「二月花形歌舞伎」が昨日2月11日に福岡・博多座で開幕。これに先立ち、10日に松本幸四郎の取材会が行われた。

昼の部では、舞踊「正札附根元草摺」と「松浦の太鼓」、夜の部には、真山青果が作を手がける「元禄忠臣蔵」から「御浜御殿綱豊卿」と、舞踊「元禄花見踊」が上演され、幸四郎は「松浦の太鼓」「御浜御殿綱豊卿」「元禄花見踊」の3演目に出演する。「昼の部、夜の部ともにそれぞれお芝居と舞踊が1つずつという組み合わせ。しっかりと歌舞伎の楽しさを実感していただける内容」と自信をのぞかせる幸四郎は、博多座への出演に「母方の実家がある福岡は、子供のころからの思い出もある特別な場所であり、第2の故郷。だからこそ、前回よりも大きくなった姿を見ていただきたいと、毎回そんな思いで臨んでいます」と思いを述べた。

本公演で幸四郎は座頭として、中村歌昇、中村壱太郎、大谷廣太郎、中村米吉といった若手の面々を率いる。このことに幸四郎は「平均年齢の低い一座ですが、みんな、情熱とパワーを持った役者たち。何かに向かって突き進む、真っすぐな姿を皆様にご覧いただければ」と真摯に語る。また、コロナ禍での公演について「このような状況の中、歌舞伎の公演をさせていただくことに改めて感謝の気持ちです。まだまだ大変な状況は続きますが、そんな中でも立ち止まるのではなく何ができるのかを考え続け、半歩でも1ミリずつでも進んでいくことが必要。そういった意味では、まずはこの公演を全員で完走することが目標です」と話し、「皆様にパワーをお配りできるよう、歌舞伎への情熱・愛情をもって一生懸命勤めます」と気合十分な様子を見せた。公演は24日まで。

また関連企画「歌舞伎ナイト・オンライン in 博多座～年男・幸四郎、仲間と語ってよかろうもん！～」が、2月17日20:00からPIA LIVE STREAMで配信される。本配信には、幸四郎、歌昇、壱太郎、廣太郎、米吉、市川笑也、市川猿弥が出演。アンケートのコーナーや、公演の見どころを紹介するコーナーなどが用意されている。併せてチェックしよう。

博多座二月公演「二月花形歌舞伎」

2021年2月11日（木・祝）～24日（水）
福岡県 博多座

昼の部

一、「正札附根元草摺」

出演
曽我五郎：中村歌昇
舞鶴：中村米吉

二、「秀山十種の内 松浦の太鼓」

出演
松浦鎮信：松本幸四郎
お縫：中村壱太郎
近習鵜飼左司馬：澤村宗之助
同　江川文太夫：大谷廣太郎
宝井其角：嵐橘三郎
大高源吾：市川猿弥

夜の部

一、「御浜御殿綱豊卿」

作：真山青果
演出：真山美保

出演
徳川綱豊卿：松本幸四郎
富森助右衛門：中村歌昇
中臈お喜世：中村米吉
小谷甚内：嵐橘三郎
上臈浦尾：市川笑也
新井勘解由：市川猿弥
御祐筆江島：中村壱太郎

ニ、「元禄花見踊」

出演
元禄の男：松本幸四郎
同：中村歌昇
奴：大谷廣太郎
同：市川猿弥
元禄の女：中村壱太郎
同：中村米吉
傾城：澤村宗之助
同：市川笑也

「歌舞伎ナイト・オンライン in 博多座～年男・幸四郎、仲間と語ってよかろうもん！～」配信

2021年2月17日（水）20:00～

出演：松本幸四郎、中村歌昇、中村壱太郎、大谷廣太郎、中村米吉、市川笑也、市川猿弥