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ライカの歴代パペットがドワーフ訪問!最新作のMr.リンクがこまねこと記念撮影

ナタリー

20/10/30(金) 12:15

記念撮影の様子。

スタジオライカ最新作「ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒」の撮影で使用されたパペットが、10月26日に日本のコマ撮りアニメーション制作スタジオ・ドワーフを“訪問”した。

本作は探検家のライオネルと人間の言葉を話す生きた化石“Mr.リンク”が、地球の裏側にある伝説の谷シャングリラを目指す冒険に出るさまを描くストップモーションアニメーション。「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」の脚本家クリス・バトラーが監督と脚本を担当した。

この日はMr.リンクのほか、スタジオライカの過去作「コララインとボタンの魔女 3D」「パラノーマン ブライス・ホローの謎」「ボックストロール」「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」で使用されたキャラクターのパペットも勢ぞろい。さらにドワーフによる「こまねこ」シリーズのこまちゃん、TECARAT(テカラ)が手がけた「劇場版 ごん - GON, THE LITTLE FOX -」のごんと兵十のパペットも肩を並べ、日米ストップモーションアニメのキャラが一堂に会するレアな機会となった。

ドワーフのストップモーションアニメーター・峰岸裕和は、お披露目のためにパペットの表情やポージングを微調整しながら、「面白いですよね」と貴重な試みに声を弾ませる。峰岸が初めてライカと直接関わったのは、「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」の日本公開に合わせてライカのアニメーションスーパーバイザー、ブラッド・シフが来日した際のこと。パペット展示のセッティングをドワーフが手伝うことになり、人形の扱いについてアドバイスをもらったという。峰岸は「『こういう道具で目やまぶたを動かしてください』『一番大事なのは目線です」とたたき込まれました」と振り返る。また本作でもMr.リンクたちのパペットを劇場で展示することになり、「最初にセッティングした写真をライカに送ったら『目の位置を内側にコンマ2mm寄せてほしい』と指令があったんです。直して再度写真を送ったら『最高だ』と。それぐらい彼らはキャラクターについてシビアに考えているのです。愛情がすごいですよね」と裏話を明かした。

我々の想像を絶するほど綿密なストップモーションアニメの世界。峰岸は「コンマ何mmかの調整は当然のこと。実際、Mr.リンクの目もわずかに動かしただけで全然違いました」と述べ、「中でもライカの作品は、なんでこんなに細かく動かすんだろう?というほど本当に細かい」と共感かつ尊敬の念をあらわにする。「仕事の丁寧さ、映像表現を追求する姿勢にすさまじいものを感じます。リアルさを追求するばかりでなく、アニメーションのセンスがいい」とその仕事ぶりにうなった。

さらに峰岸は「『コラライン』から『ミッシング・リンク』まで、顔の内部構造が1作品ごとに進化していて感心しました」と続ける。ライカが手がけるパペットの構造を「指の造形の美しさ……中に芯が入っているとは思えないほど細い! 髪の毛の造りもすごいです。プロポーションに合わせて衣装を作っているので緩みが少なく、アニメートするときに作業しやすくなっています」と絶賛。そして「ドワーフの人形とは基本的にはほとんど変わりません。違うところは重さですね。ドワーフの人形は重くならないよう一部に木を使って軽量化していますが、ライカの人形は内部がすべて金属でできているので重たいんです」と両スタジオを比較する。

またライカの作品の特徴を「常に動き続けていて“止め”がない。ライカ風に言うと『ドリフトする』と表現していますが、とにかく止まらずに動き続ける」と語る峰岸。CGとコマ撮りのハイブリッドによる映像技術に脱帽しながらも、「何よりライカの場合は物語として、作品としての面白さが根本にあります。技術的な部分は、正直作っている側が楽しんでいるようなところもあるので(笑)。これから先どんなことやるんだろう?という楽しみもありますし、新しいことができればストップモーションの世界もより発展していくだろうと思います」と期待を口にした。

「ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒」は11月13日より東京・新宿バルト9ほか全国で順次ロードショー。新宿バルト9では本作に登場するMr.リンク、ライオネル卿、アデリーナの3体のパペットが展示中だ。

(c)2019 SHANGRILA FILMS LLC.

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