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【re:START】キーパーソンInterview

“いきり立つストレイテナー”が久々に見れる!? ホリエアツシが語る初配信ライブの見どころ【後編】

特別連載

13-2

20/8/28(金)

9月5日(土)、ストレイテナーにとって初の配信ライブとなる「TITLE COMEBACK SHOW」を開催する。このライブタイトルからピンとくる人もいると思うが、今回のライブは今年リリースから15周年を迎える、2ndアルバム『TITLE』の再現ライブとなる。コロナ禍でこれまでのようなライブができない状況だが、だからこそスペシャルな企画で楽しんでもらいたいという、ストレイテナーの心意気が伺えるライブである。

インタビュー後半は、15年を経たアルバム『TITLE』への思い、そして「TITLECOMEBACK SHOW」の見どころなどをフロントマン・ホリエアツシに話を聞いた。

2ndアルバム『TITLE』を振り返って今、改めて思うこと

── 改めて15年前のアルバム『TITLE』についてお聞きします。当時は大山さん加入前の、ホリエさん、ナカヤマさん、日向さん3人編成時代でしたが、振り返ってみてご自身ではどんな作品と捉えていますか。

歳を重ねていくと、その時々で没頭している音楽性だったりとかそういうものがあって。実験的な作品だったり楽曲というのも作ってきたし、過去に自分たちが作ってきたものをフィードバックさせる曲の作り方も今だったらできるんですけど。この『TITLE』の頃って、なんていうか猪突猛進みたいな。目の前のことをがむしゃらに掘ってるアルバムだったと思うので。そのときの、できる限りのことを出し尽くしているなというアルバムで。だから、いちばん凝縮されているというか。このときこれしかできなかったんだなというのが、露わになっているアルバムだなと思いますね。ジャンル性だったり、時代性だったり、世代だったり、そういうものが全面に出ているから、他のどの作品ともちがうなという。

── SNSでもそういうことを書いていましたね。当時のジャンルが細分化して、インディペンデントなシーンも盛り上がっていったなかで、ストレイテナーというオルタナティヴな存在感はすごくあったと思います。

あとはその前の1stアルバム『LOST WORLD’S ANTHOLOGY』が、まだシンペイとふたり時代に作った曲の中に、ひなっちのベースを突っ込んだという作り方だったんですけど。『TITLE』からは「RIMINDER」が最初だと思うんですけど、3人でゼロから作ったという曲ばかりだから。そこで自分も水を得た魚じゃないですけど、今まで縛られていたものを取っ払って、自由に動き回れるぞっていう感覚があって。だからこそ敷居が上がったというか。それまでずっとパワーコードで1曲押し切っていたようなアレンジから(笑)。アルペジオを入れてみたり鍵盤を入れてみたりできはじめたのも、『TITLE』からなんじゃないかな。

── バンドがもう一度スタートした感覚ですね。それをファンの方が大事な作品としてずっと聴いてくれたり、好きでいてくれるっていうのは嬉しいことですね。

そうですね。とはいえ、当時からずっとファンでいてくれる人たちばかりではなくて、新しくファンになった人たちにとっても多分、入りやすいアルバムなのかなっていう。後輩のバンドからも、“『TITLE』聴いてました”っていうのは散々言われましたしね。

── そのときに一生懸命できることをやったアルバムだったからこそ、こうして振り返ったときに大事な作品になっているんですね。

でも、自分たちとしてはその当時は全然手応えがなかったんですよ(笑)。同世代のいろんなバンドたちはジャンル性とか、そのバンドのカラーというものを持った人たちが周りにたくさんいたから。このアルバムで確固たる地位を築いたみたいな実感はなかったし、ライブでのリアクションも思ったほど大きくなかったというか、その頃はまだまだで。もっともっとという気持ちだったので。まだ、お客さんついてこれてないなって思っていたんですけどね。後々、ストレイテナーというバンドを表す上で大きなものを残せていたのかなと思いました。

『TITLE』とどう向き合うのか? 気持ちのリンクが鍵

── 収録曲の多くは、今日に至るまで長く演奏されている曲も多い『TITLE』ですが、あまり演奏してない曲というのもありますね。

「AMAZING STORIES」は、当時の『TITLE』のツアーくらいでしかやってないかな……他にライブでやった記憶がないくらいですね。やりながらも多分、首を傾げていたと思うので、その頃は(笑)。

── この曲をどう扱おうかという(笑)?

