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TAKAHIRO×市原隼人×岡田義徳が語る、『3人の信⻑』で体現した三者三様の演技論

リアルサウンド

19/9/25(水) 8:00

  TAKAHIRO、市原隼人、岡田義徳の3人が「織田信長」として共演する映画『3人の信⻑』が公開中だ。

 本作は、「我こそが信⻑」と主張する3人の信⻑と、主を討たれ復讐心に燃える元今川軍の侍たちとの攻防を描いた時代劇エンターテインメント。TAKAHIRO演じる信長・甲は、最も頭がキレるかぶき者、市原演じる信長・乙は貫禄はあるが、ときどき天然、そして、岡田演じる信⻑・丙はうつけ者だがまったく心の内が読めない人物と、それぞれ異なる信長像を演じ、元今川軍の蒲原氏徳(髙嶋政宏)らを翻弄する。監督は、『ラストマネー -愛の値段-』(NHK総合)や『タンブリング』(TBS系)、映画『HiGH&LOW』シリーズなどの脚本を手がけてきた渡辺啓監督がメガホンを取る。

 TAKAHIRO、市原、岡田の3人に、島根での撮影やそれぞれの信長の演じ方などについて話を聞いた。

■TAKAHIRO「大ファンのお二方の胸を借りた」

ーー3人で信長を演じるということで、オファーをもらった時はどう感じましたか?

市原隼人(以下、市原):まず、3人で同じ役を演じるというのはなかなかない機会だと思いましたし、衣装も髪型も一緒なので、現場に入ったらそれがどういう形になっていくのか楽しみでした。「誰が本物の信長なのか?」というサスペンスもあり、笑えるようなテンポの良さもあり、ひとつひとつのセリフの伏線や目線が最後のほうに効いてくる。台本もすごく面白く、自分の演技次第でいろいろな信長になれる役だと思ったので、自分ができることを模索しながらやっていこうと思いました。そして、お二人と共演させていただくのがすごく楽しみで、現場に入って早くセリフの掛け合いをやりたいという思いでいっぱいでした。

TAKAHIRO:僕は初めての時代劇挑戦で、話をいただいた時はすごく緊張したんですが、言葉遣いやセリフ回しは現代劇に近いところもあり、コメディ要素も多いので、楽しそうだなと。このお二方は百戦錬磨で、いつもTV越しに見ている人たちでしたので、それもまた緊張の要素の一つだったんです(笑)。大ファンのお二方の胸を借りて、自分はいろんなことを学ばせてもらいながらご一緒できればなと思っていました。

岡田義徳(以下、岡田):企画としても面白いですし、話をいただいた時は嬉しかったです。TAKAHIROさんとは初めてだし、隼人くんもすごく昔に一緒の映画に出たことはあるんですが、がっつり一緒にやるのは初めてでした。

ーー渡辺啓監督とはどんな話を?

TAKAHIRO:渡辺さんも今回初監督作品で、僕は同じLDH JAPAN所属なんですが、初めて一緒にお仕事させていただきました。僕としては、お二方ほどの演技の経験もなく、どういった信長を演じていけばいいか、1人でプランニングできるわけではなかったので、監督にはいろいろ相談させていただいて。「かぶき者」というのが僕の演じる信長の性格なので、僕の中のそういう部分を精一杯出そうと思いました。監督の頭の中では作風がしっかり描かれていたと思うので、撮影中も相談しながら臨みやっていましたね。

ーー時代劇でありながら、言葉使いや音楽の使い方、映像の撮り方は現代的な印象でした。あらためて、どんな作品になりましたか?

市原:どう感じるかは観ていただいた方それぞれだと思うのですが、いろんな方に楽しんでもらえる作品になったのではないかなと思います。血だらけで殺陣をしているシーンも、僕らがお客様より楽しんでいるんじゃないかと思うくらい笑いながら撮った掛け合いのシーンもあって。拷問のシーンでは僕ら以外のキャストの方もいきいきとしていらっしゃいました……。本当にキャラの運動会でした(笑)。

ーー高嶋政宏さんの拷問のシーンは狂気を感じたりもしましたが……(笑)。

TAKAHIRO:あれはもうドキュメントです(笑)。

ーー現場では高嶋さんとはどんな話を?

