健康で規則的な生活を送っている。先月「健康に気を遣いすぎると、ちょっと崩れてしまったとき、負荷になってキツい。オーガニックなものを選んで食べてる人が、不意にジャンクなものを食べて体調崩すみたいな」なんてことを話したが、気付けばしっかり健康生活を送っている。自分でもビビるくらいに。

今までも体調管理はしていたが、今はコロナ渦という社会情勢が反映され、よりシビアな体調管理になって意図せずして普段の何倍も制限をかけている形。

今は舞台の稽古を乗り越えて本番期間真っ只中。以前なら稽古終わりにお酒を飲みに行くのが当たり前だった。とにかく稽古期間中は共演者とずっと一緒にいて、稽古場での稽古期間が終われば稽古打ち上げをしたり。みんなで改めて食事をしてお酒を飲んで「本番頑張りましょう～」と言った具合だったが、今は当然それがない。「寂しいよね」とは現場でよく言い合うし「行きたいですよね」とは僕も何回言ったかわからない。けど、行けない、から、行かない。

飲み会も飯会もない舞台の期間中は他の仕事が入らなければなければ規則正しい生活が送りやすい。8時頃には起きて稽古や本番に行って終われば直帰。夜は0時、遅くとも1時には寝て睡眠もしっかり。

食事はひたすらに自炊。朝は家で食べて、昼は稽古の合間に持って行ったものを食べて、夜は帰ってきてから作って食べて。稽古がなくてラジオだけの日はラジオ終わりでそのままジムに行ったり何かしらの用事を済ませたり。つまりはとても健康なワケで。

しかし僕はこの生活に少し違和感を覚えている。違う人生を生きているのかなとたまに怖くなることもある。

こんなに規則的で健康的な暮らしを送れていることに気持ち良さも感じつつの違和感というかなんというか。勝手にもう少し歳を重ねてからのものだとイメージしていたんだと思う。そしてこんな日々を繰り返していると以前の生活に戻れるのか、以前みたいなペースで人と外でご飯食べたり交流できるのかと。

人生の目算というか、なんとなくこう流れるのるかなというボンヤリとした予想が外れ、この段階で落ち着いちゃうと残りの人生もずっと落ち着いてしまうのではないかと。そんなわけないのに、ふと怖くなる。

今の自分は、睡眠時間も取れてるし空いた時間はトレーニングをしている。字面で見ると素晴らしいんだろうけど、なんか健康的過ぎる気がしてしまって。自分これ40代でやる予定だったんだけどな～という思いがほんのりある。40歳過ぎたらみんな健康の話しだすと先輩方からよく聞いていたので。

例年よりも「健康第一」を強く願って想っているのでそれはいいんだけど、こんなにも「良い」の状態に疑念を持っていることが変だなあと思う今日この頃。そんな中でも自分の身体と向き合うのが楽しくなって来ているので次回はそんな話を。それでは。

次回の更新は3月10日（水）です。自分の体と向き合うのが楽しいという稲葉さん。さてその理由とは？お楽しみに！

プロフィール

稲葉友（いなばゆう）

1993年1月12日生まれ、神奈川県出身。
2010年、ドラマ『クローン ベイビー』(TBS)で俳優デビュー後、ドラマ、映画、舞台と幅広く活動。
主な出演作に、ドラマ『仮面ライダードライブ』(‘14～’15 EX)、『MARS～ただ、君を愛してる～』(’16 NTV)、『ひぐらしのなく頃に』(’16 BSスカパー!)、『レンタル救世主』(’16 NTV)、『将棋めし』(’17 CX)、映画『ワンダフルワールドエンド』(’15)、『HiGH&LOW』シリーズ、『N.Y.マックスマン』(’18)、『私の人生なのに』(’18)、舞台『すべての四月のために』(’17)、映画『春待つ僕ら』(’19)『この道』(’19)など。
J-WAVE『ALL GOOD FRIDAY』(毎週金曜11:30～16:00生放送)ではレギュラーパーソナリティ―を務める。

撮影／奥田耕平、取材／藤坂美樹、構成／中尾巴、ヘアメイク／速水昭仁、スタイリング／添田和宏
衣装協力／カーディガン各37,000、Tシャツ¥24,000、パンツ¥67,000、シューズ¥23,000／すべてアポクリファ（サカス PR TEL:03-6447-2762）
ネックレス¥27,000、リング¥22,000／ともにシンゴクズノ（シアン PR TEL:03-6662-5525）
その他スタイリスト私物
※すべて税抜き価格