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juJoe平井拓郎の小説「さよなら、バンドアパート」発売、2022年春には映画化

ナタリー

平井拓郎著「さよなら、バンドアパート」表紙

ロックバンド・juJoeの平井拓郎(Vo, G)による中編小説「さよなら、バンドアパート」が明日7月16日に刊行される。

この小説はミュージシャンの夢を追って上京した男の波乱万丈な物語。平井のnoteでは第1章が公開されている。また同作品の発売にあたって、三島想平(cinema staff、peelingwards)、中嶋イッキュウ(tricot、ジェニーハイ)、小野武正(KEYTALK、Alaska Jam)、カザマタカフミ(3markets[ ])、シンガーソングライターの草野華余子、イラストレーターのしおひがり、シノダ(ヒトリエ)がコメントを発表している。

なお2022年春には本作を原作とした映画が劇場公開される予定。cinema staff、KEYTALKのメンバーが本人役で出演する。

「さよなら、バンドアパート」刊行に寄せて

三島想平(cinema staff、peelingwards)

あまりにもリアルなフィクションだ。
川嶋にかつての自分を重ね、恥ずかしさと悔しさで胸を締め付けられた。
そして、何度も心が洗われた。同時にこれからの自分を肯定してもらっているような気がしたのだ。
ちなみに僕はレコーディングの合間にこの作品を読ませてもらい、自分がありがたいことに未だ生業にさせてもらっている「音楽」というものが、どれだけ儚く、曖昧で、そして尊いものであるかを改めて考える機会になった。
「それでも人生は続く。青春と呼ばれる時間よりも、何倍も長いエピローグをひっさげて」
こんな言葉を同い年の男に書かれてしまったら、まだやるしかない。

中嶋イッキュウ(tricot、ジェニーハイ)

詩的で知的で心地良い表現の中で描かれる主人公の人生はとても美しい歌のよう。

小野武正(KEYTALK、Alaska Jam)

10代から20代にかけて一回は抱くであろう感情を堅実に文字に落とし込んでいて読み進める度に改めて思い出させてくれる初期衝動やむず痒くなる一面、そして昨今の音楽ビジネスに於ける葛藤が主人公川嶋を通して表現されていて面白い作品でした。
昔ながらな泥臭いバンド活動を実際に経ないと到底表現出来ないディテールに独特な偏見と先入観が俯瞰して交錯し合う様は自分の過去を塗り替えられそうなリアルさでつい溺れてしまいそうでした。
作中には様々な言い回しで音楽と青春の延長にあるノスタルジーを表現していますが「歌って感謝されるのは、魂を素手で掴まれたようだった。」に音楽をやる所以が詰まっている気がしました。

カザマタカフミ(3markets[ ])

破壊につぐ破壊。人生の破壊録。
燃え尽きても灰すら残らない自暴自棄一歩手前の男の物語。

草野華余子

気付かないうちにジワジワと心身を蝕んでゆく悪魔に背中を押され転がり落ちるのは一瞬、指先を血塗れにしながら自力で這い上がるのはさながら永遠。その渦中をこんなに痛いほどストレートに文学に落とし込んだ備忘録がかつてあっただろうか。読んでいて胸が千切れた。“人生はいつも少しだけ間に合わない”ということを誰よりも知っている、弱くて優しくて強い平井さんの描く真実の物語、是非ご堪能ください。

しおひがり

破滅寸前のアウトサイダーによる祈りの物語。昨今の音楽シーンの変革により「絶滅危惧種」とも言える愛すべきバンドマンを、ゴリゴリの現役プレイヤーである著者自身の経験を活かして痛いくらいリアルに描き出している。主人公川嶋の青春と鬱屈と葛藤。令和のコロナ禍で生まれた最新型の「ライ麦畑」。

シノダ(ヒトリエ)

アルコールと向精神薬の荒波に呑まれ、人間社会をちっともサーフ出来ないバンドマン・川嶋の用法容量を超越した半生はとてもじゃないけど正しくない。正しくないけど、美しい。 あの頃になってしまったあの頃をぶっ壊れながら駆け抜ける、たった一人のオルタナティヴ漂流記。

※記事初出時よりコメントを追加しました。

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