ヤン・イクチュンをつくる映画~国境を越える映画人~
少女のたったひと言で、人生が一変。完全に主人公に感情移入してしまった『偽りなき者』
月1回
第10回
19/8/24(土)
今回イクチュンさんに語っていただいたのは、デンマークを代表する国際派俳優マッツ・ミケルセン主演の人間ドラマ『偽りなき者』。本作は2012年のカンヌ国際映画祭に出品され、男優賞ほか見事3冠を獲得。ひとりの少女のたった一言で主人公の人生が一変してしまうという衝撃のドラマと“集団ヒステリー”というべき題材が大反響を呼びました。
イクチュンさんも、もしも自分が同じような状況に置かれたら……と想像し、主人公にものすごく感情移入してしまったそうです。
主人公の立場になると心臓に電気ショックを
与えられたような気持ちになった
── デンマーク映画『偽りなき者』を選ばれましたね。トマス・ヴィンターベア監督、マッツ・ミケルセン主演の衝撃作です。
ヤン 本当に衝撃的でした。こんなふうに誰かの一言によって振り回されて、苦労させられて、困惑させられるということがあるのだと思わされました。身近な人の一言で、弁明の余地のない状況に追い込まれる。周囲のみんなが一斉に自分に背を向けるわけです。
まず、主人公を演じたマッツ・ミケルセンさんの演技が素晴らしい。彼の感情表現に、すっかりハマってしまいました。彼はいま、ハリウッドでも活躍中ですよね。キーパーソンとなる幼稚園児に扮した女の子の芝居もすごい。これから先、女優を続けるかどうかはわかりませんが、これまた見事な表現でした。
── 確かに惹きつけられる演技がぎっしり詰まっていますね。
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