岡田:ほぼ、“変態論”でした。

一同:(笑)。

TAKAHIRO:ただやっぱり、お芝居はもちろん、現場での立ち居振る舞いや佇まいは大御所の方ならではの迫力がありました。映画自体にも貫禄が増すというか。大先輩なんですが、気さくな面もあってとても魅力的な方でした。ご一緒できて光栄でした。

■市原「遊び場を提供していただいた」

ーー今回は島根に泊まり込んでの撮影だったんですよね。作品としても、みなさんのリレーションシップが芝居においても大事になってくるのかなと。

市原:そうですね。島根では四六時中一緒でした。

TAKAHIRO:現場が終わってサウナに行っても会うし、お風呂に行っても会うし(笑)。撮影もタイトな期間だったので、特に意識せずとも自然と信頼関係ができ上がっていった部分はあったかなと思います。朝から晩までずっと一緒だったので密にコミュニケーションをとることができました。後半に一度だけ一緒に食事に行く時間がとれたのですが、その頃にはすでにかなり仕上がった仲だったので(笑)。現場でお話をする中で、お互いの人柄や人となりを知れて、僕ら3人のみならずキャスト・スタッフ全体のチームワークにつながったと思います。

ーーその3人のいい雰囲気が演技やセリフの掛け合いにも出ていますね。印象的だったシーンはありますか?

岡田:やっぱり虫を食べるシーンかな?

TAKAHIRO:そうですね。何でもないシーンですけど、芋虫シーンはすごく楽しみでした(笑)。

岡田:隼人の「目があった」って秀逸だなぁと(笑)。

市原:僕たち信長3人に遊び場を提供していただいたという感じでした。そこでお客さまをもてなしたり、他のキャストをお出迎えするような気持ちで過ごしていました。

■岡田「どう壊すか、どう新しい風を入れるか」

ーー3人の信長もそれぞれキャラクターが違いますが、芝居において意識したところは?

岡田:僕は「つかみどころがない」という信長だったので、みんなと同じ方向を向かないとか、2人に疑問符を抱かせるという部分を意識してお芝居に挑んでいたところはありますね。リズムをちょっとずらしたり違和感が生まれるようなことを試しながら。この2人が作ってくれる空気があるので、それをどう壊すか、どう新しい風を入れるかが芝居する上での楽しみになっていました。

TAKAHIRO:乙(隼人演じる信長)は一本筋が通っている男で、丙(岡田演じる信長)は飄々としていたので、僕は隙間産業じゃないですが(笑)、その真ん中を模索していましたね。みんな外見などは一緒ですがもともと持っている特性は別なので、各々が自分なりの信長を演じることで、違うものになっていくのかなと。全体のテンポを考えて、出るとこは出て、引くとこは引き、自分ひとりで役作りを努力するというよりも、この2人に引っ張られていったところはあったのかなと今振り返ると思いますね。

市原:僕は、3人でいる時には自分を崩さず信念を貫き、1人になった時に違う空間が作れたらいいのかなと思っていました。自分の素性を話すシーンがあって、1人だからこそ見せる弱さや繊細な部分を醸し出せたらと。そこがフェイクなのか本当なのかは、是非劇場で確かめていただきたいです。あとは、命がけの嘘つき合戦だからこそ、リアリティ感を求めて向き合っていました。

ーーこれまで様々な映画やドラマなどで織田信長にまつわる物語が作られてきましたが、演じたからこそ気づいた信長の魅力はありますか?

岡田:もちろん今や誰も実際には会ったことのない歴史上の人物で、いろんな説がありますよね。本当はどんな人物だったかわからないからこそ、それを考えさせる魅力を持った人だと思いました。下から這い上がってきた人ですし、だからこそいろんな顔を持っていて、人を大事にしたり、つらい経験を乗り越えて天下統一をしようとしたエネルギーを持った人なのかなと。

TAKAHIRO:教科書や作品を通してしか知らない部分がたくさんあって、信長という一人の男が戦国時代を生きたことは事実で。彼の周りには大勢の人がいて、信長のために命をかける人もいて、信長自身も天下統一のために戦国時代を生き抜いた。この作品を通して、そういった信長の人生のひとかけらを演じさせていただいて光栄に思います。短い人生を世に捧げられる心意気は到底真似できないですし、男としてはすごく憧れますね。

市原:戦国時代を生き抜いて天下統一をしたという強者で強い心意気を持ちながら、信長は猫嫌い・相撲好き・新しいもの好き・うつけ者でもあります。民を哀れんだり、自分より位の低い者の立場にも立てる人で、僕はその人間臭さがすごく好きです。(取材・文=若田悠希)

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