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いま、最高の一本に出会える

『東京ワイン会ピープル』に出演した小野塚勇人

初めてのワイン&社長役に挑戦! 劇団EXILE・小野塚勇人が“10年”を前に思うこと

ぴあ

19/10/3(木) 14:00

6年に一度の祭典、“LDH PERFECT YEAR 2020”の一環として、現メンバーが初めて全員出演し、原案&プロデュースも担当する『勇者のために鐘は鳴る』の制作を発表した劇団EXILE。各メンバーが個性を発揮し、多彩な活躍を見せているが、その中でも近年、徐々に存在感を高めているのが小野塚勇人だ。

映画『GOZEN -純恋の剣-』に『最初の晩餐』、また9月に放送されたスペシャルドラマ『渡る世間は鬼ばかり』、10月開始の連ドラ『特命刑事 カクホの女2』と活躍の幅を広げ、まもなく公開の映画『東京ワイン会ピープル』では、ワインへの造詣が深い若き実業家で、乃木坂46の松村沙友里演じるヒロインの心に寄り添う織田を演じている。

今年で26歳。「20代の前半でキラキラした学園モノの話が来るわけでなく……、いつ来るんだろう?と待ってたら社長の役が来ちゃいまして」と苦笑しつつ、20代半ばを過ぎて「少しずつ、自分の進むべき方向が見えてきた」とも。そんな小野塚にじっくりと話を聞いた。

昨年、出演した日本酒をテーマにした映画『恋のしずく』で演じたのは老舗酒蔵の跡継ぎ息子役。今回はワインをこよなく愛する若き社長。「そんなに“酒飲み”のイメージがついてるのかな(笑)?」と驚きを感じながら、これまでほとんどなじみのなかったというワインに親しむところから始めた。

「前回は酒蔵の話で、見学に行かせてもらって酒造りに対する思いなどを聞いてスッと入れる部分があったんですが、今回はあくまでワインを飲むのが好きな人間。ワイン監修の方にアドバイスをいただき、自分でもいろんなワインを買って飲んでみました。実際にワイン会に足を運んで、そこでひたすら抜栓の練習をしたり、家でも(グラスを回す)スワリングを常にやるようにしていました」

織田は、小野塚の実年齢よりも高い設定で、しかも演じたことのない“社長”という立場。それでも「無理やり背伸びして演じるのは危ないなと思いました。じゃあ、織田の良さってどこにあるのか?と考えたとき、出てきたのが誠実でまっすぐな男というところ。社長に見えるか否かじゃなく、その部分を広げて“この男になら周りがついてくる”というふうに見えたらいいなと思いました」と自分なりに織田の人物像を作り上げていった。

最も身近に存在する“社長”であるHIROの存在、佇まいも意識したという。

「織田は、ワインの知識がない紫野(松村)に対しても、馬鹿にしたり、偉そうに振舞うのではなく、一緒に楽しみを共有しようとするタイプ。HIROさんの、全く上から目線のところがなく、どんな人間に対しても腰を低く接し、貪欲に何にでも興味を持って話を聞こうとするところは共通するところだなと思って、HIROさんをイメージしながら演じている部分はありましたね」

映画では、ワインを通じて“本物”とは何か?を問いかけるような描写がいくつも登場する。俳優の世界に身を置いて多くの人々と接してきた中で、小野塚が考える“本物”、“一流”の俳優とは?

「この仕事は個性をどう出すか?という仕事でもあり、どういう生き方をしたら“正解”というものでもないし、見た目がカッコいいから売れるものでもないんですよね。でもやはり人間力のある人に周りはついていくのかな? 演技がうまかったり、器用であることはすごいことだけど、それだけじゃ見ている人は魅了されないし、不器用な人間が不器用なりに頑張っている姿が心に刺さったりする。僕自身がこれまでやってきて、ひとつ言えるのは“貪欲にやり続けること”の大切さ。細かいところまで手を抜かず、どんなに上に行っても、初心の貪欲さを忘れずに続けていける人が、ずっと残っていける人なんだなと思います。僕は、自分には才能なんてないと思ってるし、地道に努力し、積み重ねたものがいつか大きなものになるって信じています」

その思いを強くしたのが『恋のしずく』において親子役で共演し、昨年、急逝した故・大杉漣との出会いだった。

「直接、何かアドバイスをくださるわけでもないし、説教じみたことを言うわけでもなく、ただ背中を見せてくださって、そこから受け取ったものがすごく大きかったです。後輩が背中を見て“カッコいいな”と思える人こそ、本物であり一流なんだなと思います」

初めて舞台に立ち、観客の前で演技したのは、劇団EXILE加入よりもさらに2年ほど前の2010年の舞台版『ろくでなしBLUES』。気づけば来年で10周年である。近年の活躍は、まさに継続の重要性の証明ともいえる。

「今、こうして言われるまで、(10年を)全く意識していなかったです(笑)。いろんなことを考えて試して、失敗もしたし、時には守りに入ることもあったりして……少しずつ成長しているのかな? 自分は王道を歩いてきた人間ではなくて、キラキラの学園ものには出てないし、20代前半の頃からアウトローな役を演じることも多かったんですが、自分の中でやっていて一番楽しいなと思えるのはコメディなんです。ちょうど劇団にも、コメディ路線でガンガンいくようなメンバーもいないので、笑いのポジションを目指して、2枚目ではなく3枚目……いや、2.5枚目くらいで(笑)、やっていけたらと思います。30歳になるまであと4年。ひとつひとつ場数を踏んで方向性を定めつつ、30歳になる頃には“これ!”と言えるものを手にできていたらと思います」

『東京ワイン会ピープル』
10月4日より公開

取材・文:黒豆直樹 撮影:源賀津己
スタイリスト:本田博仁 ヘアメイク:KOHEY

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