エッシャー 視覚の魔術師
19/12/11(水)
トリックアートは錯覚を利用して視覚の盲点をうがつようで面白い。わが国でも江戸時代からだまし絵の楽しい伝統があるが、世界にはわりと古くから描かれているようだ。だが何と言っても20世紀を代表するトリック・アーティストといえば、オランダ出身のマウリッツ・C・エッシャーになるだろうか。1961年の『滝』などは錯視の妙味といえる。そんなエッシャーの生涯を描いたドキュメンタリーだ。家族やエッシャー・ファンのミュージッシャンなどへのインタビューを交えて構成しているが、やはりコレクターが収集したプライベートフィルムを含む現存する珍しい映像が貴重である。エッシャーのトリックアートは高い人気を誇るが、その緻密な錯視の宇宙はいつまでも見ていたい楽しさに溢れている。
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