その当時はひたすら暴れて、体の限界までライブをするという感じだったから、ああいう気の抜けた曲をライブでやっていた記憶がないんですよ。

── となると、今回10数年ぶりの披露ですね。ストレイテナーはツアーやそのときのモードで、既存曲のアレンジを変えていたりしますよね。今回の場合っていうのはどうなるんでしょう。

今回は、どうしたって当時とちがって4人になっているし、4人になってからライブでやってきている曲もあるので、そういう曲は今のバージョン、アレンジで。全然やっていない曲についてはある程度原曲通りを意識すると思います。まだリハーサルに入っていないので。プリプロのときに軽くアレンジの打ち合わせというか、こういう感じにしようよっていう話だけはさらっとやっているんですけど。全曲を通してやったときにどんなモードになるかというのは、またこれからですね。

── 新鮮な作業になりそうですね。

気持ちもやっぱり、今とこの頃との気持ちは全然ちがうから。そこがリンクできたら、もっと面白いのかなっていうのはありますね。今なんだけど、今じゃない。『TITLE』を作った頃、『TITLE』のパフォーマンスに引っ張られるようなライブになったら面白いなって、自分でも思ってますね。

── ちなみに、こういうふうに過去のアルバムを聴き直すことってあるんですか。

たまに聴きますね。大体、自分でもびっくりするくらいよかったりするんです(笑)。

── それはやっぱり、その当時には戻れないし、今はできないものが詰まっているから。

そうです。今は、ここまでは積み重ねがあって、その上に立っているものだから、なんでもできるというのはあるんですけど。でも実際に、できないんだろうなっていうか。こういう音作りもできないし、歌い方とかもできないし、なんでこんなアレンジにしたんだろう? なんでこんなメロディにいってるんだろう?っていうのはあるんです。聴き直すと新鮮で。

── メンバー内でもそういう話っていうのは出てますか。

そうですね。“え、今何やってた?”っていうのがあるんですよ。あとは音源ではやってない、ライブでしかやっていなかったアレンジの方を覚えていて、改めて音源聴いたときに、あれやってなかったんだっていう。ライブでしかやっていなかったアレンジだったというのもありますね。

── お客さんも、ライブで体感してるものの方を覚えているというのもあるかもしれないですね。だからこそ、今回は楽しみでありますが。実際に、この配信ライブの発表をしたときの反響っていうのは、どうでしたか。

反響は大きかったのかな。最初、SNS上でシンペイが作った短い動画だけをあげたんです。だから文字要素とか詳細はまったくなしで、動画だけを上げたから何なんだろうという話題にはなったと思いますね。

── ストレイテナーはこの状況でどうアクションしていくんだろうというのは、きっとみんな注視していたと思いますよ。

はい。ここにきてやるからには、かっこいいなって言わせたいですよね。

── こうして初の配信ライブが決定しましたが、ストレイテナーとしては現時点での“ライブ”というものの考え方はどういうものですか。

現時点では、早く元どおりになってほしいというのが率直な思いですね。ライブができなくなっていちばん思うのが、ぼくらは幸せなことライブでいろんな場所に行けて、電車や飛行機やいろんな乗り物に乗って遠くに行けて、地方や街ごとに景色も変わるし空気も変わるし……それが当たり前だった。それができないというところにすごく打ちのめされているんですよね。なので、配信で東京からというのではなくて、またいろんな場所でライブができるようになればいいなと。希望だけは持ちつつ、この先のツアーのプランとかも考えているんですけど。

── それくらいあちこちに出かけて、その土地土地でそのときにしかないものを作るっていうのは格別なものだったんだなっていう気持ちになりますね。

そうですね。

今回の配信ライブはいきり立っていた頃のストレイテナーが久しぶりに見れる!?

