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Red Velvet、SUNMI……希少な個性を持つK-POP女性アーティスト ミステリアスさや視覚的な刺激が魅力に

リアルサウンド

20/1/22(水) 7:00

 多種多様なコンセプトのアーティストが存在しているK-POPシーンであるが、ミステリアスな要素に満ちたK-POPの女性アーティストの活動は少なからず目立つ。近頃は、ファンに対して親近感を抱かせるようなコンセプトが流行している一方で、固有のアーティストしか持ち得ない独特の世界観を強調し、特に同性のリスナーの憧れとしてヒットするケースも少なくない。

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 Red Velvetは昨年末に 「Psycho」をリリースした。「Psycho」はその名の通り“サイコパス”のサイコを意味する。ネガティブな印象の単語が大元のテーマであり、斬新だ。同曲は、病的な要素を感じさせるようなゴシックな雰囲気で、“お人形さん”のような高貴さも兼ねたメンバーの佇まいやパフォーマンスで魅了する一曲だ。Red Velvetは「Red Flavor」のような明るく元気な楽曲も多数ヒットしているが、その楽曲はどれも現実性は持たず常に夢で見るような光景、バーチャルな世界観という印象が強い。それでも等身大のリアルな恋の悩みを歌詞で歌う点では、ある意味アイドルとして王道であるのかもしれない。多様なコンセプトをこなすRed Velvetのあり方というのは、目まぐるしく文化が進歩する現代を反映しているようで“今っぽい”とも感じさせる。

 SUNMI(ソンミ)は昨年、「Noir」と「LALALAY」をリリースしている。代表曲「Gashina」で魅せたギャップで、セクシーと茶目っ気の並存というジャンルを確立したSUNMIであるが、新曲をリリースするたびに真新しさも感じさせている。「LALALAY」では特に奇抜なイメージが強調され、女性のセクシーなイメージを強く与える上で、どんな曲もSUNMI流にキメて外さないパワーを感じさせた。まるで次に何をしでかすかわからないようなアブなさを持ち、“お騒がせセレブ”的大物感もある。コンセプトがそのまま自身のイメージにも繋がりやすいソロアーティストとして、妖艶さが先行せず気のままに振る舞うような飾らない姿が魅力的に感じられるのは、彼女特有だろう。

 そんなRed VelvetやSUNMIのミステリアスなアーティスト性は、側から見ても目を惹きつけるものだ。“良い曲”である他に、色鮮やかなミュージックビデオをはじめとするポップな演出が視覚的にも強い刺激を与えるからであろう。また、イメージだけでは単純にどんな子かよくわからない“不思議ちゃん”であるからもっと知りたいと興味を持つことも根拠としてある。K-POPでは新曲のMVや歌詞などをリスナーが解釈することでより楽しめる仕掛けを施すケースも多いが、多くの人に届けるためには該当する演出が複雑すぎない、深読みさせすぎないことも重要だ。多少解釈を要しても、ある程度の着地点は準備していなければならない。

 そのようなミステリアスな個性を持つK-POPアイドルは実は少数派だ。それは時代と共にアイドル本人の性格やビジュアル、スキルで十分な人気を獲得できるようになったことで、コンセプトをそこまで重視しなくなったケースが増えたからではないだろうか。実際に韓国でもオーディション番組のヒットをきっかけに、成長途中である練習生にも人気が集まってきている。結果として“等身大の恋愛ソング”が一番広く受け入れられやすいという考えに至り、流行するのは自然な流れと言える。

 逆に作り込まれたコンセプトを持つアイドルは敬遠されがちになってしまう。他人が思いつかないような絶対的な個性を生み出すのに労力もかかり、それは必ずしもヒットするという保証もない。その上、アイドル本人のポテンシャルの高さも必要だ。前例のない個性を表現するためには、固定概念にとらわれず自らが打ち出すスタイルでアーティスト性を発揮しなければならないからだ。そのため、Red VelvetやSUNMIのようなアーティストのスタイルは希少であり、重宝されるべき魅力であると言えるだろう。(momotoxic)

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