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【検証】『銀魂』『エヴァ』など今観直しておきたいアニメ、全話観たら何時間かかる?

リアルサウンド

20/12/20(日) 10:00

 今年はアニメ映画が盛り上がりを見せた1年だった。テレビ放送でも『半妖の夜叉姫』のような少し前の人気作品の続編や、『おジャ魔女どれみ』に『セーラームーン』といった劇場版最新作が公開するものも少なくない。

 子供の頃、毎週月曜日の夜7時にはテレビの前で「I am」を熱唱していた。劇場版も欠かさず観に行っていた。そんな『犬夜叉』のオリジナル続編アニメを15年ぶりに観るのだから、気合を入れるために筆者は改めて『犬夜叉』シリーズを全て一気に観返した。劇場版や続編などが公開されるとなると、アニメの復習をしたくなるのがやはり人の性。年末年始のお休みで時間があるからこそ、思わずトライしたくなる一気観だが、果たして各作品トータルで何時間、何日かかるのか。年末年始に劇場版が公開される作品にターゲットを絞って、この途方もない検証をしたいと思う。

『ポケモン』:『劇場版ポケットモンスター ココ』

【公式】『劇場版ポケットモンスター ココ』予告2

 出鼻をくじくようになってしまうが、『ポケモン』はやばい。1997年から現在に至るまで、23年間のその軌跡を一気観しようという考えが間違っているのかもしれない。それでもやはり人はそこに山があれば登るし、高い山であればあるほど登頂欲が掻き立てられるのではないだろうか。

 『ポケモン』シリーズはこれまで、『無印』『無印(金銀)』『アドバンスジェネレーション(AG)』『ダイヤモンド&パール(DP)』『ベストウィッシュ(BW)』『XY』『XY&Z』『サン&ムーン(SM)』と、基本的にゲームのリリースに合わせてアップデートされてきた。2019年から始まった新シリーズは『無印2』や『令和版』とされている。シリーズごとに、新しいポケモンや新しい仲間が登場するのが魅力的だが、主人公サトシの作画変化を追うのも一興。もともと10歳にしては眼光が鋭かったサトシだが、近年ゆるやかに、しかし確実にマイルドな顔に変化。特に『SM』からは完全に可愛い路線にシフトされ、本来の少年らしさを取り戻している。

 シリーズを全部一気に観るなら、健康で文化的な最低限度の生活を抜きに考えるとトータルで474.14時間、日数で換算すると20日ほどかかる。ただ、忘れてはいけないのが“劇場版”の存在だ。

 『ポケモン』シリーズはこれまで、22作の劇場版(と短編映画)を発表している。記念すべき23作目『劇場版ポケットモンスター ココ』を観る上で、こちらも欠かさずにチェックするとトータルで32.68時間、日数に換算すると2日ほど必要だ。つまり、アニメと合わせて22日。恐ろしい。

『銀魂』:映画『銀魂 THE FINAL』

映画『銀魂 THE FINAL』本予告編

 原作漫画では何度も最終回詐欺が行われた『銀魂』。そのたびにアニメで謝罪会見が行われるのも、もうファンとしては慣れっこの恒例行事となっていた。

 アニメは2006年から2020年12月23日まで放送。初期の頃は漫画に合わせて1話ごとに完結するギャグスタイルで、時々アニメオリジナルストーリーも登場した。また、何話かまたいで放送される長篇シリーズも原作通りの流れで展開される。アニメシリーズ自体は第4期の2018年8月で最終章の虚篇が終わり、2年後の世界に突入するもそこで放送終了。その後の原作ラストまでを描いたのが映画『銀魂 THE FINAL』というわけだ。ちなみに2020年10月より放映されていた『銀魂 よりぬき銀さんポロリ篇』は、これまで放送されたアニメの人気回の再放送である。

 つまり、銀魂をアニメで楽しんでいたファンにとって『THE FINAL』を鑑賞する上でこれまでのシリーズを振り返ることは必須! 健康的で文化的な最低限度の生活を抜きに考えるとずばり、トータルで125.36時間、日数換算すると6日ほど必要だ。

『セーラームーン』:劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』

劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」《前編》予告映像60秒

 1992年から1997年にかけて毎週土曜の夜に放送されていた、『美少女戦隊セーラームーン』。武内直子による原作漫画のダークな部分が子供受けするようマイルドになったアニメシリーズは、国内はもちろん海外のアニメファンからも絶大な支持を受けている。