── これから先、今までのようなライブの形が実現できることはいちばんですが。例えば今回の配信ライブでは、なかなか今までライブには行けなかったけど、観てみようということもできますね。そういうことではバンドを知るきっかけのひとつにもなるかなとも思います。

たしかにそうですね。体力的にとか距離的にライブに来れなかった人たちもいると思うので、すべての人に平等にライブを届ける機会ではありますね。あとは15年前のような、いきり立っていた頃のストレイテナーが久しぶりに見れるっていうのもある(笑)。もちろん、見たことがないという人が大半だろうから、こんなだったんだというのを見せられる機会だなと思いますね。

── 今になってみれば、当時の自分の尖っていた部分がわかる?

そうですね。じつは映像作品として残っているのが、『TITLE』を出して次の『Dear Deadman』を出す間のタイミングでやったZEPP TOKYOでのワンマンが初めてなんです(ライブDVD『BLACK STAR LUSTER』)。だから、『TITLE』だけのツアーの映像はなくて。その頃も、今日も撮ってくれた(橋本)塁くんがずっとライブを撮ってくれていたりして、写真集だけあるんですけど。まあ、いきり立ったライブをやってる写真集なんですよ(笑)。

── それは何に対してのものだったんですかね。

今みたいにファンに対する感謝の気持ちとか、そういう温かみに溢れたライブではなかったので(笑)。シーンとの戦いみたいな……ロックシーンとの戦いみたいな気持ちだったと思うんですね。

── これをわかれよ!みたいな。

そう。わかれよって言っても、ライブを観にきてくれてるんだからわかってくれてる人たちなんですけどね(笑)。

── それでも斜に構えながらやってた。

それがかっこいいと思っていたんでしょうね、それがロックだって思っていたし。

── その感じまでたどり着こうというのが、今回のライブですね(笑)。

そういうものに引っ張られるのが面白いかなって思いますね。このときに書いた歌詞とかも、今になって自分のなかで意味が変わっていたりとかするんです。今では乗り越えてきたもの──おそらく15年前に大きく立ちはだかっていた壁だったりとか、全然抜け出せないものを歌詞の世界観からヒシヒシと感じるんですね。今は、それを乗り越えたり、抜けてきたという気持ちでも感動できるというか。感情を動かされるので。その頃なりに故郷をイメージした曲(『EVERGREEN』)だったりとか、優しさだけがあればいいんだっていうメッセージを歌にしていたり(『TENDER』)とかするんです。でもその頃に故郷に抱いていた思いとか、人に求めていた優しさとか、今こうして人生経験を積んで音楽を続けてこられた自分が描いているものとは全然ちがうんだろうなと。そこはちょっと気恥ずかしさもありながらも、どうリンクしていくのか楽しみだなって思ってます。

Text:吉羽さおり Photo:橋本塁

ストレイテナー「TITLE」再現ライブ「TITLE COMEBACK SHOW」uP!!!独占配信

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<配信日時>
2020年9月5日(土) OPEN 20:00 / START 21:00 (予定)
視聴チケットのご購入者を対象とした期間限定の事後配信を予定。
※期間限定事後配信: 9月5日(土)初回配信直後~9月14日(月)12:00(予定)
<販売期間>
事前割引視聴チケット: 8月17日(月)12:00~9月4日(金)23:59
視聴チケット:9月5日(土)0:00~9月14日(月)10:00
<料金>
事前割引視聴チケット:2,800円(税込) (税抜:2,545円)
視聴チケット:3,300円(税込) (税抜:3,000円)
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