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L’Arc~en~Ciel、8年ぶりツアー開催に寄せる期待 近年のライブ活動から感じるファンへの思い

リアルサウンド

19/9/16(月) 8:00

 L’Arc~en~Cielの公式Twitterに突如現れた“20190902 4:00”というメッセージ。さらに、我々にヒントを与えるように“M”“M”“X”という文字が時間差でアップされると、たちまちインターネット上ではこの暗号を解読しようとファンの間で推理合戦が白熱した。そして、“MMXX”というアルファベットの並びを20時20分に最後のヒントとしてアップし、日付が変わってまだ夜が明ける前の午前4時についにその謎が解かれた。

(関連:L’Arc~en~Ciel、サカナクション、RIZE、アジカン、チャット…キャリアバンドの記念碑的作品

『L’Arc~en~Ciel ARENA TOUR MMXX』

 朝日新聞や読売新聞の朝刊にも大々的に掲載され、早朝でありながらもその瞬間を見逃すまいと多くのファンが早起きをし、8年ぶりのツアーの報せに日本中が沸き立った。また、“MMXX”の謎もローマ字表記で“2020”を意味するものであると同時に明かされた。もはや説明不要の国民的バンドである彼らが最後にリリースしたのは2016年の『Don’t be Afraid』、オリジナルアルバムでいえば2012年の『BUTTERFLY』にまで遡る。しかし、その一方でライブ活動はコンスタントに行っているのが近年のL’Arc~en~Cielだ。

 2014年3月には国立競技場で『L’Arc~en~Ciel LIVE 2014 at 国立競技場』を開催。スタンドを360°解放し、2日間で16万人を動員した。また、ライブ会場では来場者全員に「L’ポンチョ」と呼ばれるポンチョとリストバンド型ライト「L’ed」が配布され、「L’ポンチョ」を着用したファンをスクリーンに見立てプロジェクションマッピングを投影させたり、「L’ed」の光を無線で操作し客席に文字を描くなど、観客を交えた演出がなされた。改修が決まった国立競技場で、NHKバンクーバーオリンピックの公式テーマソングであった「BLESS」を披露し来たる東京五輪に、さらには未来を歌う「未来世界」で新たな国立競技場、新たな時代に想いを馳せ、hyde(Vo)は「生まれ変わる前の最後の国立競技場で演奏出来てすごく光栄です。完成したかっこいい所でまたこうやってやれたらうれしいなと思います」と語っていた。

 その翌年である2015年9月には大阪の舞洲にある人工島・夢洲の野外特設会場で『L’Arc~en~Ciel LIVE 2015 L’ArCASINO』を開催。夢洲で音楽コンサートを開催するのはL’Arc~en~Cielが史上初で、大阪府と大阪市が誘致を進めているカジノを含む統合型リゾートの建設候補地でもあるこの場所で、その近未来を一足早く実現するかのように会場内にフードエリアや「REAL CASINO in L’ArCASINO」、「逆DIVE TO BLUE」(逆バンジージャンプ)、といった数々のアトラクションが展開され、アトラクション参加者には『L’ArCASINO』仕様の紙幣とチップ「ラル札」、「L’ArCHIP」が配布された。ライブでは客席後方から伸びる花道を、リムジンに乗ったメンバーが「ラル札」をばら撒きながら登場し、セットリストでも「Wind of Gold」を19年ぶり、「It’s the end」を16年ぶり、「ROUTE 666」を15年ぶりに披露し、ファンは歓喜した。

 2016年は彼らにとって結成25周年のアニバーサリーイヤーであったが、アニバーサリーライブは1年後の2017年4月に東京ドームで『L’Arc~en~Ciel LIVE 2017 25th L’Anniversary LIVE』として開催。約8年10カ月ぶりの東京ドーム公演ということもあり、チケットに60万人の申し込みがあったという。セットリストはシングル曲が中心ではあったものの、25周年に伴った様々なミッションが用意され、そのひとつとして「25th L’Anniversary LIVEで聴きたい曲を集めよ!」と題して聴きたい楽曲のリクエストを募集。その投票結果を受けて「Voice」と「風の行方」が披露された。hydeは「始めた頃は夢だけはありました。あと根拠のない自信ね(笑)」と25年前のことを振り返り、過去と現在と未来を繋ぐように「NEO UNIVERSE」を演奏。さらに “未来を恐れず自分を信じて自らの手で運命を掴み取れ”というメッセージを送るように新曲「Don’t be Afraid」を初披露した。

 そして、まだ記憶に新しい昨年の12月にはバンド初となるクリスマスライブ『L’Arc~en~Ciel LIVE 2018 L’ArChristmas』を東京ドームで開催。メインステージにはクリスマスツリーを模したセットや、サンタクロースに扮したダンサーが登場するなどクリスマスならではの演出を見せてくれた。「winter fall」から始まる冬仕様のセットリストで、前述した『25th L’Anniversary LIVE』の際に募ったリクエストの上位から“冬”をテーマにした楽曲を中心にセレクト。その結果「雪の足跡」は10年ぶり、「I Wish」「Dearest Love」は21年ぶり、「静かの海で」に至っては22年ぶりに披露されることとなり、hyde曰く“マニア向け”の貴重なライブとなった。

 こうして足早に振り返ってみると、L’Arc~en~Cielのライブが単なるライブではなくひとつのエンターテインメントとして成立していることがわかるだろう。「L’ed」の導入や「L’ポンチョ」でのプロジェクションマッピングでファンと一緒にライブを作り上げることはもちろん、アトラクションや楽曲のリクエストも、全てはスタジアムやドームクラスの大きな会場でもファンが楽しめるようにと様々な工夫がなされているのだ。それは彼らがファンのことを大切に思い、ファンと触れ合えるライブを大事にしているからということにほかならない。

 2017年の『25th L’Anniversary LIVE』の初日、25年を振り返りながらhydeは「この25年、順風満帆に見えるかもしれないけれど、山あり谷ありでした。スタッフ、メンバー、みんなが努力して、なんとかここに来れたんじゃないかと思います。でも、君たちの力がなかったら、ここに立つことは出来ませんでした。L’edバンドのひとつひとつの輝きに君たちの想いが溢れていました。君たちの想いはそのL’ed以上に、ここから見る景色はその輝き以上に美しかったです」と語り、「あなた」でライブを締めくくった。

 会場を包む無数のL’edの光を〈明日へと照らし続けてるあの星のように〉と歌い、さらに〈胸にいつの日にも輝くあなたがいるから〉と歌ったあの瞬間こそL’Arc~en~Cielがファンのことを想っているのを実感した瞬間であると同時に、同様の歌詞を合唱するファンの胸にもL’Arc~en~Cielがいて、彼らのことを思っているのを実感した瞬間でもあった。

 こんなに早く会えると思っていなかったというのが正直なところではあるが、hyde、ken、tetsuya、yukihiroという天然記念物のような4人がモンスターバンド・L’Arc~en~Cielとして一堂に会し、8年ぶりとなるツアーでどんなライブを見せてくれるのか、今から楽しみでならない。平成と共に時代を駆け抜けたバンドの、令和初お目見えまでのカウントダウンはすでに始まっている。(オザキケイト)

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