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『ひみつ×戦士 ファントミラージュ!』、『キッチン戦隊クックルン』……ストーリーと楽曲双方を楽しめる実写戦隊番組

リアルサウンド

20/2/9(日) 8:00

 怪物や悪の組織から人間を守ってくれる正義の味方が主役の特撮ヒーロー番組。長年、「ウルトラマンシリーズ」「仮面ライダーシリーズ」「スーパー戦隊シリーズ」の3大特撮ヒーローが人気を博しているが、子供たちに限らず、大人になってからその魅力にハマる人たちも多い。2019年1月には、特撮作品をこよなく愛するOLを描いた丹羽庭原作のドラマ『トクサツガガガ』(NHK総合)が放送され、“特撮オタク”であることを隠して生きる主人公の心情と行動に共感の声が集まった。

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 そんな正義の味方を主体とした戦隊モノに新たな風が吹き込んでいる。これまで物語の主人公はヒーロー、つまりは男性だった。例えばスーパー戦隊シリーズ『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(テレビ朝日系)では、メンバーの中にリュウソウピンクのアスナ(尾碕真花)も含まれているが、メインで戦うのはやはり男性キャストが演じるレッドやブルーだ。“戦う女の子”の物語は「プリキュアシリーズ」を中心としたアニメ番組で存在していたが、実写ドラマとしては80年代から90年代初期にかけて放送されていた石ノ森章太郎原作の「東映不思議コメディーシリーズ」以降、『美少女戦士セーラームーン』の実写版などはあったものの、見かけることは少なかった。しかしここ数年、女の子を主人公とした実写戦隊ものが徐々に放送されるようになり、にわかに人気を得ているのだ。

 最近特に話題となっているのは、今年5月の映画化も発表されている『ひみつ×戦士 ファントミラージュ!』(テレビ東京系)、通称・ファントミだ。同番組は小学館の少女漫画誌「ちゃお」「ぷっちぐみ」とおもちゃメーカーのタカラトミーが共同で企画した、『アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!』、『魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!』に続くガールズ×戦士シリーズ第3弾。番組の総監督は、映画『悪の教典』や『ラプラスの魔女』でメガホンを取った三池崇史が担当し、本格的な特撮テレビドラマとなっている。ストーリーは、秘密の怪盗・ファントミラージュに選ばれた4人の女の子たちが、ボスであるファンディー(関口メンディー)から命令を受けて、対立する組織・逆逆警察によって人間に悪事を働く「イケナイヤー」にされてしまった人から「イケナイ心」を頂戴するというもの。マスコットキャラのくまちぃの声に本田翼、主人公・桜衣ココミ(菱田未渚美)の父親役に斎藤工、ファンディーの兄であるファングリに小栗旬(日本を代表する俳優・大栗純としても登場)が抜擢されるなど、キャストも豪華な俳優陣が名を連ねている。

 そして、『ファントミ』で何よりも注目したいのが、mirage²が歌うテーマソングだ。mirage²は桜衣ココミ役の菱田未渚美、明日海サキ役の山口綺羅、紫月ヨツバ役の原田都愛、紅羽セイラ役の石井蘭で構成された次世代ガールズグループだが、彼女たちの本格的な歌声とダンスは幅広い層から支持を得ている。実は、菱田・山口・原田の3名は2018年に行われたLDH JAPAN主催『THE GIRLS AUDITION』の俳優・モデル部門で見事合格したメンバー。合格後はLDHが展開しているEXPG STUDIOのダンススクールに所属し、先に同スクールの生徒だった石井と同じく、厳しいレッスンをくぐり抜けてきた。そのため、『ファントミ』で現在オンエア中のエンディングテーマ「咲いて²」では可愛らしさを残しつつも、キレの良いダンスと伸びやかな歌声で大人顔負けのパフォーマンスを見せている。同曲はBillboard JAPANで発表された2020年2月3日~2月5日のCDシングル売上レポートでは、見事第2位に。なんと初動3日間で13,990枚を売り上げる人気ぶりだ。

 また、『ファントミ』のオープニングテーマ「チュワパネ!」を歌うのは、ガールズ×戦士シリーズ3作品の中で結成されてきたmiracle²、magical²、mirage²のメンバーから新たに選出された9人組ガールズパフォーマンスグループ・Girls²。先月YouTubeで公開された「チュワパネ!」のリリックビデオは2月7日時点で48万回以上再生されており、こちらも『ファントミ』視聴者は大人も子供もが、思わず口ずさんでしまう中毒性のある楽曲となっている。

 また、NHK Eテレで月曜日から金曜日まで、毎日午後5時45分から放送されている『ゴー!ゴー!キッチン戦隊クックルン』も特撮ではないが、男女問わず人気の実写戦隊モノだ。同番組は2013年から2年間放送されていた『すすめ!キッチン戦隊クックルン』の後継番組で、現在は4代目の“クックルン”たちが出演している。アクション等はなく、悪の軍団“ダークイーターズ”から攻撃を受ける場面はショートアニメで放送された後、実写でクックルンのメンバーであるアユ(川瀬翠子)、コムギ(垂水文音)、フキノスケ(森田拳)が料理の仕方を紹介。出来上がった料理のパワーで敵を倒すという流れになっており、ストーリーを楽しみながら食育が学べると好評だ。同番組でも、オープニングテーマ「アーユーレディ?キッチン戦隊クックルン」を歌って踊るのは3人のキャストたち。振り付けはシンプルで、曲の長さも1分に満たないため、テレビを観ている子供たちもすぐに覚えて一緒に踊ることができる。

 今回紹介した『ひみつ×戦士 ファントミラージュ!』や『ゴー!ゴー!キッチン戦隊クックルン』のように、ストーリーと楽曲の両方をより楽しめるのが新しい実写戦隊モノ。まだまだ番組の数自体は少ないが、『ファントミ』映画化の流れを受けて、これからどんどん人気を増す予感がする。(苫とり子)

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