていたと思うんですけど、家族同士の“繋ぎ力”を上げたのは、その時期だったんだと思います。

ーー家族のなかでも仙吉(中村雅俊)さんとの絡みが印象深いです。

上村:特に印象に残っている仙吉さんとのシーンは、やっぱり歌のシーンですね。今まで歌手の方と歌うことをほぼ経験したことがなかったので、緊張もしましたが、それ以上にすごく楽しかったです。あと、撮影が続いていくうちに、仙吉さんが特殊メイクで老けていく姿を見慣れてしまって、リハで素の状態で(中村)雅俊さんに会ったときに「ん!?」と思うときがありました(笑)。実際の雅俊さんは若いし髪も黒いので、役で仙吉さんになると別人に見えるくらい、老けさせる見せ方に一切違和感がなく、説得力がありました。

■「27歳、36歳とどんどん未知の領域に」

ーー草太は初めて登場したときは高校生でしたが、現在はつくし食堂の店長として家庭を持つ大人になっています。成長していく過程を演じる上で意識したことはありますか?

上村:僕自身の年齢を超えたあとを演じるときは、少し戸惑いがありました。僕が歩んできた年齢であれば、自分が経験してきていることなので、そこまで理解できない感覚はありませんでした。でも、27歳、36歳とどんどん未知の領域になってしまって。見た目をメイクで変えていただいても、中身が伴っていないと違和感が生まれてしまうと思ったので、街で30代くらいの人を見て少し研究しましたね。おどおどしているような人はいないし、どっしり構えているような人が多い気がしたので、普段よりも気持ち的に重心を落とすイメージで、地に足をつけるように意識しました。

ーー草太と自身の共通点は?

上村:先を考えてしまうことや、人の心配をしてしまうところは似ていると思います。自分のことを気にし過ぎてしまうので、相手のことも気になってしまうんです。でも、草太のような気遣いはなかなかできていません。気を遣えなさすぎて友達から怒られるくらいで(笑)。草太のような家族を結びつける“繋ぎ力”のような素質は僕の中にはない部分なので、演じながら勉強させてもらっています。

ーー撮影期間は長いですが、今までの撮影を通じて一番苦労した点は?

上村:すき焼きを食べるシーンで卵をかき混ぜるところです。生まれてこの方、生卵をかき混ぜたことがほとんどなくて、かき混ぜ方が全く分からなかったんです。みんなに聞いても「え、卵なんて普通にやれば平気じゃん」って言われて、「普通ってなんだよ!」って(笑)。

ーーカツ丼を売り出してつくし食堂を継ぐというのは、最初から聞いていたことなんですか?

上村:全く知りませんでした。先ほどのシーンで、「いずれ卵関係にいくから」とだけ言われていて、パティシエにでもなるのかなと思いつつも、食堂を継ぐような気はしていて、撮影の中盤くらいの時期に、「カツ丼作るよ」と教えてもらいました。カツ丼は難しそうな凝った料理っぽく見えますけど、カツを揚げるところから教えていただいて、思っていたより簡単に作ることができました。

ーー草太を演じていて一番嬉しかったシーンは?

上村:律と鈴愛が夏虫の駅で再会する前夜の、初めて草太の本音が見えたシーンです。草太はそれまで、自分の運命をすいすい受け入れすぎだなと思っていたんです。お姉ちゃんが上京してしまったから、自分は家から出ずに名古屋の大学に通って、文句も言わないし、苦に思っていなんだなと感じていました。されるがままに運命を受け入れていくタイプなんだなと。だけど、初めて鈴愛とちょっと揉めるようになって、本当はこう思っていたんだなっていうのが分かり、草太も人なんだなと思いました。

■「芽郁ちゃんは鈴愛以外の何者でもないなと感じました」

ーー草太は実際には鈴愛のことをどう思っているのでしょう?

上村:岐阜に帰ってきたと思ったら「花野(鈴愛の娘)にフィギュアスケートやらせたいから東京行くわ」とか、パソコンの表計算見たことないけどできるって、言ったり、「何を言っているんだ!?」と。草太から見れば全く意味が分からないし、鈴愛は草太にはできない考え方を持っているんですよね。だから、振り回されたりもあります。一見、無鉄砲な鈴愛のものの考え方や決断の仕方、きっとうまくいくだろうと思えるポジティブな思考って、時にちょっとどうかなぁと思うことはあるんですけど、すごい羨ましくも思っていて。草太に限らず僕もそういう考え方ができないので羨ましいし、「カッコいいな」「人生楽しそうだな」と思います。お姉ちゃんって、家族だからちょっと疎ましい存在ではあるけれど、憧れの存在でもあるなって。

ーー永野芽郁さんと一緒に姉弟役を演じた印象を教えてください。

上村:芽郁ちゃんとは、彼女が中学生、僕が高校生のときに初めてあったんですけど、そのときは彼女が女優をやっていることを知りませんでした。その後はテレビで見かけることがありながらも作品でご一緒する機会はなかったので、いざ実際に一緒に芝居をしてみてびっくりしました。スタートの瞬間からカットがかかるまで、どこにも芽郁ちゃんがおらず、完全に鈴愛として存在しているんです。この人は鈴愛以外の何者でもないなと感じました。僕は、こんなにすごい子を中学生のときから知っているのかと思って、鼻が高かったです(笑)。

ーー永野さんと鈴愛はどんなところが似ていると思いますか?

上村:芽郁ちゃんは多趣味なんです。いろいろなことをやってみたいと話していて、好奇心の旺盛なところは鈴愛に似ているなと思います。「毎日習い事したい!」などすごくバイタリティがあって、生きる力に満ち溢れたような感じが、鈴愛ととても被ります。

■「30代くらいに再び戻ってきたい」

ーークライマックスが近づいていますが、草太としての今後の見どころを教えてください。

上村:晴さんと2人のシーンで、単に家族の仲良しこよしということではなく、本当に家族が繋がっているんだなと感じることができる場面が、今後訪れます。撮影していたときも、その空間にいることがとても気持ち良くて、このままずっといたいなと思ってしまうような空気感でした。

ーー朝ドラ出演の経験を経て、今後どんな俳優になっていきたいですか?

上村:また朝ドラに帰ってきたい気持ちは強いです。今回20代で出演させて頂けましたので、今度は30代くらいに再び戻ってきたいです。周りの共演者が錚々たる方々だったので、こんなに差があるんだと痛感することが多くあり、まだまだ至らない部分を感じることも多かったんです。しばらくいろんな経験を積んで、もっと自信や力をつけて、「自信満々です! どんな役でもいけます!」という状態でまたぜひ出演させていただきたいです。今度は宇太郎(滝藤賢一)さんみたいなキャラにも挑戦できるようになっていたいですね。

(大和田茉椰)

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