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さとうもか/PIA SONAR MUSIC FRIDAYインタビュー

さとうもかがメジャー1stアルバム『WOOLLY』で辿り着いた、“歌い続ける”という決意

特集連載

第20回

みなさんが聴いてくれて共感してもらえると、自分の話を聞いてもらえた気分になるんです

── メジャー1stアルバム『WOOLLY』、さとうさんの独創的なポップセンスが発揮された素晴らしい作品だと思います!

さとう ありがとうございます。たくさんの人に聴いてもらえる機会が増えたのはすごくうれしいです。

── アルバムの制作に入ったとき、どんなイメージがあったんですか?

さとう 毎回、何となくテーマを決めてから作り始めるんですけど、今回のアルバムのテーマは制作の途中で決まったんですよ。なかなか曲作りが上手くいかなくて、モヤモヤしていた時期があって。「何だこのモヤモヤは! もうやだ!」みたいになったときに、タイトルを『WOOLLY』にしようと思ったんです。

── “WOOLLY”は“ぼんやりした”“あいまいな”みたいな意味ですからね。さとうさんが抱えていた“モヤモヤ”の原因って何だったんですか?

さとう 原因はたくさんあるんですけど、まずは新しい環境になったことかな。ずっと岡山に住んでいたんですけど、数カ月前に東京に引っ越してきたんです。迷いながら決めたことでもあったし、人間関係も変わって、「あぁ……」っていう感じになって。

── SONAR TRAXに選ばれたアルバムのタイトル曲「Woolly」にも、モヤモヤ感がすごく出てますね。

さとう そうですね(笑)。「Woolly」は冒頭の「君が言っていた未来の展望 私の事が入ってない気がした」から書き始めたんです。実際に私が思ったことなんですけど、そのときの気持ちだとか、友達の話を聞いて「わかるー!」と思ったことを加えて歌詞にしていきました。途中、すごくつらくなって「何でこんなことを歌にしようとしてるんだろう?」と思って(笑)。夜の街をひとりで歩いて、公園に辿り着いて、いろいろ考えているうちに「またやってみよう」という気になって。

── いろんな思いが込められているんですね。完成したときは「やった!」みたいな気持ちになる?

さとう よっしゃー! ですね(笑)。レーベルの担当の方に「めっちゃいいですね」と言ってもらえるのもうれしいし、リスナーのみなさんが聴いてくれて共感してもらえると、自分の話を聞いてもらえた気分になるんですよ。

── アルバムにはメジャー1stシングル「Love Buds」、さとうさんがブレイクしたきっかけになった「melt bitter(Album ver.)」も収録。どちらも切ないラブソングですね。

さとう 「Love Buds」は恋愛ソングに聴こえるように書いているんですけど、自分のなかでは別の気持ちを歌っていて。モヤモヤした状況からとにかく脱却したいけど、自分で決断するのもつらくて。この曲を書いてたときは「誰か背中を押してくれ!」みたいな気持ちがあったんです。「melt bitter」は、いろいろな自分の気持ちがマックスになってたときですね。音楽をがんばろうと決めて、岡山で協力してくれるスタッフも揃ったやる気マックスだけど、私生活では大失恋を経験したり。いろんなことがありすぎて、「絶対、いい曲にしよう」と気合いを入れて作りました。

── それぞれの楽曲には、さとうさん自身の状況がリアルに反映されているんですね。「歌をとめない」も印象的でした。これはやっぱり、思うように活動できなかった時期の気持ちが込められているんでしょうか?

さとう それもありますね。ライブができなくなって、ファンの人たちにも会えなくなって。以前は物販とかで話したりしてたんですよ。でも、ファンの人たちも人生が進むにつれてライブに来づらくなることもあるし、だんだんひとりで取り残された気分になってり……。コロナ禍になって、誰であっても“会えなくなる”って隣り合わせだなと実感したんです。

── その感覚は、多くの人が感じていると思います。

さとう そうですよね。でも、ずっと歌っていたら、それをどこかで聴いて思い出してくれるかもしれないし、また会えたりするかもなって。生活環境が変わるなかで、いろいろ迷うこともあったし、初めて「音楽をずっと続けられるのかな?」という考えがよぎったんですけど、「歌をとめない」を書いているうちに「がんばろう」と思って。歌詞に引っ張られるんですよね。ネガティブなことを書けば、そういう性格になっちゃうし(笑)。

