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ジェジュン、SEVENTEEN、TWICEチャートイン 最新アルバムに映る“Jの法則”と“Kの法則”

リアルサウンド

19/10/5(土) 7:00

参考:2019年10月7日付週間アルバムランキング(2019年9月23日~9月29日/https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2019-10-07/)

(関連:ジェジュン、ドリカムの名曲「未来予想図II」をどうカバーする?

 先週9.7万枚で初登場1位となったPerfumeのベストが、今週も1.8万枚セールス、すでに累計売上11.5万枚を突破したことがわかった今回のアルバムチャート。さとみ(すとぷりのメンバーソロ)からThe Beatlesまで新旧世代が入り乱れていますが、上位を占めるは韓国を中心としたアジア勢です。1位がジェジュン『Love Covers』(6.3万枚)、3位がTWICE『Feel Special:8th Mini Album』(4.8万枚)、5位がSEVENTEEN『An Ode:SEVENTEEN Vol.3』(2.3万枚)となっています。

 とは言っても、厳密にいえば今のジェジュンはJ-POPの枠。東方神起、JYJのメンバーとして活動していた彼は、2017年以降ソロアーティストとして日本を拠点に活動しています。もともとポップスもR&Bもダンスナンバーもイケるマルチなアーティストですが、今回の『Love Covers』はJ-POPのラブソングに焦点を絞ったカバー集。中島美嘉の「愛してる」、DREAMS COME TRUEの「未来予想図II」、宇多田ヒカルの「First Love」、尾崎豊の「Forget-me-not」など、世代を超えた王道バラードが並びます。意外性を感じるのは浜田雅功と槇原敬之の「チキンライス」(作詞・松本人志)くらいで、親しまれた名曲を美しい声で熱唱する正攻法の作品といえるでしょう。

 聴いていて気になるのは“リズム不要論”ともいうべきアレンジ。ピアノ一台で静かに始まり、サビで豪華ストリングス投入という展開が多いのですね。原曲がそういうアレンジである場合も多く、メロディと声の美しさをしみじみと味わうにはベストなのかもしれませんが、鮮烈なビートを浴びるような曲は皆無。これがジェジュンの考えるJ-POPスタンダードってことなのでしょうか。バラードではないバキバキのダンスナンバーを集め、さらにアグレッシブに料理、そんなカバー集も今後聴いてみたい気がします。

 TWICEやSEVENTEENを聴いていると、やはり耳を惹き付けられるのはビートの鮮やかさ。「韓流」という言葉を過去のものにし、世界を相手にアジアンポップカルチャーをプレゼンしている今のK-POPシーンでは、リズムに対する意識の高さがモノを言います。TWICEの新作に収録された「Reinbow」や「Get Loud」は歌メロ以外ほとんどリズムだけで構築されている曲。高音域から低音域までさまざまなビートが絡み合って高揚が生まれる一曲で、「TTダンス」の頃のキュートなイメージをさらに更新していくカッコよさです。

 若きグループSEVENTEENも成長著しい限り。アルバムにはメロウなR&Bやアーバンなダンスチューン、アグレッシブなラップまで多彩な楽曲が揃っていますが、一曲目「HIT」を聴けば、やはりリズムが格段に際立っていることがわかります。実際のビート使いもそうですが、言葉がわからなくても一発で踊りだしたくなる“リズムとしての機能”を歌が担っているし、次々と背景が変わっていくような展開のスピードもあるから、3~4分とは思えないスリルを味わえるわけです。

 “歌をメインに、言葉やメロディの美しさを耳で味わう”のがJの法則、“まずリズムが先、身体を直撃して本能ごとアゲていく”のがKの法則。例外もあるので一概には言えませんが、少なくとも今回の3アーティストからはそんな違いが見えてくるのでした。(石井恵梨子)

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