押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?
押井さんの2021年のベスト3を教えてください!
月2回連載
第61回
Q.
押井さんの2021年のベスト3を教えてください!
── 押井さん、年末恒例のベスト3です。
押井 いつも言っているように、私のベスト3なんて他の人が見ても楽しくないから。分かってると思うんだけど、なぜかこういう質問が常に来る。
── そうですけど、私も押井さんのベスト3はお聞きしたいですよ。
押井 最近は配信ですぐに観れるし、好きなときに観られるわけだから“今年”と区切る意味もないと思うけどね。10年くらいのスパンで考えた方がいい。
── そんなスパンだと忘れますよ。今や1年間の記憶すら怪しいんですから。だから、ベスト3、お願いします! もしかして『DUNE/デューン 砂の惑星』ですか?
押井 うーん……映画は間違いなく『デューン』だよ。サー(リドリー・スコット)の『最後の決闘裁判』も良かったけど、これまでのサーの作品よりパワーダウンは否めないから。
そういう映画と同じ土俵では語れないのは承知で、あえて私のイチオシを挙げるとするなら、YouTubeの『Fラン大学就職チャンネル』ですよ。
── 押井さんが今年、覚醒してしまったYouTubeのチャンネルですね。
押井 去年の暮れからずっと観てます。毎週2回、欠かさずアップされて、私も欠かさず観ている。楽しみにしているとすら言っていい。
── それは凄いですね。ところで“Fラン”ってどういう意味ですか?
押井 “Fランクの大学”のこと。日本にたくさんある低偏差値の大学のことです。その大学での就職活動をネタにしているんだよ。
何が凄いって、脚本以外はすべて無料の素材を使っているところ。キャラクターのイラストも写真も、すべて無料使用可能なサイトから借りてきてて、音声すべてはボイスロイド。あり合わせで作っているにも関わらず、めちゃくちゃ面白い。
ということは何を意味しているかと言えば、脚本が優れているということなんです。でまかせとかじゃなくて、ちゃんと綿密なリサーチによるデータの上に作っているから説得力もハンパない。
今の就職活動はどうなっているか? 就職状況は? そのために何をすべきなのか? 学生たちは何を考えているのか? さらにはES(エントリーシート)の書き方も教えてくれる。
“就活”をキーワードに、その周辺の事象を面白おかしく10分以内の動画でまとめているんですよ。
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