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Powfu「death bed (feat. beabadoobee)」、なぜ世界を股にかけたヒットに? 良曲を広めるためのロールモデルとなるか

リアルサウンド

20/2/25(火) 6:00

(参考:https://spotifycharts.com/viral/jp/weekly/latest)

 Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top 50チャート」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたプレイリスト。同チャートを1週間分集計した数値の今週分(2月20日公開:2月13日~2月19日集計分)のTOP10は以下の通り。

1位:Official髭男dism「I LOVE…」
2位:Powfu「death bed (feat. beabadoobee)」
3位:ECHOLL「もう二度と」
4位:YOASOBI「夜に駆ける」
5位:相沢「ベノム」
6位:KERENMI「ROOFTOPS feat. 藤原聡」
7位:Zico「Any song」
8位:LiSA「紅蓮華」
9位:King Gnu「どろん」
10位:ECHOLL「風と星」

 前週に続きECHOLLとOfficial髭男dismの勢いが止まらないが、今回は2位に急浮上したPowfu「death bed (feat. beabadoobee)」について書いていきたい。

(関連:ZICO「Any song」は2020年を代表する1曲となるか? 日本でのSpotifyバイラルチャート急上昇を受けて

 Powfuはバンクーバー出身のカナダ人アーティスト。2017年2月に最初の曲「Pocket Change」をSoundCloudにリリースして以来、同プラットフォーム上で多くの再生数を獲得してきたアーティスト。その音楽性はいわゆる“Lo-Fi Hip Hop”で、彼自身はパンクバンド上がりではあるものの、次第にラップミュージックに傾倒していき、2018年にはアニメ絵のジャケット+Hip Hopという“Lo-Fi Hip Hop的=Chilledcow的”な楽曲を作るようになり、自身のSNSでは『新世紀エヴァンゲリオン』や『聲の形』といったアニメをモチーフにした作品の発表も目立つようになってきた。

 そんな彼にとって、最大のヒットソングが今回急上昇となった「death bed (feat. beabadoobee)」だ。SoundCloudでは2019年初頭にリリースされ、現在時点で810万回再生を突破。YouTubeでも「Promoting Sounds」や「FutureHype」といったサブミッションメディアから配信され、前者では3000万回に迫ろうという再生数に。ほかにもTikTokで40万本の動画が作られる(日本ではなぜかFortniteのキル集で使用されているのを散見した)などのバイラルヒットとなったが、同曲で使用されているbeabadoobeeの「Coffee」に関する許諾の問題から、ストリーミングサービスでの配信は控えられてきた。

 そこから時間を置いて、2月8日にストリーミングサービスでリリースされると、一気に世界中のプレイリストがピックアップ。「Pop Rising」や「New Music Friday」、「Today’s Top Hits」など大きいプレイリストにも入り、グローバルのバイラルチャートでも次第に順位を伸ばし、いまやTOP5内にランクインしている。

 無名の新人アーティストがここまで世界を股にかけたヒットを叩き出す、というのは滅多にない痛快さがあるが、これもSoundCloudやサブミッションメディアの活用、SNSでの拡散など、時間をかけて土台を作ってきたからこそ。日本で全く同じ事例を作ることが可能なのかはわからないが、良い楽曲を広めるためのロールモデルとして、参考にする価値は大いにあるだろう。(中村拓海)

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