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糸井重里が見るイチローとは? 「日本人として究極のカリスマ」

ぴあ

20/2/27(木) 0:00

糸井重里

日本人初のメジャーリーガー外野手として、メジャー1年目でMVPと新人王を同時受賞、2004年にはシーズン最多262安打を記録、10年連続で200安打など、数々の偉業を成し遂げたイチロー(鈴木一朗)氏。昨年の3月、45歳で現役引退を発表されたが、野球に対する愛情や、イチロー氏ならではの野球哲学など、プロ野球選手として世界に与えた感動や影響は計り知れない。それと同時に、その発言や行動を通して“イチロー”というキャラクターでも、わたしたちを楽しませてくれた。そんなイチロー氏から感銘や感動を受けたこと、感じたことを語っていただく「わたしとイチロー」という企画で、糸井重里さんにインタビューを行った。

糸井さんは、2004年に“イチロー×糸井重里”『キャッチボール ICHIRO MEETS YOU』というBSデジタル民放5局共同特別番組でイチロー氏と共演し、インタビュアーとしてイチロー氏に向き合っている。番組を書籍化した際に、そこで発せられたイチロー氏ならではの哲学を感じる“言葉だけ”を抜粋し「語録」として掲載した。それがきっかけとなり、のちのイチロー語録『イチロー 262のメッセージ』シリーズの書籍化へとつながった。

イチロー氏とはそんな関係を持つ糸井さんだが、インタビューの冒頭、「糸井さんは、イチローさんを楽しみましたか?」という質問を投げかけると、ニコニコしながら「いい質問だね~!!」と返答。

「イチローさんって、野球の技術に対してむやみにお金を払われてしまった人だと思うんです。最盛期には年俸が20億円近くまで上がった。これって、どれくらいの金額か、誰にも実感できないですよね。つまり、既存の社会評価の外側に飛び出てしまったわけです」

そうイチロー氏を分析する糸井さん。イチロー氏は、一般的なプロ野球選手とは次元の違う価値観の中に置かれた人であるという定義だ。スポーツの中でも、日本のプロ野球には“日本のプロ野球ならでは”の独特の価値も面白さもある。それも超えて、アスリートとして海を越えて、ここまでスターになったイチロー氏を、ひとつのコンテンツとして捉えるというのは、糸井さんらしい。

また、「カリスマには自分のイメージを裏切って欲しくない。それが庶民の願いです」とも。「イチローさんの場合、日本人として究極のカリスマになっちゃったので、本人が『困ったな』と思ったり、『失敗した』と思ったことでさえ、メディアは肯定しながら伝えてくれるようになっちゃう。“イチローならではの失敗”というような解釈をするようになるわけです。イチローさんは、ずっと自分のカリスマとしての商品価値を裏切らないように、ずっとふるまってきている。これって、すごいことです」と続け、イチロー氏の一挙一動に今現在もなお注目が集まる所以も語った。

野球談議をしながら、「イチローさんの言葉と神秘力の関係が興味深い」「遊び心はイチローさんのアイデンティティ」と語る糸井重里さん。インタビューのロング版は2回に渡り、ぴあ(アプリ)内の特集「わたしとイチロー」に掲載される。

文:ぴあ
撮影:平岩享

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著者:『永遠に刻みたい イチロー262のメッセージ』編集委員会
定価:1,000円+税

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