── 自分で作った曲に影響を受けちゃうんですね。

さとう この前、久しぶりに昔の曲を聴いたんですけど、明るい曲が多くて、「私、意外と明るいのかも」と思ったり(笑)。

── アルバムの最後に収められた「アイロニー」には、<悩んだ日々にバイバイバイ/信じるのは 光る想い/それだけでいいはずだわ!>というフレーズがあって。アルバムの制作を通して、こういう心境に辿り着いたのは素晴らしいですね。

さとう ありがとうございます。「アイロニー」はいちばん最後に作った曲なんです。ずっとモヤモヤしてたけど、「こんなんじゃダメだわ!」と思って、とにかく明るい歌詞にしたくて。書いていると、自分の気持ちも明るくなりました(笑)。

── ネガティブではなく、いい方向に引っ張られたんですね(笑)。

さとう はい(笑)。私はもともと、本音をしっかり言うタイプだったんです。でも、この1年くらいは言いたいことを上手く言えないことが増えて、自分が縮こまっている感じもあって。本当の気持ちを伝えないと誰にもわかってもらえないし、なかなか仲良くなれない気もするんですよ。人見知りなんですけど、自分の気持ちをちゃんと伝えたり、歌にしていきたいです。

今は「すぐに次の作品に向かってがんばろう」と思ってます

── ジャズ、R&B、エレクトロなど、カラフルなサウンドも魅力的でした。さとうさん自身、幅広く音楽を聴くタイプなんですか?

さとう そうですね。趣味がすぐ変わるし、いろんな音楽が好きなので。ただ、一貫性はあると思ってるんですよね。いちばん好きなのはジャズやポップスで、そこから派生した音楽を聴いてきたので。最近で言えばK-POPも好きですね。アルバムに入ってる「Cupid’s arrow」には、K-POPのテイストを取り入れてます。

── さらに幅が広がってるのかも。さとうさんの音楽の入り口はジャズ・ボーカルだったそうですね。

さとう はい。幼少の頃からCMで使われている音楽が気になっていたんですけど、親に「これはどういう曲?」と聞くと、ジャズやシャンソンの曲ってことが多かったです。その後、ジャズが100曲入ったCDを買ってもらって、そこからいろんな音楽を聴くようになりました。

── J-POPではどんなアーティストが好きだったんですか?

さとう aikoさん、YUIさん、チャットモンチーさんなどを聴いてました。松任谷由実さんも好きです。特に荒井由実さん時代の曲をよく聴いてましたね。コピーバンドもやってたんですよ、じつは。岡山にいたときなんですけど、街で歌ってたら、知らないおじさんに「ユーミンのコピーバンドやらんか?」と話しかけられて。すぐにメンバーを集めてくれたんですけど、みなさん、すごく上手な方ばかりで。私は歌うだけでしたけど、楽しかったです(笑)。

── ライブについても聞かせてください。10月から11月にかけてワンマンツアーが開催されましたが、手ごたえはどうでした?

さとう 楽しかったです! ツアー自体も2年ぶりだったし、バンドのみなさんと一緒に回れたのもうれしくて。前回はひとりで回ってたんですけど、バンドと対バンしたときに「羨ましい」と思ってたんですよ。ツアーのバンドメンバーは東京に引っ越してきてから知り合った人もいて。みなさん、ご自身でも曲を作られていたり、サポートの経験も豊富で。いろいろ教えてもらったり、すごく助かってます。ベースの森川祐樹さんには「アイロニー」のアレンジもやってもらいました。みんな本当にすごいんですよ。

── 素敵な出会いがあったんですね! 東京で暮らすようになって、生まれてくる楽曲にも変化があったのでは?

さとう それはあまり変わらないかな(笑)。あ、でも、歌詞のなかに“車”が出てこなくなった気がします。以前は“車の助手席で”みたいな歌詞がいくつかあったんですけど、今回のアルバムには車が全然出てこないので。

── 岡山では車に乗ることが多くて、東京では電車移動だから?

さとう そうだと思います、そのときの状況が歌詞になっていくので。東京の電車、日々感動してますね。「やばい遅刻しそう!」と思っても、すぐに次の電車が来るので(笑)。

── 確かに(笑)。東京暮らしのなかで、印象に残っていることは?

