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小川紗良、『アライブ』で気づいた“新たな生き方” 「辛いときこそ明るく振る舞う」

リアルサウンド

20/3/19(木) 6:00

 『アライブ がん専門医のカルテ』(フジテレビ系)が3月19日に最終回を迎える。本作は、腫瘍内科を舞台にした新時代のメディカル・ヒューマン・ストーリー。横浜みなと総合病院に勤務する「オンコロ先生」こと腫瘍内科医の恩田心(松下奈緒)、彼女のパートナーとなる消化器外科に移籍してきた梶山薫(木村佳乃)と患者とのやりとりを描いていく。

 そんな患者の一人である佐倉莉子を演じるのが小川紗良だ。主演を務めた映画『イノセント15』や、NHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』、ドラマ『ブラックスキャンダル』(読売テレビ・日本テレビ系)などに出演し、女優としてはもちろん、初の長編監督作『海辺の金魚』も製作中と幅広い活動を見せている小川。初の医療ドラマ出演となる本作への思いや、共演者とのやりとりなどについて話を聞いた。

参考:ほか写真はこちらから

ーーオファーをいただいた時の感想は?

小川紗良(以下、小川):医療ドラマに出るのが初めてです。がん患者という役柄ですが、がんはとても身近な病気だと思います。特に若い同世代の視聴者の方にに、役を通してその身近さを伝えられればと思っていました。多くの方から「難しい役だね」と声をかけていただいたんですが、私の中では難しい、特別な役とは考えないようにしています。なにげない日常を生きてきた莉子が、がんになってしまったという事実、がんになるまでの莉子の人生も意識しようと考えていました。

ーー視聴者からのリアクションも大きいですか?

小川:実際に若年性の乳がんを経験された方からの声をいただくことがあるんです。自分の演技が、直接届いているんだと実感することは多いです。

ーー現場の雰囲気はいかがですか?

小川:松下(奈緒)さんと木村(佳乃)さんが持っている、ポジティブな力が現場を引っ張ってくださっています。松下さんの存在は本当に大きいです。みんなを見ていらっしゃるし、みんなからも見えるーーそんな存在感を感じます。木村さんは本当に明るくて、現場に木村さんがいらっしゃると、すぐに分かります(笑)。私が緊張しているシーンでも、お2人が何気なく話しかけてくださいました。第8話以降は高畑(淳子)さん演じる民代さんと関わるシーンが増えていくんですが、高畑さんも、民代さんみたいに気さくで、温かい方です。高畑さんは、今ご自身が演じている役が、どういう状態でなんでここにいるのかということをすごく考えていらっしゃるんです。その「前提」の部分をいつも監督に相談して、私にも伝えてくださる。その芝居に真摯に向き合う姿勢は、近くで見ていてすごいなと思いました。

ーー研修医・結城涼役の清原翔さんとのやりとりはどうでしょう?

小川:第2話で、清原さん演じる結城先生が銀杏BOYZの曲をカラオケで歌うシーンがあったので、音楽の話をしたのが最初です。ご一緒するシーンで、毎回話しかけてくださるのが嬉しいです。

ーー視聴者には、お二人の恋の行方を楽しみにしている方も多いようです。

小川:私も清原さんも、台本が届く度に、「こうなるんだ!」と視聴者の皆さんと同じペースで楽しんで演じています(笑)。『アライブ』唯一の恋愛要素かなと思うので、ぜひ最後まで楽しみにしていただけたら嬉しいです。

ーー『アライブ』での撮影を通して、自身の中で得たものは?

小川:『アライブ』の患者さんのキャラクターは、みんな辛いときこそ明るく振る舞うキャラクターが多く登場します。それは、周りの人への思いやりだと思うんです。自分が苦しいからこそ、みんなの苦しみが分かる。辛い時に、辛そうにしないということが今までの役ではなかったので、『アライブ』を通して新しく気づいた振る舞い方の一つかもしれません。

ーー今後、女優としてやってみたい役はありますか?

小川:『アライブ』では患者の役でしたが、松下さんたちお医者さんチームを見ていて、「白衣、いいなあ」と思うことがあります(笑)。全く違う業種だから、役を演じることで見えるものや気持ちがあるんだろうなと近くで見ていても感じるので、そういう専門職に勤めているキャラクターを演じてみたいです。

ーー小川さんは演技だけではなく、映画監督、番組MC、文筆業など様々な活動をされています。マイペースにこれだけたくさんの活動を継続できる理由はなんだと思いますか?

小川:バカなだけです(笑)。後先を考える能力がないんです。例えば、映像を初めて作った時も、作り方も全く知らないのに「やります」って言ったり(笑)。でも、やるとなったからには全力を注いでいます。だから、一歩踏み出した後、苦労はするんですが、その踏み出す時の気軽さが大事なのかなと思います。

ーーこれまでの撮影を通してきて、『アライブ』だからこそ伝えられたものはなんだと思いますか?

小川:『アライブ』は病気と自分の人生で失いたくないものを天秤にかけて、悩むシーンが多いんですが、みんな病気だからといって簡単に諦めないんです。それがこのドラマの本質だと感じています。第9話で、民代さんが「がん患者でもやりたいことをやっていい」と言い切るシーンがあって。その言葉の力強さが、『アライブ』を物語っていると思います。 (取材・文=島田怜於)

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