Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

日向坂46 佐々木美玲センター、小坂菜緒の涙、影山優佳復帰……「アザトカワイイ」フォーメーションのドラマを読む

リアルサウンド

20/8/16(日) 6:00

 日向坂46が9月23日にリリースする1stアルバム(タイトル未定)のリード曲「アザトカワイイ」のフォーメーションが、8月9日放送の『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)にて発表された。

 今作は22人の全員選抜。3列目の9人には新3期生の山口陽世、森本茉莉、髙橋未来虹、さらに2年ぶりに活動を復帰した影山優佳が並ぶ。アルバムへの助走になったのは、本来“18人”で開催されるはずだったアリーナツアーを、22人でのオンラインライブ『HINATAZAKA46 Live Online, YES!with YOU!~“22人”の音楽隊と風変わりな仲間たち~』として再現したことが大きい。影山が学業のため活動を休止したのは、けやき坂46のアルバム『走り出す瞬間』リリース直前で、彼女はそのツアーに参加することはなく、日向坂46名義でライブに参加するのは今回が初であった。新3期生を含めた4人が3列目から日向坂46としての新たな輝きを放つことだろう。

 2列目は8人。上村ひなのが初の2列目に位置している。一人だけの3期生として、加入当初から不安を隠せずにいた上村であったが、昨年9月にさいたまスーパーアリーナで開催された『3rd シングル発売記念ワンマンライブ』を機に大きく成長。ソロ曲「一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない」でのクールな立ち振る舞い、『日向坂で会いましょう』における予想の斜め上をいく天才的な発想で、グループの中でも唯一無二のポジションを確立している。

 そしてフロントは5名。センターには『走り出す瞬間』のリード曲「期待していない自分」以来、約2年ぶりに佐々木美玲がそのポジションに選ばれた。佐々木は、前作の4thシングル『ソンナコトナイヨ』で3列目、上手の端だった。「みんなの背中を見て、みんなかっこいいな。って思うことがたくさんありました」「だからこそ、そんな誇らしいメンバーのセンターに立つということはいつも以上にちゃんとしないとなって気持ちになります」と佐々木はブログに今の心境を綴っている。どんなポジションにも役割があり、日向坂46というグループは互いが互いを支えあっている。そのことを人一倍理解している佐々木が、2年目の今、日向坂46のセンターに再び立つことには意義がある。

 それは2019年という日向坂46の激動の1年目に先頭を走ってきた小坂菜緒という存在があったからだ。デビューシングル『キュン』から『ソンナコトナイヨ』まで4作連続センターのポジションを務めてきた小坂。ドキュメンタリー映画『3年目のデビュー』で描かれているように、そこには自己肯定ができない性格からの不安と孤立、疲弊があった。

 『日向坂で会いましょう』で見せた大粒の涙には、センターという重圧、鎖からの解放、安心感が滲み出ている。その一方で小坂の心の励みになっていたのは、メンバー一人ひとりの頼もしいパフォーマンス。“センター不在”とされた今年2月の横浜アリーナでのライブ『日向坂46×DASADA LIVE&FASHION SHOW』を振り返り、小坂はブログに「メンバーに助けられて、笑顔になって。その姿は本当逞しかった」と記し、切磋琢磨する中でさらなる高みを目指す日向坂46の今のムードを伝えている。

 また、小坂もブログで触れている通りに、「期待していない自分」で佐々木の背中を見ていた彼女が、2年の時を経て、今度は横に並びセンターを支える側につくことも物語性のあるポイントだ。もともと、クラスに馴染めず生き方に悩んでいた小坂は、けやき坂46に憧れグループに加入した。「1番初めに「お疲れ様、よく頑張ったよ」って言ってくださいました。あの、暖かみのある優しい声で」「いつも支えていただいてた分、今度は、私が支えたいです。もっと仲良くなれるチャンスかも…!」と今後に期待を込め、小坂は言葉を続けている。

 2年目の日向坂46がリリースする1stアルバム。そこには、新たな物語と景色が広がっている。日向坂46、第2章の幕開けだ。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む