Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

『キングダム』の縁が繋いだ幻の侍映画 山崎賢人が『狂武蔵』で叶えた坂口拓の9年間

リアルサウンド

20/8/21(金) 19:00

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、子供の頃にすぐ傘を剣にして侍ごっこをしていた大和田が『狂武蔵』をプッシュします。

『狂武蔵』

 1604(慶長9)年、宮本武蔵(坂口拓)に道場破りをされた名門吉岡道場は、既にこれまで2度の決闘で師範清十郎とその弟・伝七郎を失っていた。面目を潰された一門は、まだ幼い9歳の清十郎の嫡男・ 又七郎との決闘を仕込み、一門全員で武蔵を襲う計略を練る。一門100人に加え、金で雇った他流派300人が決闘場のまわりに身を潜めていたが、突如現れた武蔵が襲いかかり、武蔵1人対吉岡一門400人の死闘が始まる。

 アクション映画『RE:BORN』で主演を務め、常に日本のアクションシーンを牽引し続ける坂口拓が9年前に撮影し、日の目を見ぬまま眠っていた幻の侍映画がついに公開を迎えた。メガホンを取ったのは、『GANTZ』『キングダム』シリーズのアクション監督を務めた下村勇ニ。9年前に77分ワンシーン・ワンカットで撮影されたシーンでは、坂口がたった独りで400人の相手を斬り捨てるというアクションに挑んでいる。

 坂口が400人(実際は588人)の侍を斬ったこのシーンは、9年前の2011年に撮影されたもの。本来は、アクションマンが実際に役者を狙って刀を振ることは、怪我に繋がる。しかし、坂口は「『相手に対して思いやり、リスペクト、怪我をさせない。』この3つを守れば、僕は映画の中で殺し合いをしてもいいと思っている」と明かしており、1年かけて、「顔や目、喉、頭、体、好きなところを狙って来い」という練習をさせたという。

 『キングダム』でも坂口とタッグを組んでいる下村監督は、同作で「彼(坂口)は、本気でかかって来られないと受けないんですよ。スタントマン達には、『彼を殺してもいいから本気でかかれ』と指示を出した」と語っており、坂口と本気でぶつかって作り上げることで、『RE:BORN』『キングダム』『狂武蔵』に共通するアクションシーンに感じた熱の正体を明かしている。

 『狂武蔵』の本シーンでは、撮影開始5分で実際に指が折れ、肋骨も折れ、奥歯も砕け、死をも覚悟したという坂口。武蔵としての生き様が、物語の核となる77分の死闘シーンに刻まれている。

 この幻の作品を世に出す立役者の一人となったのが、『キングダム』でラスボス・左慈役を演じた坂口が対峙した、信役の山崎賢人。山崎は本作で、武蔵に親友・吉岡清十郎を討たれたことにより深く悲しみ、その仇討ちに燃える武士・忠助を演じている。

 山崎は『キングダム』の舞台挨拶で、撮影時に坂口から「ガチでどんと来いよ」と言われ、「本当に主人公なのに死んじゃうんじゃないかなってくらい(笑)。それくらい本気の戦いをやれたのは本当にデカかった」と語っている。『狂武蔵』でも坂口から「“闘う”こと」を学んだといい、『キングダム』以来となる山崎と坂口が剣を交える姿は必見だ。

 2日間の追撮を経て、クランクアップを迎えた当時のことを、下村監督は「最後のカットを撮る時に異様な緊張感があった」と話している。下村監督が9年間の全てがクランクアップを迎える瞬間に見たのは、坂口拓やスタッフの表情、そして撮影を終えても、瞬きもしたくないという想いで坂口の行動を見ていた山崎の姿だったという。坂口拓、下村勇二監督、山崎賢人が本作で突き詰めたアクションへの熱を感じてほしい。

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

■公開情報
『狂武蔵』
公開中
出演:TAK∴(坂口拓)、山崎賢人、斎藤洋介、樋浦勉
監督:下村勇二
原案協力:園子温
配給:アルバトロス・フィルム
企画・制作: WiiBER、U’DEN FLAME WORKS、株式会社アーティット 
2020年/91分/16:9/5.1ch
(c)2020 CRAZY SAMURAI MUSASHI Film Partners
公式サイト:https://wiiber.com/

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む