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峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら

「鉄マスク風俗」と2021年

毎週連載

第110回

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。去年は新型コロナウイルスのせいで、なかなか人に会えなかったので、今年は事態が落ち着いて普通の日常に戻れたら良いなと思っています。去年、一度も行けなかった風俗ですが、ただ産業としてはあったほうが良いと思うので、早く事態が落ち着いて、なるべく風俗産業にお金を落としていきたいなって考えています。

ところでこの連載はさ、月イチくらいで編集の人と会って、編集の人から質問を受けて僕が喋って答えたことを原稿にしてもらってるんだけど、実を言うと僕はイヤイヤ喋ってんのね。編集の人が風俗の話を振ってくるからさ、がんばって話したりするんだけど、後で読むと、今回のように年始の挨拶のくだりに使われていたりするんだよ(苦笑)。誤解が生まれるからヤメてほしいんだよ、マジで。しょうがないから喋るけどさ。

ただね、去年から今年にかけての風俗産業を真面目に考えると、本当に打撃を受けてるんじゃないかと思うのは確か。そこで僕はひとつ「こういう風俗があったらメッチャ流行る」っていうアイデアがあるので、ここで紹介したいと思います。それは「鉄マスク風俗」っていう全く新しいスタイルです。

従来のデリヘルだと、ホテルに男が先に入って、その後女の人が来てくれますよね。女の人が「ピンポーン」って入ってきたところに、「どうもー」とか言って打ち解けていくんだけど、「鉄マスク風俗」は違います。「鉄マスク風俗」の場合は、女の人も男の人もお互いに鉄マスクをつけてて、おじぎしかしちゃいけないんだ。そこで声を発することがあったら、「罰金何万円」とかを払わないといけない。もちろん女の人に触った際、絶対にあえぎ声を出したりしちゃダメ。そこで少しでも「ア~ン」なんて言った場合は、店側にクレームを入れて当然なんだ。

「鉄マスク風俗なのに、声出しましたよ、女の子。話が違うじゃないですか」「すみません。今後は声出さない子にしますから」みたいな。こうやって無声の状態でいきなりコトに入っていくのが「鉄マスク風俗」です。

やっぱり性的なことって「負荷がかかるからこそ、興奮度が増す」ところがあると思うんだ。目隠しプレーが好きな人もいると思うけど、あれは視覚を奪われるから、触覚・臭覚・聴覚とかをフル活用して感度が上がって興奮するわけでしょ。やっぱり1個感覚を失うと、残りの感覚で補おうとするからね。

だから、「喋れない」「無声でないといけない」ってことで感度は絶対に増すと思うんだ。テレビだのYouTubeだのがあって「動く映像」なんてナンボでも見られる時代でも、いまだにラジオって根強い人気があるでしょ。それもたぶん「映像が見られない」っていう負荷がかかることで、ラジオからの「音」「声」がみんなの頭に入ってくるからだと思う。

こういう実証されていることと合わせて考えても、これからの風俗産業を支え、盛り上げていけるのは「鉄マスク風俗」しかないと思います。鉄マスクだから飛沫もなくて衛生的だしね。今年はそういう風俗店ができると良いなと思っています。

今年もよろしくお願いします。

構成・文:松田義人(deco)

プロフィール

峯田 和伸

1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル/ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。


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