 当時、80年代以降少年向けのアニメ制作が活発に行われ、1990年代初頭も『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』『キン肉マン』や『Dr.スランプ アラレちゃん』といった少年誌漫画のアニメ化が盛んだった。しかし、1992年に登場した『セーラームーン』が大ブームとなり、その後少女向けのアニメが人気を博すように。まさに時代の転換の役割を担ったアニメで、美少女戦隊というコンセプト、つまり5〜6人でのチーム編成や、女の子が普段隠しているパワーを使った悪との戦闘も、これ以降のアニメに広く見られるようになった。

 さて、そんな『セーラームーン』の人気が再び上がるきっかけとなったのが、2014年〜2016年に放送された新シリーズ『Crystal』。これは前述の90年代版のリメイクではなく、あくまで再び武内直子の原作をアニメ化しなおしたものだ。当時のものがコメディタッチだったのに対し、本作はよりコミックに忠実にシリアスな展開である。そして、2021年1月8日と2月11日の前後編に分かれて公開される劇場版『Eternal』は、その続編となっている。

 なので、『Eternal』を観るだけなら『Crystal』シリーズだけの復習でもいいかもしれない。それだとトータルで14.95時間だけ、つまり1日で観ることができてしまう。お茶の子さいさいだ。しかし、どうせなら90年代版との違いも比較して楽しみたいところ。全アニメを網羅するのであれば、141.77時間、日数で言うと6日が必要だ。もちろん、健康的で文化的な最低限度の生活を送らない前提だけど。

『新世紀エヴァンゲリオン』:『シン・エヴァンゲリオン劇場版』

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』特報3【公式】

 90年代に人気を博したアニメといえば、『新世紀エヴァンゲリオン』のことを語らずして始まらない。庵野秀明が1993年に発表し、それ以降日本だけでなく世界的なアニメシーンに多大な影響を与えた作品だ。約27年間、ファンや批評家によってあらゆる考察がされてきた本シリーズがついに2021年1月23日公開の『シン・エヴァンゲリオン』を以て幕を閉じる。

 ここまで長きにわたって愛されてきたシリーズだ。一見さんお断りの雰囲気があるが、実は意外と作品数が少ないので入りやすさもある。アニメシリーズは26話で終わり、その後は旧劇場版と新劇場版が続く。ここでややこしいのが、旧劇場版。リドリー・スコットの『ブレードランナー』のようにいくつもバージョンがあるように見えるが、新作映画に併せて世界観を理解しておきたいのであれば『DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に』が総集編になっているので、これを観ておけば間違いない。

 対して新劇場版は旧劇場版の再構築であり、シンジやアスカなどの主要キャラクターの性格にも違いがある。『シン・エヴァンゲリオン』はその新劇場版第4作にあたるが、これを以てエヴァンゲリオンが終わってしまうなら、いっそのことアニメ版から全部一気観して臨みたいところではないだろうか。その場合、トータルで17.65時間、日数でいえば1日で見切れるのだ。これなら健康的で文化的な最低限度の生活も送れそうなので、私自身是非試したいと思う。

 いつだって、劇場版が公開されると気にはなる。気にはなるけど、「前作観てないしなあ」「いつか観ようと思っていたのになあ」と、足を運びづらい。公開から数年後、ようやくマラソンを完走して劇場版にも到達し、1人盛り上がっても周りは「え? 今さら?」みたいな顔をして全然乗ってきてくれない。そんな、いつもトレンドに乗れない残念さを今年こそは解消したいという、そこのあなた。ステイホームでアニメ三昧な年末年始を一緒に過ごそう。

■アナイス(ANAIS)
映画ライター。幼少期はQueenを聞きながら化石掘りをして過ごした、恐竜とポップカルチャーをこよなく愛するナードなミックス。レビューやコラム、インタビュー記事を執筆。サンタさんから欲しいものはPRIME1STUDIOのディロフォサウルスのスタチュー。InstagramTwitter

■公開情報
『銀魂 THE FINAL』
2021年1月8日(金)公開
監督・脚本:宮脇千鶴
監修:藤田陽一
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)空知英秋/劇場版銀魂製作委員会
公式サイト:gintamamovie.jp
公式Twitter:@gintamamovie

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