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『エール』でもインパクト抜群!? 「最高すぎる」橋本じゅんの“閻魔様”が再び

リアルサウンド

20/8/31(月) 6:00

 第1話から再放送中のNHKの連続テレビ小説『エール』。8月31日からは、第11週『家族のうた』第55回から第12週「アナザーストーリー」第60回までが放送される。

 三郎(唐沢寿明)は浩二(佐久本宝)に大事な話があると、二人で話をする。第12週はオムニバス形式のアナザーストーリー。音の亡き父・安隆(光石研)と家族の物語や「バンブー」の店主・梶取保(野間口徹)と妻・恵(仲里依紗)のなれそめ、双浦 環(柴咲コウ)の若き日の物語が描かれる。

権藤茂兵衛(風間杜夫)の「本当にやりたかったこと」

 浩二と母・まさ(菊池桃子)に見送られ、「喜多一」を出た裕一(窪田正孝)と音(二階堂ふみ)は、伯父・権藤茂兵衛の元へ向かう。茂兵衛は川俣銀行を継がせるため、裕一を養子に迎え入れようとしていたが叶わなかった。裕一は緊張しながらもこれまでのことについて頭を下げるが、茂兵衛の口から出た言葉は意外なものだった。

「本当はずっとこれ(陶芸)がやりたかったのよ」
「好きなことだけで飯食える奴なんざ一握りだ。せいぜい気張って、カミさんと子どもに苦労かけるんでねえぞ」

 茂兵衛ははかつて、半ば強引に裕一を養子に迎え入れ、彼に音楽家の道を諦めさせていた。そんな茂兵衛から出た胸の内と裕一へのエールに驚かされた視聴者は少なくないはずだ。だが茂兵衛を演じてきた風間は、公式インタビューで両親からのプレッシャーと病気がちな妻を庇う茂兵衛を、裕一や三郎と同じように、板挟みの中で葛藤している人物と捉え、決して嫌味なだけの人物にならないよう演じてきたと話している。

 裕一が立派な跡継ぎになるよう目を光らせていた頃は、重々しい雰囲気で口調も荒々しかった茂兵衛だが、第55回では口調も雰囲気もリラックスしている。妻を看取り、「本当にやりたかった」陶芸に没頭する中で、彼自身がさまざまなプレッシャーから解放されたのだとわかる。

 茂兵衛は裕一たちに夫婦茶碗を贈る。裕一たちは夫婦茶碗の見た目に困惑していたが、そののびのびとした作風と「見ればわかっぺ!」という茂兵衛のおおらかな回答は、彼本来の性格を魅力的に伝えてくれた。

インパクト抜群!? 閻魔様を演じた橋本じゅん

 語りの津田健次郎が「突飛な設定や、裕一や音が登場しない回もございますが…」と語るように、「アナザーストーリー」は今までとは違った作風が魅力的。そんな「アナザーストーリー」のスタートを飾るのが、インパクト抜群な閻魔様(橋本じゅん)である。

 一泊二日で地上に帰る権利が当たり、10年ぶりに音の父・安隆(光石研)がこの世に戻ってくるという設定はまさに“突飛”だが、橋本演じる閻魔様の、安隆の身を案じる優しさとお茶目さのおかげで、第56、57回のコミカルさが胸にストンと落ちる。

 SNS上では放送前から「橋本じゅんの役柄が閻魔様!? 面白い予感しかない」と期待が高まっており、放送時には「最高すぎる」「オープニングから盛大に笑った」と声があがっていた。本作の第1回が原始時代から始まったこともあり、閻魔様の登場は違和感なく受け入れられたようだ。

 今週のおすすめは第12週「アナザーストーリー」。作風の違いに困惑する人もいるかもしれないが、描かれる物語は心温まるものであり、笑顔をもたらし、キャラクターに深みを感じさせる。個性豊かな短編集を楽しんでいただきたい。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)〜9月26日(土)予定
※6月29日より第1回から再放送中
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子、菊池桃子、光石研、中村蒼、山崎育三郎、森山直太朗、佐久本宝、松井玲奈、森七菜、柴咲コウ、風間杜夫、唐沢寿明ほか
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:小西千栄子、小林泰子、土居美希
演出:吉田照幸、松園武大ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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