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『HiGH&LOW』は知れば知るほど楽しくなる! 繰り返し観たくなる4つのポイント

リアルサウンド

20/4/6(月) 8:00

 映画『HiGH&LOW』シリーズの4作品(『HiGH&LOW THE MOVIE』『HiGH&LOW THE RED RAIN』『HiGH&LOW THE MOVIE 2/END OF SKY』『HiGH&LOW THE MOVIE 3/FINAL MISSION』)がYouTubeで期間限定配信中である。

参考:『HiGH&LOW THE WORST』を取り巻く「熱」の正体

 この『HiGH&LOW』シリーズは2015年に日テレ系深夜帯のドラマ『HiGH&LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D.~』としてスタートし、2016年にそのドラマのシーズン2が放送の後、映画第1作となる『HiGH&LOW THE MOVIE』が2016年の10月に公開された。

 プロジェクトがスタートしてからすでに6年目に突入したというのに、現在でも、『HiGH&LOW』については、ファンの間では毎日のように話題にあがり、またそんなファンに導かれ、新たにファンになる人も後を絶たない。今でも色あせないこの映画特有の魅力はどこにあるのだろうか。配信を機に4作を観直してみた。

■細部までこだわり抜かれた映像
 まず目に入ったのが、どこを切っても絵になる映像であった。今では当たり前のように受け止められているが、『HiGH&LOW THE MOVIE』のオープニングの無名街が爆破されたシーン、炎に包まれたその無名街の中でゆっくり振り返るスモーキー(窪田正孝)、海外マフィアの李(V.I)と睨みあう琥珀(AKIRA)、赤い無数の傘を上から捉えた達磨一家のコントラストの強い映像などなど、そのひとつひとつが完璧な絵画のようだった。

 これは、細部までこだわりぬいた美術、演じている俳優たちの魅力、そして監督の久保茂昭のセンスによるものだろう。

■5つのチームごとの世界観
 『HiGH&LOW』には、山王連合会・White Rascals・鬼邪高校・RUDE BOYS・達磨一家、5つのチームの頭文字をとった「SWORD地区」というものが存在する。それらのチームには、それぞれのテーマ曲があり、ロゴがあり、世界がある。その世界には、チームごとのミュージックビデオのように、それぞれに色合いや質感などの違った映像世界が存在して、それがひとつにまとまって映画になっている。こうした作り方は、数々のミュージックビデオを手掛けてきた久保ならではの世界で、ほかの人にはできないことだろう。

 アーティストのファンにとって、ミュージックビデオというものは、何度も観たくなるものだ。ひとつの映画の中に、さまざまなチームがあり、さまざまな映像表現があるということも『HiGH&LOW』が今になっても色あせず、何度も観られる作品となった理由として大きいと感じた。

■何度でも観たいアクションシーン
 『HiGH&LOW』を語るとき、アクションも欠かせないもののひとつだ。このシリーズのアクション監督を務めるのは、映画『るろうに剣心』シリーズなどにも参加している大内貴仁だ。

 そのアクションも、SWORDのチームごとに色合いが違っている。RUDE BOYSは、無名街の工業地帯というその立地と、パルクールを駆使したスピード感のあるアクションを見せたかと思えば、九龍グループの九鬼源治(小林直己)や‎劉龍人(早乙女太一)は、刀や短剣を使い、熱い感情とは逆のクールで血も涙もない感覚が見える。また、琥珀と九十九(青柳翔)、コブラ(岩田剛典)、ヤマト(鈴木伸之)といったかつての仲間同士が戦うシーンでは、なんとか琥珀の目を覚まさせたいという熱い思いが、身体と身体の激しいぶつかりあいから伝わってくる。

 毎回おなじみの、広い場所を使っての、大人数で乱闘するシーンのカメラワークなども、映画を重ねる度に、さまざまなアイデアが出てきて、グレードが上がってきているのを感じるが、あらためてシリーズ1作目のコンテナ街の戦いをみても、その迫力はすごかったのだとわかる。アクションのカメラワークだけでも、何度も観たくさせる魅力がある。

■『HiGH&LOW』をきっかけに飛躍する俳優たち
 また、俳優たちの魅力もこの映画には欠かせない。2015年、2016年のスタート当時から、若手俳優の代表格として活躍していた窪田正孝や林遣都を起用していたほか、本作に出演した後に、めきめきと頭角を現した山田裕貴や清原翔など、この作品から羽ばたく俳優は多いし、これからもそんな俳優が次々と現れるだろう。また、活躍目覚ましい青柳翔、町田啓太、鈴木伸之など、劇団EXILEの面々の活躍も目覚ましい。

 LDHに所属のアーティストたちも、シリーズを追うごとに、新たなキャラクターとして登場するのも魅力だ。『HiGH&LOW THE MOVIE 2』から登場したのは、三代目J SOUL BROTHERSのNAOTO演じるジェシーや、小林直己の九鬼源治、GENERATIONSの関口メンディー演じるジェシーの仲間のフォーだ。後発で登場するキャラクターたちは、後発なだけにインパクトあるキャラクター表現やセリフ使いを極めていたりするのも興味深い。

 また、もともとEXILE TRIBEや劇団EXILEのファンや、このシリーズをきっかけにファンになった人たちからすると、登場人物たちのリアルな関係性とキャラクターの関係性を重ねてこのシリーズを観ることもできるだろう。筆者も後になってシリーズを観返してみたところ、同じ三代目に所属する登坂演じる雨宮広斗とELLY演じるICE、岩田演じるコブラとNAOTO演じるジェシーが戦い合う姿にはしびれるものがあったし、大学の同級生であり、候補生として共に踊った間柄でもある町田啓太演じるノボルと、関口メンディー演じるフォーがアクションシーンで一対一の死闘を繰り広げる姿には、その背景を思わず想像してしまう熱さがあった。

 『HiGH&LOW THE MOVIE 2』からは、映画界の重鎮である、津川雅彦、岸谷五朗、加藤雅也、笹野高史、高嶋政宏が登場。また『HiGH&LOW THE RED RAIN』では、斎藤工の胸を借りた。若手からベテランまでを包括し、このシリーズは日本映画界にとっても重要な作品となりつつあるのではないか。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

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