さとう あまり見て回ってないんですけど、劇団四季の「アラジン」は楽しかったですね。プロ!って感じでした。ミュージカル、好きなんですよ。高校は音楽学科だったんですけど、ミュージカル専科の友達がいて、昔から歌って踊るのってカッコいいなと思ってたので、劇団四季をこんなに気軽に観に行けるのはうれしいです。

── J-WAVEは六本木にありますけど、このあたりの風景、どうですか?

さとう まだ慣れないですね。東京タワーが見えると、「本物や!」って思っちゃうし(笑)。岡山にはたくさん鉄塔があるんですけど、本物の東京タワーはすごく大きいし、キレイですね。

── いいですよね、東京タワー。環境が変わって、モヤモヤした時期もあったけど、素晴らしいアルバムが出来て、ツアーメンバーとの出会いもあって。いいこともたくさんありますね。

さとう そうなんですよね。アルバムを作っていくなかでスランプを抜けた感じもあったし、今は「すぐに次の作品に向かってがんばろう」と思ってます。作りかけの曲がいくつかあるので、それを少しずつ形にして。できるかどうかわからないけど(笑)、気持ちは前向きです!

Text:森朋之 Photo:吉田圭子

リリース情報

さとうもか メジャー1stアルバム『WOOLLY』(ヨミ:ウーリー)
2021年10月13日(水)発売
<通常盤>3,300円(税込)/UPCH-20596/CD
<UNIVERSAL MUSIC STORE盤>5,500円(税込)/PDCN-1930/CD+DVD+マグカップ
<CD販売サイトリンク>https://lnk.to/woolly_ec

<収録曲>
01.Weekend
02.Woolly
03.Cupid’s arrow
04.ながれぼし
05.Love Buds
06.いとこだったら feat.Mom
07.Destruction
08.Sugar Science 先生
09.いちごちゃん
10.melt bitter (Album ver.)
11.運命の糸
12.歌をとめない
13.アイロニー
※UNIVERSAL MUSIC STORE盤には+Piano ver.2曲を収録
14.ながれぼし Piano.ver
15.運命の糸 Piano.ver

●UNIVERSAL MUSIC STORE盤DVD収録内容
Documentary of "WOOLLY" (制作メイキング映像)

ライブ情報

さとうもか “WOOLLY”TOUR 2021 東京公演 ※SOLDOUT※
11月7日(日)15:30開場、16:00開演/18:00開場、18:30開演
会場:渋谷クラブクアトロ
≪バンドメンバー≫
Ds.河合宏知、Bs.森川祐樹、Key.沼澤成毅、Gt.シンリズム

プロフィール

さとうもか
岡⼭出⾝のアーティスト、さとうもか。初めてのピアノ発表会で弾いた「ガラスの靴」のシ・ド・ミの和⾳で⾳楽が好きになり、2018年から本格的に活動をスタート。これまでに3枚のアルバムをリリース。1stアルバム収録の「Lukewarm」で⼀気に注⽬を集めると、TikTokでバズり、UGCは約3万、MV は現在550万回再⽣を突破。2020年にリリースした1st シングル「melt bitter」は累計600万ストリーミング。YouTubeは約210万回再⽣を突破中。川⾕絵⾳、蔦⾕好位置、齋藤ネコなどの⾳楽⼈を始め、業界各所から注⽬される。2021年5⽉にEMI Records よりメジャーデビュー。アート⼼をくすぐる良質なポップネスを持つその才能は、様々なクリエイターやアーティストから⽀持を得ている。⾃⾝の作品以外にも、楽曲提供、ラジオなど多岐に活動中。

関連リンク

公式サイト : https://www.satomoka.com
YouTube : https://www.youtube.com/channel/UCWmkw9mnpGO6TWuDSLctSfA
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番組概要

放送局:J-WAVE(81.3FM)
番組名:PIA SONAR MUSIC FRIDAY
ナビゲーター:櫻井海音
放送日時:毎週金曜 22:30~23:00
番組HP:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarfriday/
番組twitter:https://twitter.com/SONAR_MUSIC_813
ハッシュタグ:#sonar813
番組LINEアカウント:http://lin.ee/H8QXCjW

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