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aiko「カブトムシ」、King Gnu 井口とのデュエット効果でバイラルチャート急上昇 ラジオが生んだ度重なる熱狂

リアルサウンド

20/3/31(火) 12:00

参考:https://spotifycharts.com/viral/jp/weekly/latest

(関連:aiko『カブトムシ』MV

 Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top 50チャート」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたプレイリスト。同チャートを1週間分集計した数値の今週分(3月26日公開:3月19日~3月25日集計分)のTOP10は以下の通り。

1位:Uru「あなたがいることで」
2位:YOASOBI「夜に駆ける」
3位:Rin音「snow jam」
4位:ALKALOID/天城 一彩(CV.梶原 岳人)、白鳥 藍良(CV.天﨑 滉平)、礼瀬 マヨイ(CV.重松 千晴)、風早 巽(CV.中澤 まさとも)「Kiss of Life」
5位:Official髭男dism「I LOVE…」
6位:Crazy:B/天城 燐音(CV.阿座上 洋平)、HiMERU(CV.笠間 淳)、桜河 こはく(CV.海渡 翼)、椎名 ニキ(CV.山口 智広)「Crazy Roulette」
7位:aiko「カブトムシ」
8位:恋ステバンド「Lilac」「テレパシー」
9位:ACE COLLECTION「70億にただ1つの奇跡」
10位:(K)NoW_NAME「Welcome トゥ 混沌」

 ドラマ『テセウスの船』最終回効果もあってか、Uru「あなたがいることで」が1位にランクアップ。そのほかも前週から引き続いてのTOP10入りが目立つが、今回は7位にランクインしたaiko「カブトムシ」について書いていきたい。

 「カブトムシ」は、1999年にaikoが4thシングルとしてリリースし、彼女の名を世に知らしめた楽曲。ではなぜ、このタイミングで「カブトムシ」が突如バイラルチャートを駆け上ったのか。その熱狂の大元は、2月20日に放送されたラジオ番組『King Gnu井口理のオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)に遡る。

 King Gnuのフロントマンである井口理が、大ファンであるaikoへの愛を伝えるべく、手作りのシュークリームまで用意して彼女を迎えたこの日の放送。最終的には井口がaikoへ「カブトムシ」を歌う流れになるが、そこにaiko本人も加わり、井口の素晴らしいハモりも炸裂した“”伝説回”に。SNSを中心に大盛り上がりとなったほか、radikoの再生数もうなぎ上りだったという。

 だが、この日の反響がすぐにSpotifyのバイラルチャートに現れることはなかった。なぜなら、aikoの楽曲はこの時点でストリーミングサービスに配信されていなかったからだ。

 その約1週間後となる2月26日に、aikoは全楽曲をストリーミングサービスで配信開始した。この辺りはタイミングの妙と言えるが、上記の『ANN0』のタイミングで解禁されていれば、もっと早くにチャートを駆け上ったに違いない。

 そうして機を逸したかと思われた同楽曲だが、さらなる盛り上がりのタイミングが訪れる。それは、3月5日に放送されたラジオ番組『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)だ。岡村は先日の『ANN0』で井口とaikoが“いい感じ”だったことに嫉妬し、aikoをゲストに招くと、様々なコーナーのあとに「『カブトムシ』歌いたいねん」と告白し、またしてもデュエットへ。しかしそこに井口が乱入し、またしても「カブトムシ」を歌唱。この模様もSNSを中心に反響を呼んだ。

 そして、今回のチャート入りの直接的な要因となったのは、3月23日に放送された『菅田将暉のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)でのこと。3月12日には『King Gnu井口理のオールナイトニッポン0(ZERO)』でポルノグラフィティの岡野昭仁と「アゲハ蝶」を熱唱した井口が、この日はかねてから親交のある菅田の番組で、BUMP OF CHICKENの「天体観測」を熱唱。この歌唱が話題になるのと合わせ、aikoとの「カブトムシ」歌唱が再び話題となり、このタイミングではストリーミングサービスに配信されていた「カブトムシ」の再生数が急増し、見事ランクイン、というわけだ。

 ラジオやテレビ番組で、特殊なコラボや歌唱形態が話題になることは少なくないが、その際にダウンロード販売が伸びるのではなく、それと合わせてストリーミングサービスが盛り上がり、バイラルチャートに食い込んでくるというのは、今の時代ならではの現象といえるだろう。

 違法アップロードされた音源や映像ではなく、このようにオフィシャルな配信サービスの音源で、電波での盛り上がりをしっかりアーティストに還元できる流れを利用し、新譜旧譜問わず、より作り手や曲の素晴らしさが伝わりやすい環境になれば幸いだ。(中村拓海)

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