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小芝風花、『美食探偵』で“高級食材”中村倫也をどう活かす? 等身大のコメディエンヌに期待

リアルサウンド

20/4/12(日) 8:00

 本日4月12日からスタートする日本テレビ系新日曜ドラマ『美食探偵 明智五郎』でヒロインを演じる小芝風花。清純派女優として数々の作品に出演し、今やコメディエンヌとしても評価の高い小芝。今作の主演である中村倫也とのかけ合いも大きな注目だ。そこで今回は小芝のキャリアを追いながら、本作での新たな活躍への期待を書いてみたい。

参考:【ほか場面写真】運転に焦る!? 小芝風花と中村倫也

 小芝風花は、2012年にオスカーの先輩・武井咲の妹役として『息もできない夏』(フジテレビ系)でデビュー。そして世間の注目を集めたのが、2015年の映画『魔女の宅急便』でのキキ役。映画初主演というだけでもプレッシャーなのに、国民的大人気キャラを演じるというハードルを前に、小芝の純粋で一生懸命に演じる姿が、キキが一人前の魔女になろうと努力する姿と重なり、多くの観客が小芝の演技に胸を打たれた。

 以降も等身大の清純派としてキャリアを積み、2016年のNHK連続テレビ小説『あさが来た』で、ヒロインの白岡あさ(波瑠)の娘・千代役で、役者としてのターニングポイントを迎える。進学をさせたい母親と花嫁修行をしたい娘という対立構造で、出演当初はふくれっ面で常に母親に反抗的な態度を演じ、視聴者から多くのバッシングを受けたという。それは、それだけ視聴者が小芝が演じる千代に注目していた証拠だろう。しかし小芝は、当時のブログで、想像以上のバッシングの嵐によって、嫌われることが怖くなったと明かしている。そんなときに、マネージャーに「風花、千代がブレるだろ!」という言葉にハッとさせられたという。物語の後半では、初恋での心の変化や、危篤状態になった母親へ涙しながら想いを語り、反発していた娘が看病を一生懸命続ける姿が、感動を呼んだ。小芝の飾らない等身大の演技が、子を持つ親たちの心を奪っていったのだ。そうして、『あさが来た』は小芝にとって、役を演じることへの覚悟を学び、知名度だけでなく一女優としての成長を示す作品となった。

 ただ、小芝が生まれた1997年組には、杉咲花、飯豊まりえ、桜井日奈子、山本舞香、武田玲奈、唐田えりからがいる。透明感溢れる中に個性が光る役者が多い世代の中で、小芝は真面目なキャラクターを演じることが多かったために、一見地味にも見えたかもしれない。しかし、2017年の中丸雄一主演ドラマ『マッサージ探偵ジョー』(テレビ東京系)でのヒロイン役では、極度のコミュ障である主人公を、その明るさとリアクションで引き立て、小芝はコメディエンヌとして開花。昨年放送されたNHKドラマ10『トクサツガガガ』でも、隠れ特撮オタクの主人公・仲村叶役で、まるでチャップリンや渥美清のように、笑いと“特撮オタク”の悲哀を等身大で表現するなど、そのコメディエンヌっぷりは健在。気づけば、漫才師やラッパー、女子アナまで幅広い役柄を演じるオールマイティーな女優になっていた。

 さて、東村アキコ初のサスペンス漫画を原作にした『美食探偵 明智五郎』は、超美食家で変わり者の探偵・明智五郎(中村倫也)が、グルメの知識を使って殺人事件を解決しながら、殺人鬼へと変貌する主婦と対決する模様を描く。小芝は、移動弁当屋「いちご・デリ」の店主・小林苺役で、常連客である明智に探偵助手として駆り出され、確かな味覚と料理の腕前を持ち、それが事件解決のヒントになっていく。

 小芝曰く「喜怒哀楽がはっきりしている元気な女の子」(参考:小芝風花、『美食探偵 明智五郎』で日テレドラマ初出演 主演・中村倫也の相棒役に)で、今回小芝は振り回される役であるが、俳優としても浮世離れした存在の中村倫也というクセのある高級食材を、等身大の魅力を持った小芝というスパイスでどう際立たせるのか楽しみだ。コメディリリーフとして庶民も楽しめる作品に変えていくことが、おそらく今回の小芝の使命だろう。本作の脚本は『トクサツガガガ』も担当した田辺茂範なだけに、小芝の良さをうまく引き出してくれるに違いない。素朴さと確かな演技力を持つ小芝だからこそできる苺役に期待したい。 (文=本 手)

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