佐藤健の人気がとどまることを知らない。

　今年1月に放送された火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』（TBS系）で、“魔王“の異名を持つドS医師を演じた佐藤健。“勇者“ことヒロイン役の上白石萌音に対する、愛情がチラ見えする「ばーか」、「これは治療だ」のキスなど、厳しくも甘いツンデレ指導に多くの視聴者が悶絶した。

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　また、ドラマのある火曜日になると「げんき？」「今夜こいつづのダイジェスト放送なんやね」「一緒に見よう」「20時くらいにSUGARする」「電話出てね、じゃまた明日、おやすみ」……など、まるで彼氏のような距離感で送られてくる公式LINEメッセージも話題を呼び、ファン層を広げていった。

　ドラマの放送が終了した後も、通話アプリSUGARやYouTubeなどを活用し、様々な角度から“今”の顔を惜しげなく見せていった佐藤健。そして、ついに過去の写真集まで重版が決定することになった。

　2016年9月12日にリリースされた、俳優生活10周年のアニバーサリー写真集＋DVDブック『Ｘ(ten)』は、彼がいつか行きたい場所として熱望していた南米・ウユニ塩湖で撮影されたもの。

　約4年前に発売された写真集にも関わらず、オリコン週間BOOKランキングで4月27日付けで9位にランクイン。5月4日、11日付けで6位、そして5月18日付けで4位へとランクアップしていくなど、異例の売上を記録している。

　今よりも髪が短く、時折少年のような無邪気な笑顔を浮かべるものの、クールな眼差しは当時から見られる。インタビューでは、ウユニ塩湖に対して想像していた通りの絶景だと話す佐藤健。観光地には写真や映像のほうがむしろ美しく収められていることもあるが、ウユニ塩湖はそのギャップがなく、「またいつか来たいと思う」と感動を言葉にしていく。そのイメージを実体が裏切らないさまは、佐藤健という人も同じ。彼の出演した作品然り、この写真集然り、いつだってその期待以上の体験で魅了してくれる。

　さらに子どものころから冷静な考えを持っていた過去のこと、友人から少し変わっていると言われる現在のこと、そして見据える未来のこと……佐藤健が俳優として大きな節目を迎えたとき、何を考えていたのかがギュッと詰まったインタビューは、ファン必見だ。

　そして、美しい写真たちがどのように撮影されたのかがわかるDVDの映像は、まさに圧巻。空と地上の境目がわからない幻想的な世界が広がる。塩でできたホテルの床を踏みしめる足の音。思っていたよりも冷たいという塩湖の水の音、そして多くの人で賑わう街の音……佐藤健の行きたかった場所を一緒に旅しているような感覚になる。

　佐藤健の人生を振り返る上で、決して忘れられない景色を共有するというエンターテインメントが、この写真集＋DVDブックにはある。