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日向坂46も参加した『欅共和国2017』観賞会 心揺さぶるドラマが生まれた“けやき坂46”のステージを観て

リアルサウンド

20/6/4(木) 6:00

 欅坂46の公式YouTube公式チャンネルで、5月29~30日の2日間にわたり『欅共和国2017』のライブ映像が配信された。Twitterでは「#みんなで欅」がトレンド入りするなど、大きな盛り上がりを見せていたが、姉妹グループ・日向坂46のメンバーも続々と実況コメントをツイートし反響を呼んだ。このライブには、日向坂46の前身グループ・けやき坂461期生メンバーが参加しているが、本稿ではけやき坂46メンバーの活躍に焦点をあてながら、同ライブを振り返ってみたいと思う。

(関連:日向坂46Twitter実況はこちら

 『欅共和国2017』は、2017年7月22~23日の2日間にわたり山梨・富士急ハイランド・コニファーフォレストで開催された、欅坂46初の野外単独ライブ。大量の水や花火などの夏の野外ライブらしい豪華な演出もあり、それまでの欅坂46のライブにはなかったハイテンションな演出が見所だった。冒頭で披露された「サイレントマジョリティー」、空に1万個以上の風船が舞った「世界には愛しかない」、そしてなんと言っても本編ラストで繰り出された「不協和音」での平手友梨奈の鬼気迫るパフォーマンスは圧巻だった。

 およそ2時間半のステージを通じて、けやき坂がパフォーマンスしたのは、「Dance Track」を含めた5曲だった。この時、けやき坂46は欅坂46のアンダーグループという位置付けと認識していたファンも少なくはなかっただろう。欅坂46はこの年『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017』や『SUMMER SONIC 2017』といった複数の大型フェスに出演し、すでに『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)のステージも踏んでいた。一方のけやき坂46はホール規模のZeppツアーを回る中で、着実に実力をつけている段階だった。欅坂46との兼任で多忙を極める長濱ねるがリハに参加できなく、なかなか足並みが揃わないこともあった。

 しかしこの日のけやき坂46は、わずか5曲の出演だったとはいえ、『欅共和国2017』という空間に確かな彩りを加えていたように思う。ロック調の平手のソロ曲「渋谷からPARCOが消えた日」から流れを変えるような、アイドル然とした楽曲「ひらがなけやき」「僕たちは付き合っている」でファンを魅了。本編の終盤で披露された「誰よりも高く跳べ!」では、熱いパフォーマンスを繰り広げ、会場を熱狂に包んだ。同曲では、ステージに手応えを感じたのか、多くのメンバーが開放的な微笑みを見せていたのも印象的だった。アンコールの「W-KEYAKIZAKAの詩」では、長濱もけやき坂46の白いTシャツを着用して(漢字欅は黒いTシャツを着用していた)、客席とのシンガロングを楽しんでいた。

 「Dance Track」のパートでは齊藤京子が、ダンスのキレや表現力に定評のある鈴本美愉と向かい合ってパフォーマンスする場面があった。書籍『日向坂46ストーリー』によると、鈴本と向かい合って踊ることが決まってから、齊藤は必死で練習を重ねてこの舞台に臨んだという。振付師のTAKAHIROにも直接指導を受け、「もっと思いっきりやっちゃえ」という言葉をもらい、ステージではかつてないほどの振り切った踊りで見事客席を魅了していた。キャプテンの佐々木久美もこのパフォーマンスが強烈に印象に残っているのか、「このダンスバトル忘れられないし、かっこよすぎてこの京子大好き」とツイートしていた。

 『欅共和国2017』のステージには、グループから卒業していった柿崎芽実と井口眞緒もいる。後に欅坂46専任となった長濱もけやき坂46のメンバーとして同じ舞台に立った。この時の映像を観て感じたのは、つくづくアイドルという職業は儚いということ。加藤史帆が「今誰跳べをパフォーマンスする時、きくとし(佐々木久美・加藤史帆)でセンターをさせていただくけど、やっぱりこの曲のセンターはめみねるだな」とツイートしている通り、この曲が発表された当時は長濱と柿崎がWセンターを務めていた。今後、あの当時のメンバーで「誰よりも高く跳べ!」を同じようにパフォーマンスする可能性は限りなくゼロに近い。

 だからこそ、一つ一つのステージに意味があって、観る人の心を揺さぶるようなドラマがそこに生まれるのだろう。月並みな言葉だが、時間の針は巻き戻せない。そんな事実があるからこそ、多くの視聴者が当時に思いを馳せながら、『欅共和国2017』の、輝くようなステージ映像に改めて熱狂したのではないだろうか。締めのコメントとして佐々木久美が「みんなで一緒に観れたから、思い出もいつも以上に蘇ってきたし、本当に楽しかったです」とツイートしていたが、まさにこれまで経験できなかった新たな楽しみ方を提示してもらったように思う。“絆とはそこにいること”。「約束の卵」の一節が思わず頭に浮かんでくるような素晴らしい時間を過ごさせてもらった。(中山洋平)

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