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黒沢清が「スパイの妻」でヴェネツィア国際映画祭の監督賞に、最高賞は「ノマドランド」

ナタリー

20/9/13(日) 11:54

黒沢清

第77回ヴェネツィア国際映画祭の授賞式が、イタリア現地時間9月12日に行われ、フランシス・マクドーマンド主演作「ノマドランド」がコンペティション部門の最高賞にあたる金獅子賞を受賞。日本からは黒沢清監督作「スパイの妻」が銀獅子賞(監督賞)に輝いた。

現地時間9月1日より行われてた同映画祭。新型コロナウイルス感染拡大の世界的な影響から、数々の映画祭がオンライン開催や中止を決める中、例年通りの開催に乗り出した。

2021年1月に日本公開される「ノマドランド」は、ジェシカ・ブルーダーによるノンフィクション「ノマド:漂流する高齢労働者たち」をもとにしたロードムービー。リーマンショック後、キャンピングカーで“現代のノマド(遊牧民)”として過酷な季節労働の現場を渡り歩くことになった60代女性ファーンをマクドーマンドが演じた。

マクドーマンドは、同作のワールドプレミアを行った米ロサンゼルス郊外の会場から「知ってほしいのは、クロエ(・ジャオ)、サーチライト(・ピクチャーズ)、全製作チーム、一緒に旅をした25人の仲間、私たちを生活に加えてくれた、バンで移動し続けるノマドたち……彼らのすべての息がこの映画を形作っていること。ある意味、この奇妙な世界で、あなた方の映画祭に私たちを参加させていただいたことに感謝します」とコメントを発表。監督のクロエ・ジャオも「個人的なことでは、私のパートナーであるジョシュア・ジェームズ・リチャーズ、私たちの撮影監督にも感謝したいです。彼なしではこの映画はできなかった。“路上”で会おう!」と喜びを伝えた。

黒沢が脚本も共同で手がけた「スパイの妻」は、太平洋戦争前夜の兵庫・神戸を舞台に、連合国のスパイと疑われる貿易商とその妻の姿を描く物語だ。蒼井のほか高橋一生、坂東龍汰、恒松祐里、みのすけ、玄理、東出昌大、笹野高史もキャストに名を連ね、10月16日より東京・新宿ピカデリーほか全国で封切られる。日本人が同賞に輝くのは、2003年に「座頭市」の北野武が受賞して以来となる。

また銀獅子賞(審査員大賞)はミシェル・フランコ監督作「Nuevo Orden(原題)」が受賞し、女優賞をヴァネッサ・カービー、男優賞をピエルフランチェスコ・ファヴィーノが獲得。新人俳優賞にあたるマルチェロ・ マストロヤンニ賞には「運動靴と赤い金魚」のマジッド・マジディの新作「Khorshid(原題)」よりルーホッラー・ザマニが選ばれた。主な受賞結果は以下の通り。

なおケイト・ブランシェットがコンペティション部門の審査員長、マット・ディロン、クリスティアン・ペッツォルト、リュディヴィーヌ・サニエらが審査員を務めた。

第77回ヴェネツィア国際映画祭 主要部門受賞結果

金獅子賞

クロエ・ジャオ「ノマドランド」

銀獅子賞(審査員大賞)

ミシェル・フランコ「Nuevo Orden(原題)」

銀獅子賞(監督賞)

黒沢清「スパイの妻」

審査員特別賞

アンドレイ・コンチャロフスキー「Dorogie Tovarishchi(原題)」

脚本賞

チャイタニヤ・タームハネー「The Disciple(原題)」

女優賞

ヴァネッサ・カービー「Pieces of a Woman(原題)」

男優賞

ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ「Padrenostro(原題)」

マルチェロ・ マストロヤンニ賞

ルーホッラー・ザマニ「Khorshid(原題)」

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