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映像も独占公開! 『ジョーカー』監督が語る“この作品で描きたかったテーマ”

ぴあ

19/10/18(金) 12:00

『ジョーカー』 (C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C)DC Comics

公開中の映画『ジョーカー』の本編映像の一部が公開になった。ピエロの扮装で働く主人公アーサーがトラブルに巻き込まれる衝撃的なシーンで、トッド・フィリップス監督が本作に込めた想いやテーマが反映された場面だ。

このほど公開になったのはアーサーがピエロの扮装で働いている場面。どんな時も笑顔で人を楽しませようとするアーサーはコメディアンになることが夢で、看板を手に街ゆく人々に笑顔で接しているが、あるトラブルに巻き込まれてしまう。愉快で穏やかな街のひとコマから一転し、観る者の胸をしめつけるシーンだ。

映画の公開後、世界中の観客が本作に反応し、さまざまな議論が巻き起こっている。自分とアーサーに共通点を見出す観客、映画をさまざまな角度から考察したり解釈する観客、そこで描かれる衝撃的なシーンにショックを受け、同時に魅了されてしまった観客。本作は世界中で記録を塗り替えるヒットを飛ばしているが、観客ひとりひとりの多様な反応が積み重なって“熱狂”が生み出されているといっていいだろう。本作の脚本と監督を手がけたフィリップスは「この作品で描きたかったテーマのひとつは共感ですが、それ以上に重要だったのが共感の“欠如”だった」と語る。

「アーサーを取り巻く環境はいたるところで共感に欠けているんです。作品を観ていただければわかりますが、大人と子供とではアーサーに対する反応が違う。子供は色眼鏡をかけていないから大人と違って、金持ちと貧乏人を区別しないし、弱い者を見定めることもない。子供の目から見たアーサーは、人を喜ばすのが好きな男でしかありません。つまり、人をありのままに受け入れることができないのは社会で学んだ結果なんです」

では、アーサーが“ジョーカー”になったのは社会が悪いのか? 共感の溢れる社会になればアーサーは本当に救われるのか? アーサーを演じたホアキン・フェニックスは「アーサーはどのようにして人とコミュニケートしていいのかわからない人間だ。というのも、彼は暴力的ではないコミュニケーションの方法を学んだことがないからだ」と分析し、フィリップス監督は「我々は氷山の一角を話題にすることはあっても、氷山の下に何があるのかについてはほとんど考えません。街中でアーサーとすれ違っても、たとえ足を踏んでしまっても誰も気づかないでしょう。この作品では氷山の下でもがく男を描きたいと思いました」と語る。

私たちは氷山の下でもがく男にちゃんと目を向けているのか? 男を氷山の下に追いやったのは一体、誰なのか? そもそも私やあなたは氷山の上にいると言えるのか? 映画『ジョーカー』をめぐる議論や熱狂はまだまだ続きそうだ。

『ジョーカー』
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